コメ値上がり続く 茶わん1杯 食パン1枚より高価に 民間試算で

コメの値上がりが続いています。家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる先月・3月の消費者物価指数で「米類」の上昇率は90%を超え、過去最高となっています。こうした中、茶わん1杯あたりのごはんの価格が食パン1枚の価格より高くなっているという民間の試算もあります。

消費者物価指数 「米類」の上昇率 過去最高に

総務省によりますと先月の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた指数が2020年の平均を100として110.2となり、去年の同じ月より3.2%上昇しました。

上昇率は前の月から0.2ポイント高くなり、4か月連続で3%台となりました。

とりわけ食料品の値上がりが目立っていて、このうち「米類」は92.1%上昇し、上昇率は記録が残る1971年以降、6か月連続で過去最高を更新しています。

相対取引価格は去年同月比60%以上の高値

また農林水産省によりますと先月、集荷業者が卸売業者にコメを販売した価格「相対取引価格」は、すべての銘柄の平均が60キロあたり消費税込みで2万5876円でした。

割安な備蓄米の取り引きも含まれることから、相対取引価格は前の月より600円あまり値下がりしましたが、去年の同じ月と比べると60%以上、高い水準となっています。

備蓄米 小売業者への流通 400トン余にとどまる

その備蓄米、農林水産省が公表した先月30日までの流通状況によりますと
先月10日から12日までの1回目の入札で落札された14万トンあまりのうち
▽JAグループなどの集荷業者が倉庫から引き取った量は4071トン
▽そのうち卸売業者まで引き渡されたのは2761トンでした。
▽さらに卸売業者から小売業者に渡ったのは426トン。
▽外食業者などに渡ったのは35トンにとどまりました。

茶わん1杯のコシヒカリ 6枚切りの食パン1枚より高価

こうした中、民間のシンクタンク「三菱総合研究所」は、総務省が発表したことし2月の東京23区の小売物価統計調査を元に茶わん1杯、重さにして150グラムのごはんと食パン1枚あたりの価格を試算しました。

それによりますとコシヒカリの茶わん1杯あたりの価格はおよそ57円だったのに対し、4枚切りの食パン1枚はおよそ48円で、ごはんのほうが9円ほど高くなっています。

また、6枚切りの食パン1枚はおよそ32円で、ごはんのほうが25円ほど高くなっています。

おととしは食パンのほうが高価

一方、おととし4月時点では、茶わん1杯あたりのごはんがおよそ30円だったのに対し、4枚切りの食パンは12円ほど高いおよそ42円、6枚切りではほぼ同じ水準のおよそ28円でした。

ごはんとパン 消費者は

ごはんとパン、どちらを食べているか東京 板橋区の商店街で聞きました。

60代 男性
「コメが高すぎて手が出しにくいです。なるべくコメを食べずパンを食べたり、晩ごはんをおかずだけにしたりしています。ただ日本人なので、やはりコメを食べたいです」

70代 女性
「なるべくコメを食べないようにしてそばやうどん、パンを食べるようにしています。今後も価格は下がらないと思うのでむだにしないようにしたいです」

30代 女性
「コメが高すぎて、買う時に金額を見て購入を渋ってしまいます。コメの代わりにオートミールを食べるなど工夫しています」

50代 女性
「中学1年生の子どもが育ち盛りでご飯が大好きです。コメの価格が高くてつらいですが、優先順位は高いのでパンを増やすなどせずにこのままいきたいと思います」

コンビニ弁当 コメの量減らしめんで補う

コメの価格高騰が続く中、コンビニチェーンの中には、価格を維持するためにコメの量を減らして、その分をめんで補った弁当の販売を始めるところも出ています。

コンビニ大手の「ローソン」は、コメの価格高騰を受けて、コメの量を減らした分、新たにスパゲッティを入れることで価格を据え置いたから揚げ弁当の販売を3月から始めました。
会社によりますと、販売は、当初の想定を2割上回っているということです。

このため会社では、コメの一部をスパゲッティに置き換えた弁当の販売を今後、拡大する方針です。

ローソンの竹増貞信社長は「コメの値段がどんどん上がっていて、調達自体も非常に難しい状況となっている。でも、同じ炭水化物で代替できれば、一品増えたようなお得感や満足感があるほか価格も抑えられるので、一石『三』鳥くらいだと考えている」と話していました。

ごはんのかさ増しに「もち麦」人気

ごはんと混ぜたもち麦

山梨県中央市にある食品メーカーでは、コメに混ぜて炊くとかさ増しできるなどとして「もち麦」と呼ばれる大麦の売り上げが伸びていることから生産体制を強化しています。

もち麦は炊いたときの柔らかさや粘りが特徴だということで、コメを炊く際に混ぜるなどして使われています。

売り上げは去年5月以降、11か月連続で前の年の同じ月を上回っていて、直近の先月も3割あまり上回りました。

会社によりますと、もち麦はコメに比べて吸水量が多いことからコメに混ぜて炊くとかさ増しにつながるということです。

このため価格高騰が続くコメの代替品として活用が広がったことが売り上げ増加の要因の1つになったと見ています。

こうした状況を受けて会社ではことし2月から商品を包装するラインを24時間操業に切り換えたほか、今月12日からはこれまで休みだった土曜日も工場を稼働させるなど生産体制を強化しています。

食品メーカー「はくばく」で広報を担当している手塚俊彦さんは「去年8月や9月に店頭のコメが不足したタイミングで多くのお客様に手にとってもらうことができた。ふだんの食事に取り入れてもらうことで、家計においてコスト面でも助けになるのではないかと考えている」と話していました。

“コメの消費減ると生産基盤も弱体化”

ごはんと食パンの値段について試算を行った三菱総合研究所の稲垣公雄研究理事は「パンやめん類はコメの代替的なものなのでコメだけが高くなるとほかに移るという動きは確実に起きる。消費者は自覚していなくても、コメの消費は数%は違ってくるとみておいた方がよい」と話しています。

その上で「消費者が加速度的にコメを食べなくなると、生産の基盤がどんどん弱体化していくリスクが大きくなる。安定価格ということをどう考えるのか今非常に問われている」と指摘しました。

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ