「わはは!すまんすまん!」
「クスン」
大笑する椿に涙を拭うサウィル
「ファミリアの奴らと飲んだ時に仕掛ける定番のドッキリだ!驚いただろう?」
「決めた。なにが起きても絶対にヘファイストス・ファミリアには入らない」
「それは残念だ!」
「それでサウィル、昨夜の話はどこまで覚えておる?」
「全部覚えてない」
「ではこれを見てくれ」
椿が広げた紙には様々な角度から籠手が描かれていた
「おお…これが」
「うむ、お主に拵える籠手の図面だ」
しげしげと図面を見る
うん、わからん
「うん…いいんじゃない?」
「お主あんまり興味ないな!?」
「いやある!興味はある!けど図面だけ見ても全然分からないんだ! 」
「お主それでも冒険者か!?」
ため息をつくと図面を広げる椿。どうやら説明してくれるようで安心した
「籠手は主にライガーファングの毛皮製、やはり武具として実用に耐える金属製となると貴重な金属か【
胸を張る椿。拍手する俺
「はい先生!」
「なんだねサウィルくん?」
「寸法とか計らずに図面書いて良かったのか?」
「お主が潰れてから身体の隅々まで計ったから問題ない!」
「アッハイ」
そういえば裸に剥かれてましたね
「どうした?遠い目をして」
「いや、穢れされちゃったなって…」
「冒険者がこれくらいで騒いでどうする」
椿はそれと、と続ける
「お主余った毛皮の使い道はあるのか?」
「いや、ないな」
「では余った毛皮を身に纏えるようまとめてなめしておいてやろう。ライガーファングの毛皮、特に鬣部分は耐刃、耐衝撃に優れているからそのまま腰簑にでも使うなりするといいぞ」
「ありがとう」
「これくらいどうということはない。では2日後に取りに来てくれ。それまでに籠手と毛皮は仕上げておいてやる」
「ああ、それで問題ない。感謝する」
「さてそれでその武具の値だが…」
俺は地に額を擦り付ける
「な、何をしている?」
「東方の呪術だ。これをすると何故か皆値段を負けてくれるとバロール様から教わった。」
「やらないほうがいいぞ」
「む、じゃあ止めよう」
おかしくなった空気を変えるように咳払いをする椿
「オホン…それで籠手の値段だが…タダでいい。」
「え!?」
「ただし!!!今後他の輩に籠手のメンテナンス、新調は頼まないように!それと手前の武器を試そうとした時手合わせを拒まないこと!」
「そんなこでといいのか?」
「重要なことだろう?つまりは条件を呑むということで構わぬか?」
「ああ構わない。これからよろしく頼む。椿・コルブランド」
手を差し出すサウィル
キョトンとした椿だったが間もなく笑みを浮かべ手を握り返す
「うむ。長い付き合いとなることを願うぞ、サウィル・エスリン」