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作:回忌
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引き潰す者


因みに大竜牙ってだいりゅうが、では無くおおたつきと読むらしいです

…私は本当にオドロキでした……


思い切り大竜牙を大きく振りかぶり、叩きつける

凄まじい音と共にクレーターが発生する

 

「いやぁぁあ!?何ですかソレェっ!?」

 

彼女は大袈裟にそれを回避した

何をそんなに大袈裟に回避する必要がある、ほら攻撃出来る隙を逃してしまったでは無いか

彼は兜の下でほくそ笑みながらハベルの大盾を構えて歩く

 

即座に彼女はスナイパーライフルを構える

 

「…っ!隙が無い……!?」

 

反撃の銃弾を叩き込もうにも隙が無い

そもそも彼の持っている盾が大きすぎて彼の体が全く見えないのだ

何処にスナイパーライフル弾を叩き込もうとも恐らく弾かれる

 

…尚、体が見えたとてハベルの鎧を着込んでいる彼には全く効かないのだが

 

「…なら!」

 

彼女はグイッとスピードを上げる

そのまま彼の周りを回転するように移動して攻撃を叩き込む

彼はゆっくりと盾を構えるが隙間を逃さずにアルはライフル弾を叩き込む

 

…が

 

「…かったァ!?」

 

先程も言った通り彼はハベルの鎧を着込んでいる

「岩のような」ハベルが着込む鎧は大岩を削り出したものである為防御力は凄まじい

たかが鉄の粒ごときが音速で飛んだとて、それを砕き貫通できるものか

 

それに驚いた彼女は足が止まった

 

 

 

 

そこを逃す彼では無い

 

すぐさま懐からナイフを取り出す

そのまま横から滑るように投げる

 

投げナイフ

 

投擲用の敵に投付けるナイフ

 

持っている弓に比べ飛距離は短く、その上精度も低い

しかし簡単に間接攻撃ができるアイテムである

 

もしこれ以外に間接攻撃手段が無いようであれば備えとして持っているのも良いらしいのだが…

 

 

 

結局は大力と結晶槍、もしくは飛沫で全て終わる

道すがらの雑魚に構う意味も無いのでこのアイテムは腐ってる

このアイテムを使ったことがあるのは…絵画守りに意趣返しとして使ったくらいか…

 

そう思いながらも投げたナイフは彼女に突き刺さった

 

「いてっ!?やったわね!?」

「アル様ッ!……邪魔だ!!」

「行かせないよぉ」

 

彼女はキレながらライフルを放つ

視界の端で紫色の服を着た奴が突っ込んで来ようとしていたがホシノに止められていた

彼が得意とするのは1体1、複数戦は得意ではない

 

 

相手の癖を、相手の行動を見極めて次を繰り出す

 

 

それが、彼の戦い方だ

 

「…ッ!」

 

 

しかし…戦い方を─────いや、やり方を変える

同じやり方で倒せる敵なんてどこにも居ない

 

だからこそ、相手の弱点に合わせたやり方をする

 

鎧は黄金の鎧に変わり、盾もまた中くらいの黄金の盾となる

その眩しさに一瞬アルは目が眩んだが彼の持っている十字槍を見てすぐさまライフルを構えた

 

 

身に纏うは聖騎士の鎧、左に持つはサンクトゥス

 

 

そして彼が構えたるは数々の竜を屠りし騎士が持ちいた十字槍

 

 

 

 

名を竜狩りの槍、「竜狩り」オーンスタインが持ちいた槍である

 

 

 

 

「一筋縄ではいかなさそうね…!」

 

いかせてたまるものか

 

騎士は兜の下でそう叫びながら盾を構えて進む

そのまま槍の届く範囲にまで突き進む

 

アルははそれを見てニタリと笑う

 

「さっきと違って足がガラガラよ!」

 

具足を銃弾が貫いた

黒い血がボトリと垂れるが気にしたことではない

…アルは少し白目を剥いているようだが気にする程でも無い

 

少しの傷ならば気にすることもない…何故ならばサンクトゥスがある

 

 

サンクトゥス

 

'はるか昔不死となった聖騎士に託された盾'

"白教"の伝説の宝具の1つである'

 

'予め祝福されており、白い炎の加護があるが'

'すでにその力の大半は失われており'

'僅かなHP回復効果が残っているだけだ'

 

 

…とまぁ、これもまた伝説の逸品である

これと対になるような大槌が存在しているのだが、彼は装備していない

その宝具があまりにも重い鉄塊である上機動力が必要なアルとの戦闘に向いていない

 

力を解放すればまた話は別だが…それは"ある奇跡"を覚えているから代用できる

 

そこまで気にする程でも無いのだ

 

 

さてもう1つの宝具の話は終わりだ

撃ち抜かれた足は既にサンクトゥスの回復効果によって治っている

じわじわとした治りだが後々のアドバンテージになるだろう

 

「…今分かった、貴方は長引かれると不味い。一気に片付けるわッ!!!」

 

アルが何かに気づいたようにそう叫び彼に接近戦を挑む

成程確かに長引かれると不味いのはこちらの方だ(ん?)

何をどうとって自分の方が不利になると思ったのか分からないが…短期決戦ならば丁度いい

 

 

 

 

 

 

 

彼は左手を"赤と白の布"に持ち替えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁ───────ぎゃぁぁぁあッ!?」

「アル様ァッーー!?」

「おー、吹っ飛んだねぇー」

「くふふ!面白〜い!」

 

 

アルが殴りかかろうとした瞬間、彼は手を交差し瞬時に解放する

瞬間白いモヤが出てきたかと思えば凄まじい衝撃波が発生しアルを吹き飛ばした

 

 

サオリの時にも見せた"神の怒り"である

突っ込んでくる相手には滅法効く、特に対人に"慣れていない"奴は、特に

 

 

彼はそう思いながら太陽のタリスマンを仕舞った

 

 

 

 

「ぐぐっ…やってくれたじゃ…イタタタタッ!?」

 

 

そのままサオリから奪ったアサルトライフルを使用する

え?竜狩りの槍の意味?かっこいいからに決まってるだろ!

見た目じゃ見た目!この世界では荘厳な雰囲気出しとけばとりあえずビビらせられる!

 

ロードランを見てみろ!相手がグウィン王の装備来てても問答無用で殴ってくるぞどいつもこいつも!

 

 

「け、剣だけじゃ無い───────痛い痛いッ!それどんな弾使ってるの!?」

 

 

あ、因みにこの武器を強化して見たところかなり威力が上がった

とはいえ人前で使えるようにした為+1程度にしか強化していない

それ以上強化するとキヴォトスにて鮮血のような美しい花が咲いてしまうので無理である

 

そう思いながら彼はアサルトライフルを見た

 

 

 

 

アリウス製アサルトライフル+1

 

 

'トリニティのカタコンベの奥'

'そこにはかつて迫害されたアリウスという分校が存在する

 

'今や悪しき大人に全てが支配されており'

'微かな希望もそこには存在しない'

 

 

'この武器の持ち主もまた、自身の希望を奪われたのである'

 

 

 

 

…ろくでもない、"生まれるべきではなかった素性"だったのかもしれないな、彼女達は

 

 

そう思っているといつの間にか戦闘は終わっていた

傭兵達が何故か装備類を畳出して帰り出したのである

 

 

どういうことだろうか?

 

「傭兵金を貰って働く…でも、それは一定の時間まで

ㅤ金の多さに比例して多くなるようだけど…今回は時間切れのようだねぇ」

 

成程、理解した

 

 

つまるところ金を貰って働く傭兵、…ロードランと変わりない訳だ

しかし一定の時間までとはまるで彼のやっている「バイト」のようである

命が軽い…というか死ににくいキヴォトスじゃ価値観的にそうなるのか

 

やはり、キヴォトスとロードランは至る所が違いすぎる

 

 

「アルちゃん、撤退しよう」

「くぅ…!……ッ!覚えてなさい!アビドス!次は絶対負けないからッ!」

「くふふーアルちゃん三下ボスっぽい〜」

「うるさいっ!逃げるわよ」

 

 

…そのままドタドタと仲良く彼女達は逃げて行った

辺りを見渡し敵が居ないことを確認した彼は鎧をチェスターシリーズに変更する

勿論頭は宵闇の冠だ、あんなハットは…良いのだが"顔"が良くない

 

あんな笑ってちゃ、彼女達も安心できまい

 

 

『敵勢力撤退…戦闘に勝利です!』

「一昨日来やがれー!」

『来ちゃ困りますよ…』

 

 

アヤネがセリカの叫びに対して呆れたように言っている

しかし不死人にとって挑みに来ることは困ることでは無い

何も困らないのだから、何かを失う訳でもないのだから

 

 

あるとしても…この心に残った僅かな人間性だけであろう

 

 

 

 

さて、やることは終わった

彼はそう思って出していた武器を背中などに仕舞い柴関ラーメンに行こうとしていた

バイト、という訳ではなく今回は客として行こうとしたのだ

 

 

「あ、旅人さんちょっと待ってー」

 

そうして別の場所に行こうとした彼をホシノが引き止める

なんだと思いながら彼はホシノ達の方に向かう

変なことだったら関わる気は無い、本当に

 

「助けていただきありがとうございます…今回はダメかと思いました……」

「あんなのにやられる程私たちはヤワじゃないわ!

ㅤなんせ呪術も魔法も使う必要が無かったくらいだからね!」

「ん、確かに」

「私の恵みがあればみんな元気になりますよ〜!」

 

彼女達の前までたどり着けば、彼女達の会話が聞こえてくる

アヤネの安心したような声にセリカのふんすと余裕そうな声

それを肯定するシロコとタリスマンを抱きしめるノノミ

 

アビドス生らしい光景がそこには広がっている

かつての自分が落としてしまった、人間性の塊のようなものがそこにある

 

……しかし彼にそこに入る権利がないことなど、本人にすら分かっていた

自分は呪われし不死人、死に損ないが生者の営みに入る権利は無い

 

 

「ねーねー旅人さーん、ちょっと頼みたいことがあるんだけどさー」

 

 

 

だと言うのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今から行くとこできたからさ、一緒に行かない?」

 

 

 

 

 

 

眩しい、太陽のような笑顔

ロードランの地で1度も見たことの無い、心からの晴れやかな笑顔

 

 

 

 

 

 

どうして、君は私を輪に誘おうと言うのだ……

旅人の旅路!〜キヴォトス編〜

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