カンボジアの児童買春の刑罰は? | 弁護士カンボジア投資日記

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先日ですが、矢沢光剣さんのFacebookにコメントをしました。

矢沢さんは、プノンペンの刑務所に服役されている日本人の方です。矢沢さんのFacebookをみると逮捕されてくる外国人は、児童買春と薬物が多いようですね。

その矢沢氏のタイムラインに「イギリス人の男性が17歳のカンボジア人の女性と真剣に交際、そして子供が出来て結婚。そしたら、児童買春で逮捕、懲役10年になってカンボジアの刑務所で一緒に服役していた友人がいる云々」という記事がありました。

矢沢氏の記事の問題意識は、多分、①17歳と真剣につきあっていたのに、児童買春でそもそも逮捕されるのっておかしくない?②それはさておいても判決重くない?
というところかと思います。

そこで、この問題意識を理解するためにカンボジアのLAW ON SUPPRESSION OF HUMAN TRAFFICKING AND SEXUAL EXPLOITATION(以下、TSE法という)のうち児童関連部分の翻訳と解説をすることにしました(解説書を分析して概念を考え直して翻訳をしておりますので、直訳しても私の翻訳した日本語になりませんのでご留意ください。)。

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このTSE法が児童買春とその関連行為を取り締まっています。

第34条(児童買春)
 ①未成年者本人、又は仲介者、両親、後見人、若しくは未成年者を管理下に置く第三者に経済的利益を与え、若しくはこれを約束する方法により、15歳以上の未成年者と性交、若しくは性的接触を有した者は、2年から5年の禁固刑に処する。 
 ②前項の行為が15歳未満に対して行われたときは、その刑を7年から15年の刑に処する。

 経済的利益は、金銭に限られませんし、現実に交付されたことまで必要ありません。
 未成年者に対して学費を援助するという方法でも経済的利益の供与となります。TSE法の解説書にも未成年者に対する学費の援助など経済的利益の供与の典型例として例示されています。
 また、対象となる行為は、性交に限定されていません。

第35条(児童買春に対する勧誘)
①未成年者売春仲介の目的をもって、未成年者売春を勧誘し、あるいはこれを広告したものは、2年から5年の禁固及び400万リエルから1000万リエルの罰金に処する。
②上記の行為が、営利目的により実施された場合には、5年から10年の刑に処する。

第41条(児童ポルノ)
①公衆において猥褻物を配布、販売、賃貸、掲示、投影、またはこれを提示した者は、2年から5年の禁固及び400万リエルから1000万リエルの罰金に処する。
②児童ポルノを使用目的を持って、所有、輸送、輸入、輸出した者は、前項と同様に処罰される。
③児童ポルノを制作したものは、5年から10年の禁固に処する。
④第1項及び第2項を行う目的をもって児童ポルノを制作した者は、10年から20年の禁固に処する。

第42条(15歳未満との性的接触)
15歳未満の未成年と性交、若しくは性的接触を持った者は、5年から10年の刑に処する。

注意すべきは、上記42条の法律は、何らの対価関係のない純粋な恋愛関係で同意の上で関係をもったとしても犯罪となるということです。すなわち、15歳未満には、性交や性的接触について同意能力がないとされています。
 また、相手が15歳未満であるとの年齢認識が必要ないということです。すなわち、15歳未満であることを知らないことをもって犯罪の成立を否定できません。

整理しますと、17歳と恋愛ならば原則的に違法ではありません。
しかし、恋愛と言っても一方が外国人である場合に経済力が違いますから、学費や何らかの援助を伴いながら交際(恋愛)すると経済的利益の約束ということになり、第34条違反(児童買春)とされる場合があるということです。

 前記記事の問題意識に対する私の考えとしては、①真剣交際で17歳で逮捕されるのは恋愛の仕方によるだろうということ、②児童買春(第34条)違反としても最長が5年なので10年の実刑判決はやっぱりおかしいと思いました。

 なので、そのイギリス人の禁固10年は、児童買春(34条違反)だけだと説明がつきませんから、イギリス人の本当の罪名は違うのか、そのほかにも違う罪があったのではないかと考えるべきかなと想像するところですね。

もっとも、真実は、当の本人のイギリス人に聞いてみないと分からないですね(笑)

とにかく未成年者との交際について、以上のとおり違法となりますから警告をしておきますね。TSE法は日本の淫行条例よりある意味厳しいですよ(笑)

言い忘れましたが、カンボジアの未成年者は、18歳未満のことを指します。

ということで、未成年者が金が絡まずに外国人のおっさんとマトモに交際する訳ないんじゃないの?
の素朴な疑問のクリックはこちらです。
ダウン

ありがとうございます。

(なお、矢沢氏のいうイギリス人の犯罪時は、2006年頃と推定されるところ 上記TSE法の施行は2008年でして、それ以前は1996 Law on Suppression of the kidnapping and Trafficking of Human Persons and Exploitation of Human Personsが適用されます。念のためにこれも調査しましたが、TSE法の方が厳しいので結論に変わりありません)

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