その他の写真を見る (1/2枚)
昨年のNHK大河「花燃ゆ」は、舞台の一つとなった世界遺産「富岡製糸場」を「~製絲場」と表記していた。「絲」は【糸】「糸=小学1年で学習」の旧字。戦後の漢字改革で「糸」が新字体として採用された。
だが、「糸」と「絲」は本来は別の字。「糸」は「べき」と読み、より合わせる前の細い糸、絹糸。「絲」は太い糸、生糸を指した。一説に「糸」の2倍の太さ。
「糸」は「いと」だけでなく、細かい雨「糸雨(しう)」、細かいものの例え「糸髪(しはつ)」のようにも用いる。
「恋」の旧字は「戀」。「絲」の間に「言」がある。「糸(愛=いと)し糸しと言う心」と分解すれば覚えやすいが、糸がもつれるように、口に出しても説明できないほど乱れた心の状態を表した字なのかもしれない。
「糸」の字は、小学校では手書きの楷書をもとに「<」と「∠」はそれぞれ1画、計6画で書くと指導。教科書で使う「教科書体」も、楷書に近い形になっている。
しかし、新聞や雑誌など一般的な書物で用いる印刷字体の「明朝体」「ゴシック体」などはどう見ても8画。印刷字体は楷書にこだわらず、縦の線を細く横線を太くするなど、デザインを工夫して見栄えを良くしている。学校で教わる字と印刷字体は別物と考えていい。