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Vol.534「トランプはグローバリズムの終焉を明確にした。」

(2025.4.10)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…「トランプ関税」に世界中が衝撃を受け、反発している。だが、わしには特に衝撃も反発もない。かねてからグローバリズムに反対し、自由貿易に疑念を感じていたからだ。わしはむしろこれは、重大な世界経済のレジーム転換だなと捉えている。トランプの関税政策は、単にトランプが自分の「名誉欲」だけで打ち出したものでしかないと、みんな見くびっているだろう。だから、中間選挙で共和党が大敗して支持率が暴落したら、あっさり方針転換するはずだという見方をする人が大多数である。しかし、もしこの政策のバックにアメリカの相当の知識人がついていて、長いスパンを見据えて国内の産業を再生させていくということを構想しているとしたら?日本はどうすれば良いのだろうか?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…以前紹介した「旧皇族 華頂宮当主・華頂博一」と名乗るペテン師を思い起こさせるような、新たな“宮様”が登場した。今回、名乗りを上げたのは「賀陽宮の末裔」「旧皇族 賀陽宮」だ。なんで毎回こんなのに騙される人が現れるのかと思うが、日本人は「特別な血筋っぽいお方」にめっぽう弱いのだ。『週刊文春』『女性自身』などによると、今年はじめから「旧皇族の賀陽宮の者です」と名乗る男性が永田町の議員会館に出没して、国会議員や秘書に接触しているらしい。さらには「私も親戚ということですから」と関係性をにおわせながら、皇位継承問題にまで口を出しているのだ!滑稽だが、笑って済ませられない事態である!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…石破政権以外の内閣なら、より最悪な戦後80年談話になるのでは?TBSのオールスター感謝祭で江頭2:50が炎上したことをどう見てる?ネットで描く予定の「おぼっちゃまくん」では「ともだちんこ」は出てくる?カップヌードルは箸派?フォーク派?『ゴー宣』シリーズが図書館に並ぶことをどう思う?一部の愛子さまファンの暴走が日増しに過激になっていることをどう見ている?…等々、よしりんの回答や如何に!?


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1. ゴーマニズム宣言・第563回「トランプはグローバリズムの終焉を明確にした。」

「トランプ関税」に世界中が衝撃を受け、反発している。
 だが、わしには特に衝撃も反発もない。かねてからグローバリズムに反対し、自由貿易に疑念を感じていたからだ。
 わしはむしろこれは、重大な世界経済のレジーム転換だなと捉えている。

 トランプが第一次政権で「アメリカ第一」を掲げて保護貿易主義を打ち出した頃、わしは橋下徹とテレビで一対一の討論をした。
 そこでわしがグローバリズムに反対し、自国第一でいいじゃないかと主張すると、橋下は「鎖国しろと言うのか!」と反発した。
 それにわしは、鎖国のように見えてもかまわない、関税撤廃というのは悪なのだと答えた。
 関税を撤廃してグローバリズム・自由貿易主義へ進んで行くと「国際分業体制」になる。だがこれは極めて危ないとわしは考えていた。
「国際分業体制」とは、それぞれの国はそれぞれ得意な分野の産業に特化して、特定の商品のみを生産して輸出し、自国にないものは他国に依存して輸入で調達すればいいというものだ。
 そうやって全地球的に「分業」した方が効率的であり、これこそが今後の世界のあり方だとグローバリストは唱え、実際にその方向へと世界は動いていた。
 トランプはこれをやめると言っているわけで、そこはわしと同じ考え方なのである。

 国際分業体制はもうダメだという結論は、当のアメリカで既に出ていた。
 トランプはアメリカの自動車産業を保護するために輸入車の関税を引き上げたと思われているが、実は必ずしもそうではないのではないか?トランプ関税が課されると、アメリカ国内で買うアメ車の値段も大幅に上がる。
 例えばアメリカを代表する車種「フォードF150」に使われている数千点に及ぶ部品には、世界24カ国からの輸入品が使われている。発電を担うオルタネーターや、デザインを重視したホイールはメキシコ製。タイヤに動力を伝えるハーフシャフトはカナダ製、タイヤ本体は韓国製といった具合で、これらはいずれもトランプ関税の影響をもろに受ける輸入品である。
 これが国際分業体制の危うさだ。他国に依存しなければひとつの産業が成り立たない。フォードですら、もはや「純アメリカ産」の車は作れないのだ。

 全ての産業を国内で完結できなければ危ないと、わしはずっと言っていた。
 特に日本の場合、食糧を輸入に頼っている現状はいざとなったら非常に危険である。国内の産業、特に第一次産業を守るためには、関税をかけるべきところはかけなければいけないのだ。
 ところが真逆に、関税をゼロにして国境の壁を果てしなく低くした方が、理想の世界ができ上がると夢想していたのが左翼だ。
 世界中を自由にヒト・モノ・カネが行き来するようになったら、全ての産業が国際分業になってしまって、どの国もどこかの国に依存しなければ、あらゆる産業が成立しなくなる。
 そうなれば、世界中の全ての国々が友好関係を結ばなければやっていけなくなるから、もう戦争はできなくなる。平和な世界が実現できる! …というのがグローバリスト左翼の目論見だったのだ。
 とんでもない「お花畑」だったとしか言いようがない。

 ロシアだってエネルギー資源をヨーロッパ諸国に買ってもらっているのだから、今どき侵略戦争なんか起こせるはずがないと、あの頃は誰もが思っていた。
 ところがやっぱり、戦争は起こる時には起こるものなのだ。
 わしはもともと、どんな時代になっても必ず戦争はあるという認識から出発しているから、いま戦争が起きたらどうなるかということを常に考える。
 一旦戦争が起きれば、貿易は一挙に崩れてくる。輸出入のどこが突然途絶えてもおかしくない。エネルギーが入って来ないとか、資源が入って来ないとか、食糧が入って来ないとかいう事態がいくらでも起こりうるわけだから、平時から全てにおいて自給ができるようにしておかないと、どう考えたって危険だというのはわしの中では常識だった。
 わしは国際法の進化に希望を持っていた方だが、こうも国際法が通用しない状況が横行していくのを目の当たりにしてしまうと、これから世界は弱肉強食の帝国主義の時代に逆戻りしてしまうということも、十分ありうると思わざるを得なくなってくる。
 そうなるとなおさら、どうやって自国を強化しておくかを考えるしかないわけで、他国に依存する部分が多い国ほど弱くなるというのは当然の帰結だ。
 その意味でも、国際分業体制は極めて危険なのである。

 その危険性からは、世界一の超大国であるアメリカでさえ逃れられない。
 純アメリカ産の自動車すら生産できないというのは象徴的な事例だが、それだけではない。あらゆる産業で自給自足の体制をつくっておかなければ、国力がどんどん弱まっていき、他国に食い荒らされてしまう恐れがあるのだ。
 アメリカの人口は今でも増えている。だが移民ばかりが入ってきて人口だけは多いけれども、生産力もオリジナリティも何もない国になってしまったら、海外の商品などが一方的に入ってくるばかりになってしまい、逆に海外に出すものが何もなくなって「貿易赤字超大国」になってしまう。
 そうなったら単なる「市場」として海外に食い尽くされるしかなく、しまいには国家も成り立たなくなり、「経済植民地」に成り果ててしまう。
 超大国アメリカでさえ、他国に依存する部分が大きくなると国が立ち腐れてしまう。それを防ぐには、保護貿易主義を採るしかない。海外企業を締め出し、まず自国の中だけで経済・産業を回すのだ。
 そう考えたら、トランプの政策には完全に整合性があるということになってくるではないか。

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くりんぐ
くりんぐ

木蘭さんのトンデモ見聞録・第358回「今度はどこの宮?“宮様になりたいマン”現る」拝読しました。

木蘭名探偵のおかげで、「自分が特別な血筋の出身だとアピールしてくる人=胡散臭い」の構図が身につきました。

賀陽健氏、読めば読むほど胡散臭い。

万が一皇族の養子縁組が法的に可能になったら、「こんな胡散臭い変なのがまたごろごろ出てくるんだよ」という貴重なサンプルにはなりますね。

男性皇族の結婚では、本人たちの意思だけでなく、皇室会議の議を経る必要があります。
お相手が国民であれば皇族の身分を取得されるのですから、当然でしょう。
養子縁組で皇族の身分を取得、子孫は皇位継承権を持つのなら、「養子縁組は当事者の意思のみで成立」なんて例外は許されません。

くりんぐ
くりんぐ

ゴーマニズム宣言・第563回「トランプはグローバリズムの終焉を明確にした。」拝読しました。

トランプのウクライナに対する態度には怒りしかありませんが、経済政策に関しては当たっているのでしょう。

日本の食料自給率は令和5(2023)年:約38%。
ただこれはカロリーベースに基づく算出で、国際的に主流となっている生産額ベースに基づいて算出すると、63%。
これでも先進国では低い方です。
日本は米・野菜の自給率は高いものの、小麦や畜産物、油脂類は多くを輸入に頼っている状態です。
せめて自国民を養える分は自給できるようにしておかなければ、大変不味いです。
食べるものさえあれば、とりあえずは生きていけます。


弱いままでは生きていけない。
愛する人を、愛する祖国を守りたいのなら、自分のことは自分でどうにかできるように強くなるしかないんです。

枯れ尾花
枯れ尾花

ウクライナが戦争を続けられているのは食料自給率が400%位あるからだと誰か言ってましたね。ほんまかいな?

輝くような黄色
輝くような黄色

「グローバリズム」という思想がいよいよ形骸化しつつある以上、そこから早々に撤退することは自国第一主義としては当然の発想です。
だからここ最近のアメリカの動きは「トランプの気まぐれ」と矮小化すべきものではなく、「国家百年の計」としてアメリカが本気だとしたら・・・という小林先生の仰る危機感を、我が国は絶対に持っておかねばならないと思いました。
最も、今までさんざん「グローバリズム」の名のもとに他国を蹂躙しておいて、急にそれをひっくり返すのは無責任も甚だしいなぁ・・・と思いますが。

トンデモ見聞録、またすごいのが現れましたね(笑)血縁がないことを自らゲロっているのは新しいタイプですね。写真をみて演歌歌手のような出で立ちやなぁ、と思ってたら、本当に「皇族歌手」を名乗っていた時期があったという・・・

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Vol.534「トランプはグローバリズムの終焉を明確にした。」|小林よしのり
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