TS変態魔法詠唱者がオラリオに行くのは間違っているだろうか


メニュー

お気に入り

しおり
作:シーバくん
▼ページ最下部へ


6/9 

第6話


とても短いです。


 

「これ美味しいよ!」

 

そう言って肉じゃがを頬張るのはティオナさんだ。廊下で見掛けたので味見してもらっている。

まあ、自分の作った料理を美味しそうに食べて貰えるのはやはり嬉しい。にしても……よく食べるな。

 

「いやー、私一人で全部食べちゃった。なんかごめんねー?」

 

「気にしないでいいですよ。美味しそうに食べて貰えると作った甲斐があります。」

 

「それにしても、ミラーナは凄いね!あんなに強いのに料理も出来るなんて!」

 

ゲームの能力をそのまま現実に持ってくるなんてチートみたいなものだ。純粋に鍛えた訳ではないから、多少の後ろめたさはある。

とはいえ自重するつもりは一切ないけど。今日は、元々何をするか決めてなかったので、久しぶりに戦ってみようと思う。

槍の振り方や、身体の動かし方は分かるけど、スキルや魔法はまだ性能を試せていないものも多くある。

それに完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)を使用した場合どの程度の身体能力を発揮出来るのかも気になる。

 

「ティオナさん。私は久しぶりに身体を動かしたいんですが、付き合って頂けますか?」

 

「ん?別にいいよ!じゃ、中庭でやろうか!先に行ってて!ウルガ持って来る!」

 

ウルガ……?武器の事かな?彼女はどんな武器を使うんだろうか。私はその隙に完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)を使用する。

軽く前蹴りを放ってみる。ただそれだけで私の蹴りは音を置き去りにした。

 

……これは想像以上だ。ある程度慣らさないと実戦では使えなさそう。多分身体能力に振り回されちゃう。手加減も絶対出来ない。

私は完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)を解除してティオナさんを待つ。

 

「お待たせー!本気で行くよー!」

 

……いや、前衛のレベル50に本気で来られると私もかなり厳しいんだけど。多少のスペースはあるとはいえ、この中庭で大丈夫かな。

そもそも、魔法詠唱者(マジック・キャスター)の状態じゃアルセイスの結晶槍を装備出来ないのでは、と思ったが……

良く考えるとユグドラシルの法則による縛りが無くなってるならこの状態でも持てる筈。

 

「お、装備できた。」

 

「とりゃあー!」

 

と、馬鹿みたいな声を上げてティオナさんが突っ込んで来た。私は槍を片手でくるりと弄んで、ウルガとやらの攻撃を受け流す。

 

何じゃこの攻撃……おっも!流石の私もレベルに20以上の差がある攻撃を受けるとHPは多少削れるし腕も痺れる。

彼女は恐らくレベル50相当の戦士職。当然今の私よりは身体能力は上。ただ彼女は力に任せて武器を振っているだけなので受け流す位なら何とかなる。

 

「おおー!弾かれた!」

 

とはいえ、この肉体になってから初めてのまともな戦闘。現実になった事で少し勝手が違う。槍の扱いも多少ぎこちない。

 

「凄い!フィンみたい!」

 

フィンさんは槍が主武器なのか。……危なっ!そっか、彼女はアマゾネス。蹴りくらい使うか。

私は思う様に槍を振るえず若干フラストレーションが溜まっている。とはいえ、我ながらスキル等の補正無しで頑張ってる方だと思う。

 

「ハッ!」

 

鍔迫り合いになると力で押し負けるので、攻撃は全て受け流す必要がある。

 

「本気で突きますよ!防いでください!」

 

私はウルガとやらの叩き付けを地面に受け流すと彼女に足払いを掛けるがジャンプで軽く避けられる。

彼女が飛んだ瞬間に槍を手元に引き戻して全力で彼女の腹に突きを放つ。

 

「痛っ!」

 

本気で放った突きは、防御した彼女の両手を貫通したが、腹部はレベル差によって守られた。

 

「すみません!やり過ぎました!」

 

私は彼女から槍を引き抜くと下級治癒薬(マイナー・ヒーリング・ポーション)を二本取り出して彼女に掛ける。

私は魔力系魔法詠唱者(マジック・キャスター)なので回復魔法は使えない。一応補足すると全く使えない訳でもないけど神官系の職業みたいな効果はない。

どちらかといえばバフやデバフの方が得意だ。

 

「ふぅ……いやぁ、私どこがダメだったんだろ?」

 

「力で武器を振り回しているだけなのでもう少し技術を磨いた方が良いかと。でないと格下相手にもこんな感じでやられます。」

 

今回物理属性の槍にしたのはレーヴァテインだと切り付けた際に確定で炎ダメージが入る為だ。

私は魔力系魔法詠唱者(マジック・キャスター)なので治療にポーションやアイテムが必要になる。

私も思ったより槍を上手く扱えなかったので手加減出来なかった。

彼女が他のロキ・ファミリアのメンバーだったら恐らく私の方が怪我をした可能性が高い。

 

「そっかぁ。今度誰かに教えて貰おう!」

 

私はそんな武器扱えないので教えられないけど。

 

「んじゃ、ありがとねー!また今度やろー!」

 

流石は第一級冒険者だけあってあの程度の傷は気にしないらしい。にしても深層かー、気になるけど私でも舐めて掛かると死ぬ可能性があるからな。

仮に行くなら魔法詠唱者(マジック・キャスター)としてになる。にしても今回で身に染みたな。もう少し槍の技術を磨こう。やっぱりゲームと現実は違う。

今後他のプレイヤーがこの世界に来ないという確証も持てない。この世界に来てからの軽はずみな行動の数々に私は少し反省するのだった。

 

とりあえず、当面は槍の扱いを極めよう。スキルがない分技術を磨かなくては。

ロキ・ファミリアのホームに居るのも良いけど、今は少し一人で考えたい事もある。軽く散歩でもするかー。

 

私は槍を片手に持ったまま黄昏の館を後にするのだった。

 

6/9 



メニュー

お気に入り

しおり

▲ページ最上部へ
Xで読了報告
この作品に感想を書く
この作品を評価する