邪眼の愛し子


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作:じょうじょうじ
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魔法と探索


「魔法が欲しい」

 

「そこになければないのう」

 

「神様なんだろう?神聖ななんかでパパっと習得させられないのか」

 

「神の力を地上では使えないように決められとるんじゃ。自分でなんとかせんか」

 

「投げやり…」

 

「魔導書を使えば誰でも魔法を覚えられるらしいが高くての。妾達では手を出せん」

 

「うーむ」

 

俺の脳裏によぎるのはリオンが魔法を使う姿

明らかにレベルを逸脱した火力のおかげで討伐することができた

 

今まで俺とリオンは同格の強さだと思っていたし実際そうだったと思う。

しかし魔法を得たリオンは明らかに俺より…

 

「ぐぬぬぬ」

 

「まあ長く続けていればそのうち使えるようになるじゃろ。もうはよう寝ようぞ」

 

俺が思い悩んでいる間にお子さまはあくびを噛み殺し目を擦っていた。

 

「そうだな…ん?」

 

そういえばこの部屋にベッドは一つしかないな

 

「お前はどこで寝るんだ?風邪ひくなよ」

 

「妾のベッドなんじゃが!?」

 

「ああ脆弱な人間のためにベッドを譲っていただけるなんてなんたるご神徳か、このご恩は子々孫々まで語り継ぎましょう…じゃ、お休み」

 

「まてえええええええ!」

 

そのまめ灯りを吹き消し寝ようとしたのにお子さまは飛びかかってきた!

 

「どけぇ!ここはもう俺のベッドだ!!ガキは床で寝てろ!!」

 

「主神を敬わんかあああああ!!」

 

「敬っております主神様!どうぞ床でおくつろぎ下さい!!」

 

「ふざけおってぇ!!」

 

どったんばったん

 

「くそ!もういい!」

 

「わかったのなら━━」

 

「おらぁ!」

 

「お、おお?」

 

布団にバロールを巻き込みベッドの半分に安置し俺も横になる

 

「お前くらいの図体ならそもそも邪魔にならないなじゃ、お休み主神様」

 

「う、うむ」

 

 

 

 

 

 

「あ~よく寝た。やっぱ寝るなら馬車よりベッドだな」

 

 

「むぅ~…」

 

「おはようバロール様。よく眠れましたか?」

 

「知らんわ!ボケナス!」

 

「子供は朝から元気一杯で羨ましいです(よく寝られたようでなによりです)」

 

あ、つい本心が

 

「そもそも言わなくても主神には嘘がわかるんじゃバカァ~!!」

 

バロールは半ベソをかきながら枕を投げつけると寝室から逃げ出していった。大方アストレア様にでも泣きつくのだろう

 

 

「びえええええアストレア~!!サウィルが一緒に寝たのに酷いこと言ってきおった~!!(一緒に寝るの)初めてじゃったのに!!」

 

「それは禁止技だろ…!!」

 

 

 

「じゃあ改めて今日からよろしく頼む」

 

「ヤリチンのくせに礼儀は正しいのね」

 

「冤罪なんだよな」

 

朝の一件からアストレアファミリアの人たちからの視線が厳しい

リオンなんか目を合わせてくれない

 

「オホン!それでこれから迷宮に潜っていくわけですが…」

 

そしてジロッと俺を見る

 

「なーんで君は丸腰なのかな~サウィルくん!」

 

「え…」

 

まわりもウンウンと頷く。

どうやら視線が厳しかったのは冤罪ではなく俺の装備由来らしい

 

「これが一番しっくりくるんだ」

 

「素手で言われてもねえ…」

 

どうすれば納得してくれるだろうか

 

「サウィルの言うことを信じてあげて欲しい。彼は女神を誑かしたヤリ…不貞者だが腕は立つ」

 

「ありがとうリオン。そして冤罪だ」

 

ライラが嘆息し首肯する

 

「わかったよ。一度一層でサウィル一人に戦ってもらう。それを見て判断しよう。それでいいだろ?」

 

「それで構わない」

 

 

 

 

「お、ゴブリン3匹」

 

話がまとまり迷宮一層を歩いているとちょうどいいゴブリンが迷宮の壁から生れ出た

 

「それじゃ、行ってくる」

 

【天呼地吸】で身体能力をあげるや一息の間に接近、最初の飛び蹴りで一体続けざまの裏拳で二体を葬る

そして残る一体が振り下ろす棍棒を無防備に腕で受ける

そのままに残る一体を殴り倒して戦闘終了

 

「どうだ?」

 

「「「おおー」」」

 

パチパチと拍手するアリーゼ達

どうやら納得していただけたらしい

 

「あなた本当に昨日冒険者になったばかりなの?やるじゃない!はいこれポーション」

 

「いやこれぐらいならすぐ治る」

 

【天呼地吸】を切り替え回復を促進させる

みるみるうちに癒えていく腕を見て目を丸くするアリーゼ

 

「わーお…それ魔法じゃないわよね?さっきの戦闘でも使ってたわよね」

 

「結構器用なスキルなんだ」

 

サウィルは棍棒を受けた腕をじっと見つめる

(あえて棍棒を受けた時確かに何かが体から涌き出るような感覚に襲われた)

あれが精神力なんだろうか?

しかしいくら精神力を生み出そうが使い道がなくては意味がない

 

「アリーゼは魔法とか使えるのか?」

 

「ふっふっふ!よくぞ聞いてくれました!今日は私の華麗な魔法を目に焼き付けてあげるわ!」

 

「使える、だと…!」

 

「エルフだけの専売特許ではないのだよ君!君の魔法も後で見せてね!」

 

「…ない」

 

「なんて?」

 

「覚えて、ない…!」

 

「フフン!」

 

見事なドヤ顔を見る羽目になってしまった

 

 

魔法、いいなぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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