健康保険証、希望の性別表記一転認めず 性同一障害で厚労省
心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された松江市の男性が、保険証表面の性別欄に戸籍とは異なる「女」と記載するよう求めていた問題で、厚生労働省は21日、記載変更を認めないことを決めた。同省は、いったんは容認する姿勢を示していたが「医療機関が男性、女性それぞれに特有の病気を見逃す恐れがあるため」と説明している。同日付で全国の自治体などに通知した。
そのうえで同省は、保険証の表面に戸籍上の性別が記載されることに抵抗感を覚えるなど、やむを得ない理由がある場合は、表面の性別欄の記載を「裏面参照」とすることは認めた。その場合、保険証の裏面には「性別は男」などと戸籍上の性を記載する。
松江市の男性は、「医療機関で保険証を提示するのが苦痛だ」として2007年から同省に表記変更を求めていた。