「はぁ…」
最近ろくな事がない、陸八魔アルはそう思っさた
アビドスというもはや5人しか居ない終わりかけの学校を襲撃する
そしてそこにいるたった五人を倒して学校を占拠する…それだけだった
その筈が、シャーレの大人が居る上に…あの「古びた大人」も居たのだ
そもそもシャーレがいる時点で負けが確定したというのに彼も居たとなれば勝つことは出来ない
彼の大矢に吹き飛ばされ、血が吹き出るほど切られ、ナイフを投げられ、吹き飛ばされ…
反撃しようにも岩のような鎧に阻まれて全くダメージが入らない
その後妙に痛いライフルでボコボコに撃たれるし…
「本当…こんなダメな私についてくるなんてね」
横で眠りこけている3人を見ながらアルは呟いた
現在ブラックマーケットの銀行に彼女は来ている
来た理由は単純、資金が無いから支援を受けるのである
…の、だが
「えぇっ!?受けられないィ!?」
「申し訳ありませんが…」
現実は酷いことに、支援は受けられなかった
彼らの言い分としてまず「実績」がカスなこと
そしてそのせいでペーパーカンパニーと疑われたことである
…その後に「会社ごっこ」などと笑われたが、みんな寝てて良かった
特にハルカは多分、暴走していくだろうし…
そうして、途方に暮れていた時であった
「!?電気が!」
「何!?」
電気が消える
異様な雰囲気に気づいた社員達が飛び起きる
便利屋が起きたその時、あらゆる方向からガキンガキンと金属音が響く
「ギャッ!?」
「うぐっ!?」
それはまるで剣をうちつけるかのような音であり、最近彼女達に聞き覚えのある音であった
真っ先に、便利屋68は誰が来たのか察してしまった
金属音が鳴る音が消え…やがて照明が照らされる
「ん、死にたくなかったら地に伏せる事」
「抵抗しないでねー、剣の扱いなんて慣れてないから叩き壊しちゃうかもよー」
(あ、あれは!?)
「私はカタリナのジークマイヤー!この地にいる悪を成敗しに来たぞ!」
そこには、6人の騎士が居たのであった
騎士!?今は近代だよ近代!
時間軸はどうなってんだ、時間軸は!
「アイエエエ…」
「あっあっあっ…」
「ハルカ!?社長!?しっかりして!?」
「…この状況で取り乱さないカヨコちゃんすっごいねー」
も、もももしかして悪事を繰り返す*1私達を捕まえに来たってこと!?
いつかはそういった者が来るとは思っていたけど…まさか今!?そして尚且つ騎士ィ!?
見たところ、騎士は6人だ
まず1人目。オーソドックスに「騎士」と言った感じの子
背中に見覚えある気がするショットガンを下げている
…オーソドックスなのだが妙に強そうだ、なんでだろ*2
2人目、羽の着いたバケツのようなヘルメットを被った人
やけにでかい胸部装甲に丸い円盤のような盾、直剣を握っている
背中にはこれまた見覚えのあるミニガンを背負っている
「騎士」だというのに何故かおおらかなオーラが見える、何故だ*3
3人目、汚れてボロボロな鎧を着ている「騎士」…?
首には妙に綺麗なマフラーがあり、汚れていないせいでソレが浮いているように見える
背中には見覚えある白いアサルトライフルを背負っている
…あれも何故か、見覚えがあるような*4
4人目、布が多く身軽な鎧に身を包んだ「騎士」…?
背中には見覚えある気がする赤と黒のアサルトライフルを背負ってるし…
右手に銀色のトゲトゲした短剣を持っており左手には…
…!?あれ私から血を吹き出させた短刀じゃない!?
なんであの人が持って…まさか元の持ち主!?ワッ、ワァ…*5
五人目、ゆっくりと歩いている人物
でっぷりとしたまるで玉ねぎのような*6鎧を着ている
というのに足は全く震えず歩いていることから相当な筋力を持っているのが分かる
左手に一本のトゲが付いた盾、右手には身長を超える程の特大剣を装備していた
何あれ…カッコイイ!!!*7
6人目、頭に頭陀袋を被っている人物
…アルは気づいたのだが彼女達の兜、袋に数字が書かれている
上記の説明順で数字が書かれているのだが…如何せん兜に書かれているので凄く…カッコイイ!*8
それにランランと光る両目からして…彼女がリーダーね!
…全員カッコイイ!?何あれ!?最っ高じゃない!?
やがて深淵に濡れた大剣で銀行員を脅し始めた
「…早く例のものを出して」
「そんな時代遅れの武器で私を脅せるとでも…!?」
「あぁなりたい?」
青い騎士が目配せをする
残光を持った騎士が横に立っていたオートマタに対して簡単に切り払う
それはオートマタの喉を切り裂き、簡単にオイルを吹き出させた
勿論喉元を切られたオートマタは声音機能を破壊されて倒れた
それを横目に見ながら深淵に濡れた大剣を青い騎士が向ける
「ひっ、ひぃ!?わわわかりました!ここれですね!?」
「…ん、そうだけ違「足りない!?分かりました追加します!」…ん、そう」
無言の圧でお金を更に出させる…!?凄いわ…
…でも騎士が強盗ってのは違くない!?ねぇ!?
アル社長、心の叫びが出る
その間にも黒いバックに追加されていく大量の札束
それを青い騎士がだんまりとした様子で見ていた
「アルトリウスさーん、そろそろ行かなーい?」
「…ん、分かった。アストラの上級騎士さん」
バッグを回収しない彼女をはやし立てるようにシンプルな騎士が呼びかける
見た目は1人除いて男らしいが、中身は女性のようだ
…見た目はそうはいかないのだが……
(…ねぇ、あれっさ)
(間違いなくそうだろうね、…あれ多分古人とアビドスだよ)
(つ、伝えないんですか…?)
(…まぁ、いいんじゃない?)
(面白いしこのままでいいでしょー!)
目を黄金のようにキラッキラさせているアルの後ろにて小さな声で会話している3人
結論的に正体を伝えないことにした、そっちの方が面白いからである
青い騎士はバッグを持ち入口に駆け出した
それを見て他の騎士たちも入口に駆け出していく
勿論銀行員達がそれを逃すわけもない
「くそ!逃がすな!絶対に────────」
「おぉ!追いかけられては困るな…!ならばこうだ!」
まるで玉ねぎのような騎士が入口でこちらを向いた
そして、左手が"オレンジと赤"に光る手になったかと思えば…海老反りになって苦しむように震え出す
「なっな…」
そして…息を吐き出すように紫色の霧をぶちまける
それはどう見ても…毒の霧であった
(アイエエエ!?騎士なのに毒!?ヒキョウ!圧倒的ヒキョウ!?)
アル、騎士とは思えない手口に白目を剥く