気仙沼の天気を確認2025年04月18日(金)

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昨年度の気仙沼市出生数176人

昨年度の気仙沼市出生数176人

 気仙沼市で昨年度生まれた子供の数は176人で、前年度を14人下回ったことが市のまとめで分かった。女性のUターン率の低下などが要因とみられ、出生がゼロだった地区もあった。総人口は3月末時点で5万6千人を割り込んでおり、減少ペースの緩和に向け、市は子育て環境、就労環境の整備などの施策に力を入れる。
 地区別の最多は前年度と同じく気仙沼。2桁だったのは鹿折、松岩など6地区にとどまり、前年度7人が生まれた小泉、4人が生まれた小原木はゼロだった。
 東日本大震災前の2010年度は出生数が450人だったが、11年度に400人を割り込み、19年度に300人を下回った。その後コロナ禍の影響も加わって少子化のペースは加速。23年度は200人に届かず、10年余りで半減したことになる。
 要因には高校卒業後に進学や就職で市外に転出する女性が増え、Uターン率が下がっていること、未婚率の上昇、結婚している人の出生率を示す「有配偶出生率」の低下が考えられる。
 市は昨年、人口減少対策の行動計画を策定。小中学校の給食費、第2子以降の保育料に加え、本年度からは幼稚園、保育所の給食費、学童保育料の無償化も開始。働きやすい環境づくりに向けたジェンダーギャップ解消、企業認定制度の取り組みも始まった。
 少子化を受けた小中学校再編の議論も進み、中学校を4校に再編することを軸とした中間報告がこのほどまとまった。
市の人口は、3月末時点で5万5716人(男2万6838人、女2万8878人)となり、5万6千人を下回った。
 人口は震災前の11年2月末に7万4247人だったが、22年2月末時点で6万人を割り込み、10カ月後の22年12月末に5万9千人、23年8月末に5万8千人、昨年4月末に5万7千人を下回っていた。
 菅原千枝子人口減少対策統括官は「数字は受け止めなくてはならない。市民の暮らしやすさ、安心して希望する子供の数をもうけられる環境を目指し、子育て支援、就労環境の改善など総合的に取り組んでいく」と話している。