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作:回忌
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暗い場所にある光


なんとも危険な場所だな、「ブラックマーケット」とは

 

「そ、そうだねぇ……そこまでする必要ある?」

 

何を言う、する必要があるからこそこれなのだ

 

 

 

私の答えに対してホシノはため息をついた

一体何がいけないというのだ?ただ盾をずっと構えているだけというのに

 

そもそもここの構造が悪いのだ

横穴が多く、いつでも横から襲撃されそうな通路

この時代には恐らく松明を持っている敵など居ないので、更に気をつける必要がある

 

いや、もしかしたら急に扉がドォン!と開いていきなり現れた奴らにバックスタブされるかもしれない

 

「"……彼って、どこから来たんだろうね"」

「ロードランから来た旅人さん、としか分からないねぇ〜」

 

不死街の下にある場所のように暗い

腐った犬が出てきてもおかしくないのだが…

 

しかし、少し歩いて行くとケバケバしい光が現れる

それは看板にある大きな文字から発せられているようだ

あまりの光に弓を構えようとする

 

 

「ちょちょちょ!それはダメだよ旅人さん!」

 

……駄目か

 

「ブラックマーケットじゃ騒ぎを起こしちゃ駄目、面倒事になるからね」

 

成程、分かった

 

 

物を壊したら何か現れるのだろうか

私としてはその現れるやつがどんなやつか気になるのだが……

変にやらかして彼女達と敵対したくはない、止めておこう

 

……今度ひとりで来て、やってみようか

 

「さて、"探し物を"しないとね」

「ホシノ先輩の言う通りね……彼に構ってちゃ何も始まらないわ……」

 

言い方が酷い、私はただ当たりを警戒しているだけだと言うのに

どこにおいても常に警戒していることは悪いことでは無いのだ

 

角から急に盗賊亡者やなんやらが来るロードランじゃ当たり前の話だ

まぁ出てくる場所を覚えてしまえばその限りでは無いが……

 

ここは圧倒的に初見な場所、気を付けなければならない

 

 

 

そう思いながら彼女達の後ろについたのだった

決して彼女達を囮にする訳では無い、私よりは道を知っていそうだったので前に行かせただけだ

 

 

 

 

 

 

そこから進むこと数百歩、私は彼女達から声をかけられた

 

 

 

 

 

「……そういえば、旅人さんはロードラン、というところから来たんだったよね」

 

そうだ

 

「その、魔法とか使うし……ドラゴンみたいな敵っていたの?」

 

居たな、何体か

 

「ッ!聞かせて聞かせて!」

 

 

セリカが食いつき、旅人に話をせがむ

それに対して彼はこくりと頷き考え込むような姿勢に入った

何か、悩んでいるようである

 

彼がここに来る前にいた国、ロードラン

 

そこについての話を……御伽噺のような実話を、皆聞きたかった

 

 

「……どうしたの?」

 

……いや、ドラゴンならば…「黒竜カラミット」が良いか

 

「黒竜カラミット!?何それかっこいい!」

「どんな竜なんでしょうか……」

 

生ける厄災と呼ばれた竜だよ、アノール・ロンドが総力を決しても殺せなかった竜だ

 

「おお……!……アノールロンドって何?」

 

当時の王国、と思ってもらって結構だ

 

「王国が総力をけしかけても殺せなかった竜……!」

「もうかっこいいじゃない!」

 

そう言いながら、彼はかつての戦いに思いを馳せていた

最初あった時は、黄色い花が生い茂る先の小さな石橋

そこを通ろうとして現れた黒竜カラミット……あの威圧感は凄まじかった

 

あれ程の難敵は他にはシースくらいか……尻尾を切る難易度は

 

 

かの竜はウーラシールでかなりヤンチャしていたよ

殺そうにも、竜は空にある……私に勝ち目は無かった

 

「でも、旅人さんは倒したんでしょ?

ㅤどうやって空から王者を地に落としたのかな?」

 

竜狩りの力を借りた、「鷹の目」ゴー……巨人だ

 

「巨人……!」

 

騎士アルトリウスを倒した塔に幽閉されていた巨人よ

かつての竜狩りの英雄なのだ

 

「アルトリウス……いや、今はゴーかな

ㅤその英雄さんはどうして幽閉されていたの?」

 

狩る対象が居なくなったからだ、狩る獲物が居ない狩人など邪魔でしかあるまい?

 

「そんな……竜狩りの英雄なんでしょ?」

「あんまりじゃない……」

 

そんなもんだ……その彼に、私は力を借りたのだ

本人は深淵に堕ちたアルトリウスを解放した礼だと言っていたがね

 

 

「深淵……気になるワードがどんどん増えていく……」

「なんなの……旅人の地……」

 

 

ホシノやセリカがブツブツと何かを言っているが、気にしない

理解するのも難しい話であるのだから

 

 

「それでゴーさんはどうやってカラミットを落としたの?」

 

弓を使った、そうだな……そこの建物よりもずっと大きい弓をな

 

「おお……それで竜を撃ち落としたと……!」

 

本人の竜狩りを目の前で見たが、あれは壮観だった

アレで彼は目を潰されているというのだから彼の技量を感じられたよ

 

「目を……!?どうして……」

 

……君たちは知らなかったな

ロードランでは巨人は奴隷のようなものなのだよ

それが王の騎士となったならば、妬む者も居ておかしくないだろう?

 

 

酷い話である

彼を快く思わない者が兜の覗き穴を全て潰すなど

栄誉ある四騎士に奴隷風情がいることがそんなに気に食わなかったのだろうか……

 

まぁ、その時に起こりえたことなど不死人に関係ないのだが

 

 

「……酷い話だね」

 

だろう……そして、私は堕ちた竜を倒した

面倒な相手だったよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の話を聞いていると、銃声が響いた

突然のことに彼はすぐさま剣と盾を構えた

 

「なんだろ、揉め事かな?」

「……ん、違うようだよセリカ」

「あらー追われちゃってますね〜」

 

視線の先には、撃たれながら追われている生徒とそれを襲うスケバンが居る

 

「だ、誰か助けて〜!?私はただペロロ様のために……」

「ゲヘヘ!止まりやがれー!!」

 

……どうして追われてるんだろ、あの子

私がそう思っていると思い出したかのようにアヤネが叫ぶ

 

『!思い出しました!あの制服はマンモス校のトリニティのものです!』

「そうさね!だからこいつを誘拐して沢山の金を……

ㅤおい待て!?そこの男なんで剣とかいう古臭いもんもってんだ!?」

「…古臭い……」

 

ああっ、旅人さんが意気消沈した……

目に見えて落胆した彼は武器をレイピアから持ち替えた

 

それは便利屋との戦闘で彼が構えていた、岩のような大弓

 

 

 

「……ならば見せてやろう、ゴーの大弓を用いてな」

 

 

……!?それ英雄さんの大弓なの!?

突然の事実に驚愕していると躊躇うことなく彼は大矢を放った

 

音速で放たれたソレがズボンとスケバンにぶち当たる

 

「あぎゃッー!?」

「やられ千葉ァ!?」

 

スケバンその1人はそのまま気絶し……

 

「そこ」

「ぎっ!?」

 

もう1人はシロコが気絶させた

これでそこのトリニティ生を襲うものは居なくなった訳である

……なんでたった2人で彼女を誘拐しようとしたんだ?

 

そう思いながら、彼女を兎も角安全な場所までエスコートするのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、貴公は態々ペロロ様というぬいぐるみを買うためにここに来たわけだ

ㅤトリニティの生徒という肩書きがあるにも関わらず」

「はい、そうですね」

 

彼は頭を抱えた、そりゃそうだろうね私も抱えたいよ

彼女がどうして欲しいものがあるというから私達はその予想を立てたわけだ

 

ここに来るのだから違法な物に間違いは無い、だから兵器やなんやら……

そういうものだと思っていたのだけれど

 

 

彼女の欲したものはぬいぐるみであった

それも口にアイスクリームがぶち込まれた、意味不明な鶏である

 

こんなものの為によくここに来ようと思ったものである

 

「…貴公、既に狂っているぞ……」

 

ポツリと旅人が漏らした言葉が聞こえた

私もそう思うよ、旅人さん

 

 

 

 

 

 

でも干からびた姿から当たり前のように戻ったり魔法を使うあなたも狂ってると思うよ私は……

 

 

旅人の旅路!〜キヴォトス編〜

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