19 夏休み
(3) 全学年始業式前カット
夏休みに入り、理奈は、実家に帰省していた。
そして、長かった夏休みも終わりに近づいて来ていた。
8月28日
理奈は、翌日の8月29日に寮に戻ることにしていた。
9月1日の2学期の始業式を控え、8月21日から8月31日の間は、「全学年始業式前カット期間」に指定されている。
理奈は、寮に戻ってから学園美容室でカットするか、帰省している間に地元の美容室でカットするか迷ったが、寮に戻って、8月30日、31日のどちらかで学園美容室でカットすることにしたのだ。
学園美容室だとヘアスタイルをオーダーする必要がないし、何よりカット代がかからないからだ。
8月29日
理奈は、寮に戻るため、実家を出て、電車に乗って学校の最寄り駅に向かった。
時刻は、すでに午後4時を回っている。
理奈は、学校の最寄りの駅に着いた。
理奈は、最終便の尼曽根学園行きのスクールバスに乗り、尼曽根学園に向かった。
乗っている生徒の髪を見ると、全学年始業式前カットのためにカット済みの子もいれば、まだカットをしていなくもっさりと伸びたスクールボブの子もいる。
理奈も、7月14日にカットしてから1か月半が経っているのでかなり伸びて全体的にもっさりとしている。
理奈たち尼曽根学園の生徒と教職員ら関係者を乗せたバスは山道に入り45分ぐらい走り、バスは尼曽根学園の正門前に着いた。
バスは正門を抜け、学園正門前ロータリーのバス乗降場で停車した。
理奈はバスを降りて寮棟に向かった。
寮棟に着き、理奈は303号室の寮室に入った。
理奈「ただいま、今帰って来たの。」
倫・京「おかえり、お疲れ様。」
寮室内には倫と京がいる。
理奈「あれ?有紀はいないの?」
京「たしか明日戻ってくるって聞いてるわ。」
理奈「そうなんだ。」
有紀はまだ帰省中だ。
京は少し日焼けしている。
倫は、肌を気にして日焼け対策をしているので日焼けしていない。
理奈は2人の髪を見ると二人ともカットを済ませていて、さっぱりとした夏仕様のスクールボブになっている。
京「理奈、まだカットに行ってないんだ。」
理奈「うん、明日学園美容室に行くつもりなんだ。」
理奈「倫と京はもうカットしたんだ。」
京「私はおとといカットしたわ。」
倫「私は昨日カットしたの。」
理奈「学園美容室って混んでた?」
京「おとといはそんなに混んでなかったわ。」
倫「昨日は、朝一で学園美容室に行ったけど、全学年が来てるから少し混んでた感じ。開店前から私の前に5~6人並んでいたわ。」
倫「始業式まであと2日だから明日も混むかもね。」
理奈「そうね、じゃ私も明日朝一で学園美容室に行くわ。」
そうしているうちに、夕食時間が近づいてきた。
京「あっ、もうすぐ夕食の時間だよ。」
理奈「そうね、食堂に行こう。」
倫、京、理奈の3人は寮棟1階の食堂に向かった。
食堂に着き、3人は定位置に着席して、夕食を食べ始めた。
食堂の席を見ると空き席が目立つ。
3割ぐらいの生徒はまだ帰省しているようだ。
食堂に来ている生徒を見ると、多くの生徒がカットを済ませている。
理奈のようにまだカットを済ませていない生徒も何人かいる。
まだカットを済ませていない生徒は、明日か明後日に学園美容室でカットをする予定の生徒ということだ。
8月30日
寮の食堂での朝食が終わり、理奈は身支度を済ませると、Tシャツにハーフパンツ、クルーソックスにスニーカーのスタイルで学園美容室に向かった。
この日も倫の言ってたように、理奈が学園美容室の入口前に着くと、すでに開店前から学園美容室のある食堂棟の廊下には、学園美容室の入口の前から6人の生徒が並んで入口が開くのを待っている。
理奈は7番目だ。
理奈の髪は、7月14日にカットして すでに1か月半が経っているのでかなり伸びている。
理奈の前に並んでいる女子生徒の髪を見ていると、理奈よりもさらに髪が全体的に伸びている。
夏仕様で3ミリに刈り上げられたはずの襟足も、すっかり伸びてボサボサ状態になっている。
その前に並んでいる生徒も、さらにその前に並んでいる生徒も同じように理奈よりもさらに髪が伸びている状態だ。
前に並んでいる生徒らは、おそらく2年生か3年生の生徒だろう。
2年生だと、6月12日から18日が1学期最後のカット指定日で3年生だと6月19日から6月25日が1学期最後のカット指定日だからだ。
夏休み中に自発的にカットに行ってなければ2カ月以上伸ばしていることになる。
開店時刻になり、並んでいる女子生徒たちは店内に入った。
理奈も店内に入った。
理奈より前に並んでいた上級生たちのカットが始まった。
理奈は、待合の長椅子に座って、前に並んでいた上級生たちのカットを見ていた。
これまで、学園美容室でカットの順番待ちをしている時に見ていたのは1年生の女子生徒のカットだったのだが、今回2年生や3年生の上級生のカットを見るのは初めてだった。
上級生といっても1年生とカットは同じなのだが、カットの最中も美容師さんと話がはずんでいる生徒もいた。
上級生の中には、今年から解禁になったサイドのインナー刈り上げをオーダーしている生徒もいた。
まもなく、理奈の順番が来て、理奈のカットが始まった。
理奈は、特にサイドのインナー刈り上げをオーダーしなかった。
理奈もスクールボブのカットは5回目となるとすっかり慣れた感じだ。
理奈の一連カット作業が終わった。
理奈は、1か月半ぶりに夏仕様のスクールボブになり、さっぱりした感じだ。
理奈は、学園美容室を出で寮室に戻った。
そして、さっぱりした気持ちで明後日からの2学期に備えるのだった。
つづく