当時8歳の娘に十分な食事を与えず、故意に低血糖症に陥らせて共済金14万円をだまし取ったなどの罪に問われた裁判で、大阪地裁は4月21日、母親に一部無罪の判決を言い渡しました。一方で、強要未遂の罪については認定し、懲役6か月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました。

大阪府大東市の縄田佳純被告(35)は、暴力行為等処罰法違反や詐欺、強要未遂の罪に問われています。

▽2023年1月、当時8歳の娘に十分な食事を与えず、故意に低血糖症に陥らせて入院させ、翌月に共済金計14万円をだまし取った罪
▽同じく2023年1月に複数回、娘に故意に下剤を飲ませた罪 
▽2023年2月、入院中の娘に“食事をすれば養育を放棄する”とLINEや電話などで脅し、絶食させようとした罪

▼母親は起訴内容を全面否認 検察は「食うなよ、寝とけ」と娘に迫ったと指摘

これまでの裁判で縄田被告は、「低血糖症を悪化させようとして食事を与えなかったことはない」などと述べ、起訴内容を全面的に否認していました。

一方で検察側は、▽(起訴内容には含まれていないが)2018年4月~2022年6月に被害女児が計37回も入院し、うち22回が低血糖症が理由だった点や、そのつど縄田被告が共済金を得ていた点 ▽「あんたが今せなあかんことは何?食うなよ、寝とけ」「夜も食べんと、しんどいって言って寝とき」などと被害女児に電話で迫った点 などを指摘。

▼懲役3年6か月を求刑「入院長期化させ、当時の交際相手と過ごす時間を手に入れるための犯行」

また、検察は「持続的な低血糖状態が悪化すれば、意識障害など重大な結果を引き起こす危険性もあった悪質な犯行。入院を長期化させて、共済金を手に入れたり、当時の交際相手と過ごす時間を手に入れたりするために犯行に及んだことは明らかで、動機はあまりに身勝手」などと糾弾。懲役3年6か月を求刑していました。

▼母親に一部無罪の判決

大阪地裁は21日の判決で、強要未遂の罪については認定し、懲役6か月執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました。一方で、暴力行為等処罰法違反や詐欺の罪に関しては無罪としました。