光の奴隷のダンジョン攻略


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作:影後
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へラ・ファミリア


主人公が生きてトリニティに居たら。
英雄信奉者であり、ギルベルトが暗躍している表でヴァルゼライド閣下と同じ事をし始める。ゼファーに倒されても考えは改めず、アッシュと戦っても「まだだ!」しながら死なない。
アペンドストーリー後、ケラウノス確認から英雄信奉者を集め閣下の統治を再びと動き出し、ケラウノスとヘリオス、アッシュに倒される。無論、何処かに飛ばされつつ何時か帰ってくる。


巨大骸骨が倒れ、黒い剣が落ちていた。

自身の剣よりも優秀だと思えるソレをメルビンは手に取る。

黒光りする刀身は何処か不思議な魅力を感じさせる。

 

「…メルビンさん!」

 

メルビンは理解した、クリスはその目に、心に、光への渇望。

そして、確かな光を手にしたと。ソレが戦士としてではなくて良い。この少女が英雄いや聖女として覚醒するのなら、これほど喜ばしいことはない。

 

「なぜ…ウダイオスが」

 

「あっ!団長!!」

 

まるで仔猫のように駆ける姿に微笑みを隠せないが、抱きつかれた女性は鋭い視線を向けてくる。

 

「お前は」

 

「あの、この人はアストレア・ファミリアのメルビンさん!すごいんだよ、ウダイオスを一人で倒して…まるで英雄」

 

「……囲め」

 

統制の取れた動きに何処か嫌な顔を思い出す。

帝国でないにも関わらず、この動きは本国の兵士そのものだ。

 

「私の仲間を救ってくれた事は感謝する。しかし、アストレア・ファミリアに貴様のような存在はいない」

 

「当たり前だ、あの女は俺の弟の尻を追いかけているような壊れた女だ。ヴァルゼライド閣下の足元にも及ばん」

 

「なに?アストレア様に恋人だと?」

 

「ふざけるな、あんな女を義妹になど」

 

「ん?」「ん?」

 

何処かすれ違いがある事に驚く。

団長と呼ばれた女性はメルビンに問う。

 

「すまない、その君の言うアストレアとは」

 

「帝国軍の象徴たる黄道十二星座部隊(ゾディアック)が一つ、第七特務部隊・裁剣天秤(ライブラ)隊長を務める女傑。軍事帝国アドラー最高峰の星辰奏者(エスペラント)。チトセ・朧・アマツに他ならん。逆に聞くが、他に誰がいるというのだ」

 

「……つまり、そのチトセという女性の二つ名がアストレアだと?」

 

「何をおかしな事を言う。兎に角、ここを速く出るぞ」

 

「まて、話は」

 

「見た所、傭兵とも違うようだが……露出の高い服装など無意味だ。戦場を舐めているとしか思えん。ついてこい、階段があるのならば先へと進めるだろうて」

 

「まて!我々は強行軍でここまできていて、休憩等は」

 

「ならば尚更上がるぞ。ここは恐らくは地下だろう、光の吸収率が芳しくない」

 

「おい!」

 

メルビンは女性達を連れて上層を目指す。

モンスターが現れれば殺し、星辰光で仲間を回復し強化しながら進む。光源になる物はある、そのためなんとか最低限の強化と回復は行える。

 

「おい…お前、私たちに何をした!」

 

「軍事機密だ、話せると思うか。それよりもだ、速く上がるぞ」

 

あり得ない事だった。

38階層からたった一日で戻ってこれたのだ。

スタミナの回復もイカれていた。ソレだけではない。

へラ・ファミリアのメンバーはメルビンの剣筋、モンスターを必ず一刀で仕留めるその実力。

へラ・ファミリア団長の女帝でさえ、その太刀筋に魅了され、

もし自分にソレが向けられたらと恐怖した。

 

「……ここは何処だ」

 

軍事帝国アドラーでも、他国でもない。

獣の様な人間や長い耳の人間、それこそファンタジー物語のエルフ、獣人がそこら中で歩いている。

 

「迷宮都市オラリオ、貴殿には我がファミリアのホームに来てもらいたい」

 

「…すまない、今俺は激しく混乱している。その誘いを感謝しよう」

 

男子禁制とも言われるへラ・ファミリアのホーム。

鋭い視線を向けられながら、メルビンは頭を抱えていた。

 

(ここは何処だ、異世界だと?そんな…そんな馬鹿な)

(ヴァルゼライド閣下はおらず、軍事帝国アドラーすらない)

(俺は……いや……そうだ、まだだ……)

「ヴァルゼライド閣下なら、この様な状況。諦める事などありはしない!そうだ、ヴァルゼライド閣下は必ずやアドラーへと!地球への帰還を目指すだろう!そうだ、ならば、俺が諦める理由にはならん!」

 

言葉に出ていたのだろうか、女戦士が剣を向けている。

 

「静かにしていろ」

 

「すまない、自分の置かれた状況を受けれたのでな」

 

「ほぉ、逃げるのか?」

 

「逃げる?別に何もやましいことなどしていない。私は潔白さ。そう、私は英雄、(正義)なのだから」

 

「……主神が来る」

 

そう言われ席について待つ、入ってきたのは麗しい女性だった。

しかし、人間ではない。どこか、別種の気配を感じる。

 

「あり得ない……なんなの、この魂」

 

「ほぉ、貴殿にはわかるのか。この俺の奥底にある魂。正義の光が」

 

「えぇ……まさに極光。ソレも、影すら消滅させる無限の光」

 

「…ふふっフハハ…フハハハハハ!そうだ、極光だ。だが!俺の光などヴァルゼライド閣下に比べれば足元にも及ばない!はじめまして、麗しき淑女(レディ)よ。軍事帝国アドラー黄道十二星座部隊(ゾディアック)が一つ、第七特務部隊・裁剣天秤(ライブラ)所属。メルビン・コールレイン中佐だ。貴女の名前をお聞かせ願いたい」

 

「私はヘラ、結婚と母性、貞節を司る女神」

 

メルビンは笑う、そう人間では絶対にあり得ない気配。

だからこそ理解する、コレは女神だと、正真正銘、神話の時代に存在したギリシア神話の神々の女王であると。

 

「私に、神に嘘は通じない。今の所、貴方の言葉に嘘はない。

聞かせなさい、なぜ…助けたの?」

 

「民を助ける、弱きを救い、敵を倒し、悪を滅する。ソレが使命だからだ」

 

「嘘じゃない、まさに英雄の精神ね」

 

「何を言うか、俺等は真の英雄(ヴァルゼライド閣下)の足元にも及ばない」

 

「…ヴァルゼライド、その様な人間がいるのね」

 

「そうだ、ヴァルゼライド閣下はスラムに生まれ、少年時代には幼なじみの少女を理不尽にも暴漢に殺され、長じてからは唯一の親友だった深謀双児ジェミニ隊長の裏切りさえ受け入れ、対峙し、乗り越えた。そうとも、ヴァルゼライド閣下は凡人にして英雄!ただの人間だった、才能もない、ただの凡夫であった!コレを言うのは閣下に対する不敬!しかしっ!話せばならない!閣下は全てを乗り越え、アドラーの総統まで上り詰め、全ての腐敗を滅し、光を民へと見せた!あぁ、素晴らしい……閣下こそ、稀代の英雄なのだ!」

 

「……そう、所で、貴方は」

 

「ふん、だが所詮異世界の民に話しても…いや、異世界の民だからこそ、ヴァルゼライド閣下の物語を」

 

「待ちなさい!異世界?!」

 

「それがどうした、神など俺達の世界にとって大和のみ。貴様らのように生きている神など聞いたことがない」

 

「ヘラ、嘘は」

 

「何一つない!それどころか、この男は神を敬ってもいない!」

 

「当たり前だ、神などに救いは求めない。人々を救うのは人間なのだ!人なのだ!」

 

メルビンの持論であるが、神は人を導きも、救いもしない。

救うのは人である、導くのは先駆者である。

つまり、全ては人によって築きあげられるのだ。

あぁ、素晴らしいかな人類よ。その可能性は無限大なのだ。

 

「……なら、お前の力は」

 

「軍事機密だ、話す訳がなかろう」

 

「………」

 

女帝は口を開けて呆けている、そうだ。

つまりレベル0、レベル0でウダイオスを単独撃破したのだ。

 

「さて、話しは終わりだ」

 

「待ちなさい、貴方。結婚はどう思う?」

 

「…子を成す事は人間の使命だ。子供には英雄譚を語り継ぎ、新たな時代を作ってもらわねばならない」

 

「浮気は?」

 

「…愛することは一つであろう、例えそこに愛がなくとも子を成したならば愛が生まれる。だが、その愛は常に妻と子に分け与えられるもの、他者に与えるものではない」

 

「たとえば………浮気性の夫がいたとする。その夫は常に女性の風呂を覗き、関係を持ち、子をなしている」

 

「…ゼウスの事か?ならば殺せば良かろう、お前は神々の女王だ。歯向かう存在など居はしない。違うか?」

 

「し…しかし」

 

「お前は愛されていないのだろう?思い出せ、ゼウスは何の為に結婚と離婚を繰り返した?そうだ、力の為だ。あの神は誰かを愛した事など一度もない。すべて、自分の利益の為だ」

 

「違う…我が夫は」

 

「ならば、どうする?此処で俺と無意味に問答を続けるか?

それとも、自分の愛を示す為の行動へ征くか?そうなら、今だけは貴女の剣となり全ての障害を排除しよう」

 

「……まて、ヘラ!それではゼウス・ファミリアとの抗争……いや、彼奴等は」

 

「メルビン、手を貸してくれるのよね?」

 

「良いだろう、この断罪者(ジャッジメンター)がその道を進むことを手伝おう。神々の女王よ」

 

嘘は何一つ無い。ただメルビンにとっては、神々の女王が都合が良いのだ。ヘラという大神から信頼を得られば立場は確立し、何れアドラーに帰還することも可能であると信じていた。

 

「ゼウスはいるかしら」

 

「ヘラ様……はい、おりますが」

 

「全員、出ていきなさい」

 

ゼウス・ファミリアのメンバーは何時ものことかと理解し離れる。

しかし、すぐさま慌てた。

 

「誰か!誰か来てくれ!ヘラが!ヘラが乱心した!」

 

「貴方は私を愛していないのだろう、ならばその生命は」

 

「まて…ヘラ!まて…!!」

 

流石のゼウスの生命の危機にゼウス・ファミリアは立ち上がるが、ソレをメルビンが邪魔をする。

 

「おいどけ!主神の生命が」

 

「待つのだ、、コレはゼウスの呼び込んだ種。それに、ヘラはゼウスを殺せんよ」

 

ゼウスはヘラに短剣で何度も刺されるが致命傷を避けている。

流石の神だと感心しつつ、事は予想外の方に進んでいく。

 

「ヘラ様!」

 

「メルビン、お前…ヘラ様を」

 

「お前達か、落ち着け。まぁ見ていろ」

 

「なぜ…なぜ…死なない!死ねゼウス!死んで私の思い出となれ!」

 

「馬鹿言うな、お前を愛していないなど」

 

「ならば何故だ!何故、浮気する!私はただ、お前を愛していただけだった!」

 

「ソレはお前がワシを束縛」

 

「私以外と関係は持たない!その約束の上で結婚したはずだ!」

 

ゼウスの言葉がつまった瞬間、メルビンが言う。

 

「貴様の愛は所詮その程度。ヘラも利用したに過ぎない。そうだろう?他の女神達と同じた。お前の力と権力の為に利用したのだ」

 

メルビンが火に油を注ぐ様に話す。

見学者も何を言っていると声をあげ、そして最後にヘラが動く。

 

「ならば……私が貴様の傷となろう」

 

神は死なない、天界へ戻されるだけである。

しかし、メルビンは知らないため、まさか……と思ってしまう。

 

「よせ!ヘラ!!」

 

ゼウスの前でヘラは自身の首元に短剣を突き立てようとしたが、ゼウスは、ソレを止める。

 

「……ふむ、愛してはいるのか」

 

「貴様が妻を、ヘラをこんな暴挙にけしかけたのか!」

 

「けしかけたのではない、提案したのだ。殺せと、妻は貴様を本気で愛している。だが、ゼウス。お前は違う、女を快楽の象徴、利用するだけの存在であると思っているのだろう?」

 

「違う…俺は」

 

「ならば貴様は悪だ、世界にとって、人々にとっての悪だ。だからこそ、ヘラに提案した。殺せと」

 

「……」

 

「答えられないのが証拠、ヘラよ。それがゼウス、愛するに値するか?」

 

「……そんなの」

 

「黙れ小僧、確かに浮気も不倫もした。しかし、それでもヘラを愛していることに変わりない。そう、儂は美しい全ての女を愛しているのだから」

 

「……死ね、ゼウス」

 

ヘラの瞳に光が無くなり完全に短剣をゼウスめがけ振り下ろす。

 

「あぁ、救いようのない奴だな」

 

メルビンは短剣をその身に受け、ゼウスを守る。

 

「わかったろう、愛するだけ無駄だ」

 

「……そうね、えぇ……そうね」

 

「満足したろう」

 

「………おい、お前、心臓を」

 

「心臓ではない、心臓の上だ。それにこの程度、傷にもならん」

 

光がある限り、メルビンの肉体は不死身に等しい。

傷口は回復し、血は止まる。

 

「さて、女神ヘラ、私は異世界からの来訪者。旅人だ、この世界に立場も無ければ金もない。帰還までの間、居場所が欲しいのだが」

 

「良いだろう、ゼウスに一泡吹かせた事もある。色々と、お前は私の理解者に成れる人間だろうからな」

 

「まて、男子禁制のヘラ・ファミリアに」

 

「…所属はさせない。ステータスを刻むだけだ」

 

ヘラは一言そう言うとメルビンに向かい合う。

 

「上着を脱ぎ、背を向けろ」

 

メルビンは軍服を脱ぎ、上裸になる。

痛々しい程の傷跡が溢れており、過酷な戦場を生きてきたことを知らしめた。

 

「お前、何て厄介な」

 

メルビン・コールレイン 断罪者(ジャッジメンター)

 Lv.1×x^x(×1.3)

力:I0+x(×1.3)

 耐久:I0+x(×1.3)

 器用:I0+x(×1.3)

 敏捷:I0+x(×1.3)

 魔力:I0+x(×1.3)

 

超新星 ーー輝ける正義の天秤は今、傾いた

Metalnova  shine Libras leaning

 

基準値AVERAGE:A

発動値DRIVE:A

 

集束性:C

拡散性:AAA

操縦性:AA

付属性:A

維持性:B

干渉性:B

 

スキル

光の英雄

①格上相手時には、ステータス1.3倍

②時間経過で継続してレベルアップ

③敵からダメージを受ける度にレベルアップ

④相手が覚醒した瞬間に自分自身も覚醒

⑤瀕死時「まだだ!」の台詞と共に覚醒

 

英雄信奉者

クリストファー・ヴァルゼライドを願い、思い続ける限り常時ステータス成長。

 

絶対正義

悪と戦闘時、常時ステータス上昇。

悪と戦闘時、殺害数に応じてステータス上昇。

 

正義の女神の天秤(Libra of Astraea)

正義であり続ける限り、ステータス上昇。

 

「冗談だろ?」

 

「失せろ、ゼウス」

 

「ぐはっ?!」

 

ヘラに殴り飛ばされたゼウスは壁まで吹き飛ぶ。

 

「お前、アストレアと何か」

 

「正義の女神の話か……そうだな、関係があるとすれば俺が正義だからだ。一筋の影すら許さず、たった一人の絶滅光(ヴァルゼライド閣下)の道を穢さんがため、極光となり先に照らすのが俺だ。そう、俺は正義也!そうだ、正義とは絶対値なのだ!変えることのできない、変わることのない絶対的な正義!悪を滅し、弱きを救い、未来を切り開く。それが俺だ」

 

「あり得んぞ……この男、嘘一つなくソレを言っている」

 

そう、メルビンは光であり人を導く物である。

だが、ソレを嘘一つなく喋り自分ならできるという確かな自信がある。

 

「……お前、今からでもワシのファミリアに」

 

「無理だな、貴様は罪人だ。断罪者たる俺はお前を殺しかねない」

 

「まて、お前には殺害かそれ以外しかないのか」

 

「冗談だ、まだ救える者ならば光を持って、手を差し伸べよう。

救えぬ者ならば、光を持って救済(断罪)しよう」

 

それが、英雄(ヴァルゼライド)に魅せられた英雄(メルビン)の選択であり、生き方である。




シルヴァリオシリーズ…もう一度移植しないかな
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