電脳塵芥

四方山雑記

「中国に日本の精米輸入要請」を「中国からの精米輸入」と読み違え、さらにプラスチック米というデマが流布されている

 3月22日の産経新聞において「中国に精米輸入要請「日本人が食べられるようにすべき」と疑問の声 コメ不足、SNSで」という記事が上がった。これは中国に対して日本の精米の中国における輸入拡大を要請したという報道なのだが*1、見出しのわかりづらさもあってか「中国産の精米」を「日本に輸入」するように岩屋が要請し、その行動に対してSNSで「日本人が(日本米を)食べられるようにすべき」という受け取られ方をされた投稿が行われ、しかも拡散に至る。


https://x.com/himuro398/status/1903453977011994985

大前提として「中国産の精米輸入」について岩屋は要請すらしていないので、若干のわかりにくさがあったとしても記事にある日本語を正しく読めないアカウントによって誤情報が拡散している状態となる。そしてさらにそこから「プラスチック米」という単語が出て、拡散に至る*2


https://x.com/hasibiro_maga/status/1903612075336991022


https://x.com/martytaka777/status/1903593313233731866

このプラスチック米とは2015年6月の産経記事「中国産・プラスチック米でインドネシア怒り心頭 将来のコメ不足見据え、自給の動きが加速」が元になっている情報であり、その内容は次の様なものだ。

インドネシアで中国産とみられるコメに、塩化ビニール製のプラスチック米が混入していたことが判明

しかしこの情報は2015年5月のインドネシア新聞「中国産 インドネシア偽装米(プラスチック米)顛末」においてその様な事例は確認できなかったという記事が書かれている。

2015年5月30日現在、インドネシア政府公式発表では、一連の調査結果、インドネシアでは国産・中国産含め一切のプラスチック米は検出されていないということで落ち着いている。
(結論部分まで省略)
しかし、簡単に今回の件についての結論付けるとすれば、「本件は中国産プラスチック米事件ではなく、現政権に対する反対勢力からの政治工作(軽めの食糧テロ)であるか、もしくはメディアのミスリードによる茶番劇」といった感じにはなるとは思う。

この問題は2015年当時のインドネシア政府が動く事態にまでなったのだが、その調査結果としてそのような事例は確認できなかったというプレスリリースを出すまでに至った国家的なデマであったと言える。またこの事例は2015年だけではなく、2017年には動画による騒ぎが発生したことを受けインドネシア食品医薬品監督庁は再度当時の問題のコメには問題なかったというリリースを出しているし、2023年のガジャマダ大学にはSNSでプラスチック米の作成動画の様なものが拡散している事についての記事を出し注意喚起をしているし、2024年にはkompas.comというニュースサイトが「【デマ】 中国産の有毒合成米100万トン」という記事を出している。事程左様にこのインドネシアにおける「プラスチック米」という存在は2015年から生まれたインドネシアにおける「定番デマ」の様な存在になっていると思われるし、その現地における定番デマが日本に渡って拡散しているのが現状なのだろう。



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*1:外務省HPにある要旨:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_01933.html

*2:なおこの「プラスチック米」という単語から、米を利用したバイオマスプラスチック「ライスレジン」の事だと判断しているアカウントも見られたが、今回のデマにライスレジンは関係はない。また精米改良剤を使用した米を「プラスチック米」と紹介しているサイトはあるが、この「プラスチック米」という使い方をしているアカウントは中国の件とは若干異なるので無視する。ただこの精米改良剤を使用した米を「プラスチック米」と呼ぶことが一部である模様