女に生まれて悔しい訳が、おまえには一生分からんとして
来るって言ってた男が結局来なくて泣いていたりするともういかにも「女」って感じで気色が悪いことこの上ない。私は、私は心底、男に生まれたかった、そう思う。「女」であることは、なぜ、こうも、屈辱的でありかつ受け身の性なのだろう。私は何も待ちたくないし、追いたくもないのだ。
……うーちゃんはにくいのです。ととみたいな男も、そいを受け入れてしまう女も、あかぼうもにくいんです。そいして自分がにくいんでした。自分が女であり、孕まされて産むことを決めつけられるこの得体の知れん性別であることが、いっとう、がまんならんなった。男のことで一喜一憂したり泣き叫んだりするような女にはなりたくない、誰かのお嫁にも、かかにもなりたない。女に生まれついたこのくやしさが、かなしみが、おまいにはわからんのよ。
恋愛は自分が「女」であることと正面から向き合わざるを得なくてとてもしんどい血の巡りである。愛憎とミソジニーと理性も身体も越えていく激情と、子宮に疼くこの血塗れの嫉妬を、男でない私から男であるおまえへの嫉妬とおまえに愛されてなおかつこんな屈辱を感じないでいられる女たちへの嫉妬を、私は飼い殺している。私はどうして女なのだろう。おまえより賢いのに、文字通り頭が良いのに、なぜ女なのだろう。
前に男に言われた、女であるというただそれだけの理由で虐げられていると感じる女と感じない女がいると。そりゃそうだろうけれどそう感じない女が何かにおいて優れているわけではない。はっきり言わせてもらうと愚鈍なだけだ、無知なだけだ、闘うことを選ばないだけだ。それは何より男のおまえらにとって都合がいいだけだ。私はとても悔しい、とても、悔しい。女に生まれて。
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