目の前の存在に対して舞うように斬撃を繰り出す
その軌跡が黄金で、あまりに美しい為か彼女はそれに見惚れてしまう
見惚れている間に彼は斬撃を連続してくり出し、それが彼女にどんどん当たっていき……
「ぎゃっああ!?」
「アルちゃあぁーん!?」
血が出た!
彼女は身体中から大量の血を吹き出したのであった
そんな彼女の目の前にいた彼は何故か返り血ひとつ浴びていない
真顔、いやなんとも言えぬ顔をしながら斬撃を繰り出す
「さ、流石に今度はやばそうね!!」
そう言いながら後ろに回避してスナイパーライフルをリロード
照準を彼に向け引き金を引こうと狙いを定めるが……
なんと、そこに居たのはまるで「岩のような鎧」を纏った騎士が居た……
なんですって!?(驚愕)
○
本日は、休みの日だ
俗に言う定休日と言うやつらしく店をやらないという
今までの旅のせいで錯覚していたが不死人では無いものは限界があるのだった
一日の内に神々をぶっ殺し火を継いだ彼はすっかりそれを忘れていた
やることがないので、住宅街の捜索でもしようと思っていたのである
砂漠にも何かありそうだがまずは住宅街だ
不死街みたく死体が転がっているようには思えない、ここでは死が禁忌なのだから
…ニトが泣いている……
そう思いながら住宅街を進む
何か落っこちていれば良いが、なければしょうがない
売られた喧嘩は買うぞ?お?お?
…オット喧嘩腰になっちまった……
にしてもそろそろ新しい装備、もとい衣服が欲しいものである
ロードランの衣服も良いのだが如何せん時代が合っていない
一人だけ昔から来たかのような見た目(実際そう)をしてるのが違和感でしかない
そういえば、スマホで検索したのだがこのキヴォトスには服屋があるらしい
そこらの機械や犬畜生、や生徒達の服が作れるんだとか、もしくは購入出来るとか
こちらでの財産が貯まれば買おうと思う、始めたばっかりだから所持金は2、3万である
無駄に高いものを買う必要は無いのだが定価とかが幾らか分からないので無駄に貯めている
妖怪100ソウル、いや妖怪1000ソウル足りないが出てきたからな、ロードランでは
……?
兎も角アビドスの服屋に行ってみるか、と思った時彼は爆発音を聞いた
どうやら誰かがやり合っている様子である
ほぼ毎日銃声が聞こえるキヴォトスでも爆発は珍しいのでは?
なんだろう、巨人が火炎壺でも投げているのだろうか
そう思い近くの塀に上がる
基本的にアビドスは平坦な地形である
故に近くの建物に登れば基本的な情報は入ってくるのだ
塀から屋根に登り、そこから望遠鏡を覗き込む
覗いて見れば、アビドス高等学校で戦闘が起こっているようである
またあそこは襲撃されているのか、意味が分からない
昔に何かやらかしたのか?一体何をしたというのか…
まぁ、それは良いだろう、今は
問題が1つ見つかったのである
それは襲撃側のリーダーらしき女性である
彼はその姿に見覚えしか無かった、特にその髪と角である
大きなコートを着込んで不敵な笑みを浮かべライフルを構えている
…思い出すまでもない、昨日来た客である
昨日彼女達あってこそ飯にありつけたというのにその次の日には襲撃してやがる
まさかそんなヤツだとは思わなかった、この外道が!パッチが!萎え床!ハム公!
彼は心の中で出来る限り最大限の罵倒を飛ばしながら敵の近くに移動する
このまま放置は出来ない、アビドス生達が心配だ
それと個人的な恨みと導きのターゲットマーカーの御声である
彼は指輪を付け替え、身の丈を超える程の大弓を取り出す
ゴツゴツとした、岩を削り出して弓のようにしたかのような物品
パラパラと埃のようなものが地面に落ちていく
「ゴーの大弓」
'グウィン王の四騎士の一人'
'「鷹の目」ゴーの用いた竜狩りの大弓'
'野にあったころからのゴーの得物であり'
'竜狩り隊の用いた大弓よりもさらに大きく'
'使用には人ならぬ膂力が必要となる'
ウーラシール、闘技場
騎士アルトリウスが正気を失いながらも市民を虐殺していた場所
未来から来た不死人である彼と、高潔な騎士であった彼の戦いがあった場所
そこのこじんまりとした塔に封じ込められていた巨人「鷹の目」ゴー
狩るべき対象も居なくなり、自らの兜の覗き窓を潰された彼がそこに居た
詳細を省くが、黒い竜・カラミットに苦労していた彼にゴーはアルトリウスの礼だと言って竜狩りを見せてくれた
ほぼ動かなかったのであろう体が動き、砂粒が零れ…
覗き窓を潰された兜を身につけたまま彼は弓を引いたのである
その大矢は黒竜カラミットの左翼に命中、そのまま地に堕ちた
後は彼の出番だ、彼が竜を狩るのみである
『…竜に挑むは、騎士の誉よな……』
意気揚々とする私にそう言ったのは彼だった
妙にかっこよくて、響きが良くて記憶に残っている
気に入っているセリフの一つだ、1番は…そうだな…まぁ、いいか言わなくて
どうせそれは貴方の成果次第だし
そして先程付け替えた指輪は四騎士の指輪、「鷹の指輪」だ
'グウィン王の四騎士に与えられた特別な指輪'
'鷹の指輪は大弓隊を率いた「鷹の目」ゴーのもの'
'弓の射程距離を伸ばす効果があり'
'ゴーの大弓ははるか空の古竜を射落としたと言う'
ソウルの説明にもある通りだが、筋力を上げずに弓の飛距離を伸ばすことが出来る
技量をあげている訳でもないのでこの指輪が最初から持っている力なのだろう
ゴーの大弓の技術、程ではないが基本的なものを全て射抜けるのである
懐からゴーの大弓と遜色ない大矢を取り出し、つがえる
狙うのはやはり指揮官、それ以外はどうでもいい
上を叩けば勝手に下は崩れてしまう、それをアビドスが狩るだけだ
なんと簡単な話であろうか
端下を地面に突き立て、狙いを定める
ギリギリと大きな音を立てて弦を引く
もはや人ならざる筋力も持っている彼だからこそ出来る芸当であり一般人には到底できたものでは無い
尚ヘイローの加護持ちである彼女達には普通に引けるようなのだが
赤髪はなにやら先生たちと向き合っている
片手で銃を向けている辺りやはり敵か
そう思いながら大体の位置を狙い済ました後、赤い髪に向けてゴーの大矢を放った
○
「恩知らず!頭ゲヘナ!」
セリカはそう叫びながら攻撃を加える
アルバイトの傭兵達をベキボコにしながら進んでいく
「"ノノミは前進してセリカとシロコの援護、ホシノは前線にいる爆弾魔の相手"」
「わーい☆」「ん、塵も残さない」「うへ〜い」
先生の指示に従って各々が攻撃する
校庭から奴らをまず押し出して戦闘状況を変える
押されているのだ、今すぐ押し出してやる
アビドスは少数精鋭である
個人個人が平凡より上の力を持ち、軟弱な奴は居ない
アルバイトで雇われた傭兵程度にやられる奴らでは無い
なので、直ぐにアルバイト傭兵たちは押し戻される
「うわっ」「うぐっ」
的確な射撃やショットガンの一撃によりどんどん倒されていく
相手の1人さえ倒せていないことにアルは焦った
「ぐぬぬぬ…!人手が足りなかったのかしら…?」
「そういう問題じゃないとおもうけど…ま、いいか」
カヨコはそういう問題じゃ無いだろうと思いながらサイレンサーを外した
そのまま空中に銃口を向け、引き金を引いた
「っ…!」「うっ…!?」
凄まじい音
恐らくハンドガンとは思えない轟音である
その轟音はアビドスの全員を一瞬だけ足を止めた
それだけでもアル達には十分な時間である
"片手で"己の愛銃を構える
「片手でも当てられるわ!」
…そう言った瞬間、彼女の足元に槍が突き刺さった
「えっ!?!?」
いや、槍では無い
銀色に輝く凄まじく大きな矢だ
見た目から手作りなのだろうと分かるがそれにしてはサイズが大き過ぎる
思わずそちらを、全員が見てしまう
そこには古風なコートを着込んだ男が立っていた
身の丈を超えるような大弓を持って、次の矢をつがえている
「あ、あれは依頼主の言ってた"古コートの男"!?」
「ど、どうするアルちゃん!?捕まえないといけないけど他の依頼が…危ない!?」
言っている間に次の矢が飛んでくる
先程より精度がかなり良くなっている、次は当ててくるだろう
その前に倒さなければならない
…が、しかし相手にヘイローは見えない
撃ってもし当たり所が悪ければおそらく死んでしまうだろう
アルの脳内で生かしたいのと生かすと困難という事実がぶつかり合う
「ど…どうしまギャアアアア!?」
「社長ォー!?」
しかしそんなことを考えているから…というかそのせいで彼女はモロにゴーの大矢を食らった
突き刺さらずにぶつかった反動を受けてぶっ飛んでいく陸八魔アル
その光景を唖然とし顔で見るアルバイト、装備を変えて駆け寄る彼
様々な情報が詰め込まれたおかげで先生は一瞬オーバーヒートしてしまったそうである
○
右手に黄金の残光、左手に草紋の盾を持って突っ込む
思っていたよりもキヴォトス人…いや、ヘイローの加護による耐久力は高いようだ
流石にスモウハンマーですり潰せば多分、恐らくきっと死ぬ
そう思いたいのだが…まぁ殺す気は無いし良いか
…因みにこの曲剣はアルトリウスを討伐した場所に立てられた墓の前にいた女から貰ったものだ
グウィン王四騎士の一人、「王の刃」キアラン
かつて王の敵を全て斬り伏せていた彼女が、使うことはもう無いと言って彼に渡した曲剣である
ソウルの術により本人の得意とする、舞踏のような剣技を再現出来る
暗闇で使えばその黄金の刃が不吉な金の残像を生み出すことだろう
因みに彼は基本的に右手に持つタイプである
左手でも使えるのだがパリィという技を使えなくなるのだ
それが嫌で持ってない、後君は闇霊や暗月達が持ちすぎて見るの飽きたよ
その曲剣をアルに向かって振る
「えっ?えっ…?」
ヘイローの加護があるせいか、彼女に対して傷が思いの外入らない
いや入るには入るが切り傷程度の怪我になっている
どこまで耐えるかやってみたいことだが、まずはこれだ
何回も、曲剣をアルに対してふると…
「いったぁぁぁぁあ!?」
ぶしゃり、と彼女から大量の血が溢れる
出血だ、相手に大量の出血を強いるのである
残光以外にもフランベルジェや打刀等の武器が与えられる異常状態
相手に大量のダメージを与えるのだが……
「いった!?今の凄く痛い!?」
…そこまでのダメージを食らっているようには見えない
そもそもの体力が多いのか、それともヘイローの加護が強いのか…
深く考えない方が楽かもしれない、そう思い彼は装備を変えた
その姿はまるで岩そのものが命を持ち、動いているかのようである
そしてそこから感じられる強い意志と力が辺りに響く
ハベルシリーズと、大竜牙、そしてハベルの大盾である
「岩のような」ハベルの戦士が身に纏う装備
まさに岩塊を彫って作られたもので凄まじい重さと防御力を誇る
この鎧を纏ったハベルの戦士は決して怯まず、後退せず
敵としたものを必ず叩き潰すという
恐らく彼らにも導きのターゲットマーカーがあったに違いない
そうでも無ければ必ず叩き潰すという文がある訳もないだろう
そして両手に持っている盾と大槌は伝説にある武器である
まず右手に持っている岩の巨大なクラブのような物
名を「大竜牙」といい、朽ちぬ古竜の牙をそのまま武器にしたものである
この牙は岩よりも硬く、また決して折れない
そして使用者に魔法と炎に耐える力を与えるのだ
そして左手に持っているの岩の板を連ねたかのような盾
名を「ハベルの大盾」といい鎧と同じく岩塊を彫って作られた大盾である
凄まじい重さと見た目通りの防御効果を誇り、更にはハベル本人の魔力すら秘めている
説明はこれまでだ、アホ面を晒している彼女を文字通り"叩き潰してやろう"
「ちょ!ちょっと待って!?そんなデッカイ物ぶつけられたら怪我じゃ…ひ、ひぇっー!?」