TS変態魔法詠唱者がオラリオに行くのは間違っているだろうか


メニュー

お気に入り

しおり
作:シーバくん
▼ページ最下部へ


2/9 

第2話


休みなので連投。オバロは設定はっきりしてて書きやすい。
ダンまちは難しい!文章力が足りない!……私は全ての二次創作作家達を尊敬します。


 

穏やかな風、燦々と輝く太陽。揺れる花々。……が見渡せる高台に私は居た。

 

「……ここ、城壁?」

 

ちなみにその反対側にはまさに異世界といった中世ヨーロッパ風の街並みが広がっており、見渡す限り様々な種族が居るようだ。

人間、獣人、エルフ……やっぱり異形種は居ないな。人間種にして正解だった。

 

私は今の自分の容姿を確認する為にアンコモン……というかただのNPCイベント用のガラクタアイテムである手鏡を取り出した。

そこには、私がゲームを始めてから3日もかけた血と汗と涙の結晶、魔女ミラーナが映し出されていた。

 

おお、やはり問答無用で美しい!……けど、こうやって実際リアルになってよく見ると……この眼帯ちょーっとばかし痛々し過ぎるよね。

私の身を包む装備は問題ない。私は女性キャラの魅力度=露出度と思っている三流とは違う。

真に大人な女性というのは、露出の少ない衣装でも魅力的である筈だ。……という信念の元作り上げた、というかギルメンに作って貰った神器級(ゴッズ)装備たち。

 

過度な装飾はそこには無く、艶のない黒い生地が特徴的な至ってシンプルなローブ。装飾と呼べるモノはこの留め具の部分だけだろう。

ここだけ美しいサファイア色のカメオになっている。ローブ自体は物凄く肌触りのいい生地である。

その中に着用しているのは黒を基調としたドレスの様な装備と、同じ様な性能をしたブーツ。こちらも神器級(ゴッズ)だが、対物理属性にはあまり強くない。

実はこの装備一式、対状態異常や対魔法防御に全てを注いでいる。並のプレイヤーの魔法攻撃程度ならばこの装備の上から私の体力を削り切るのは至難の技だろう。

 

まあ、無論弱点もある。対状態異常や対魔法防御に特化しすぎた分、対物理属性に弱いという欠点はある。けれど、それを補って余りある性能をしている。

そもそも、私は完璧なる戦士(パーフェクト・ウォリアー)を使用する際は全ての耐性をある程度上げてくれる無難な鎧に着替える。

早着替えのマジックアイテムがあるので、装備を切り換える位は戦闘中ワンアクションで可能だ。

 

流石に鎧までとなると神器級(ゴッズ)クラスの装備を揃える事は不可能だったのでワンランク落ちて伝説級(レジェンド)クラスの鎧にはなるが。

こちらは全身鎧(フルプレートアーマー)になっており、デザインは……完全に私の好みだが、アルベドのヘルメス・トリスメギストスに似ている。

色は勿論私の好きなブラックである。というか、いいデザインが思い浮かばなかったのでアルベドの鎧をイメージ(パクった)した。……とても格好いい。

 

まあ基本的に、転移後の世界でこの鎧を着用する必要は無いと思っていた。

だって、あの世界……第三位階で一流と言われるんだよ?本気を出す機会なんて、そう無いと思っていた。

 

高を括っていたとも言う。

 

でも、この世界……原作で転移している世界とは明らかに違う気がする。

作中で具体的な描写のなかった土地なのかとも思ったけれど、この天に聳え立つ様な塔があれば、作中で少なからず言及されている筈だ。

私はここで、一つの可能性に思い至る。もしかして、全く別の世界に転移してきてしまったのではないかと。

 

だけど、まあ……ぶっちゃけてしまうと、正直な話リアルで無ければ何処でもいいというのが本音だ。

この肉体を過信する訳では無いけど、少なくとも私が抵抗も出来ず殺される様な魔境はそうないだろう。

 

なんと言っても、身体が羽のように軽い。この肉体は魔法詠唱者(マジック・キャスター)のものだ。

だが……私はその場で軽くジャブを打つ。……ただそれだけで私の拳は風を置き去りにした。

 

本気を出せば、もしかすると音も置き去りに出来るかもしれない。今なら何でも出来る気がする……それ程の万能感に私は酔いしれていた。

身体能力もリアルの肉体とは比べる事さえも烏滸がましい。

 

「さて……どうしましょう。本音を言うならこの場で魔法の試し撃ちをしたい所だけど、流石に人目に付くわよね。」

 

ロールプレイも抜かりない。私はゲーム内でもギルメンとの雑談以外はロールプレイを徹底していた。

 

飛行(フライ)

 

私は城壁から街へと飛び降りながら使い慣れた魔法を発動する。使い勝手は、寧ろ良くなっている。念じるだけで魔法の発動が出来るのがこうも楽しいなんて。

ぶっつけ本番だったけど、この肉体なら落ちても怪我ひとつしないでしょうし、問題なかったわね。

 

私は住民達の視線を集めながら優雅に着地し、そのまま歩き出す。

ただ歩くだけで、周囲の視線が面白い様に集まる。それもそう、私は歩き方から立ち振る舞い、テーブルマナーまで異世界を謳歌する為の努力は全てしてきた。

 

そこに……もう長く、それこそ数十年単位で嗅いでいなかった食欲を唆る、ジャンクフードの様な香ばしいスパイスの香りが私の足を止める。

コロッケの様な食べ物を売っている屋台がそこにはあった。……食べたい。でも、

良く考えたら、私一文無しじゃない。物凄く後ろ髪を引かれる思いだけれど、私の理想の魔女像は食べ物を盗むなんて卑しい盗人の様な真似はしない!

 

迷いを断ち切るように被りを振って、私は再び歩き出した。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

その数秒後……

 

 

 

 

「美味しい……」

 

誘惑に負け、時間停止(タイム・ストップ)の魔法を使い、屋台からコロッケの様な食べ物をかっぱらって感傷に浸っていた。

食事を取れる事が、どれだけ幸せな事なのか……私はあの世界でそれはもう身に染みた。涙が溢れてきそうだ。

 

というか、私には維持する指輪(リング・オブ・サステナンス)があるのでそもそも食事は必要ない。

それと指輪についてだが、全ての指に装備するのは成金みたいでダサすぎるので、

私は装備状態の指輪が一つしか見えなくなる様にアバターのデータを弄ってある。おっと話が逸れた。

 

……幾らなんでも盗み食いって、ダサすぎるよね。それも、私に掛かればすぐ稼げる額の筈の食べ物を一時の欲求に負けて盗み食いとは。

何をしてるんだ、私は。まあとりあえず素直に謝れば許してくれるだろう。少し恥ずかしいが。

 

「少々お時間よろしいですか?」

 

私は店員らしき、店員……店員!?これが!?何このアニメから出てきた様な見事なロリ巨乳は。こんな生き物が存在していいのか……

 

「ん?いらっしゃい!じゃが丸くんが欲しいのかい?」

 

「ああいえ、恥ずかしながらその……食べてしまいまして、その分のお代は支払うので許して頂けませんか?」

 

食べてしまった。というとロリ巨乳は不思議そうな顔をして首を傾げていた。

 

「ん〜?ボクずっとここに居たんだけどなぁ。いつの間に食べちゃったんだい?まあ、お代を払ってくれるなら許してあげるよ。」

 

ニカッと眩しい笑顔でそう言われると、何故だか物凄く罪悪感に苛まれる。

 

「えーと、このくらいで大丈夫ですか?」

 

私はローブの中に手を隠すようにしてアイテムボックスからユグドラシル金貨を取り出す。

ユグドラシル金貨一枚で足りるだろう。ここの通貨は知らないけど。所詮ジャンクフードだし。

 

「んん!?金貨……これはどこの国の物だい?」

 

どこの国……ユグドラシルを果たして国と呼んでいいものなのか、迷いながらも一応言ってみる。

 

「ユグドラシルの通貨ですが、聞いた事はないですか?」

 

「ユグドラシルぅ?……それって世界樹の事じゃないかい?」

 

んー、合ってるけど違うんだよねぇ……。

 

「世界樹といえばそうなんですけど……んん、ともかくご存知ないという事ですね。」

 

「ごめんよ、他には聞いたことないんだよね……まあでも、金貨一枚あればお釣りが出るぜ!ここじゃ換金出来ないけどネ!」

 

と見慣れたハンドサインをするロリ巨乳。

 

「ああいえ、迷惑料も含めてなのでその金貨は受け取って下さい。」

 

私がそう言うとロリ巨乳はそんな悪いよーと言いながら、じゃが丸くんと呼んだコロッケ擬きを幾つか袋に詰め始めた。

 

「じゃあはい、これ!流石に金貨とは釣り合わないけど、これくらいは受け取っておくれ。」

 

「ありがとうございます、店員さん。ところで、私は今日初めてここに来たんですけどここはどういった国なんですか?」

 

私がそう質問すると、ロリ巨乳はそこからかい!?と驚いて、何も知らずにここに来たのか……と物珍しそうな視線を私に向ける。

 

「ここは迷宮都市オラリオだよ!世界の中心って呼ばれてるんだ!」

 

迷宮都市オラリオ……これで確定した。ここは原作でナザリックが転移したのとは別の世界だ。

 

「……で、このオラリオはどういう国なんですか?」

 

「まあ、ざっくり言うと冒険者の街だね」

 

冒険者の……街?国では無いのだろうか。それに、冒険者!いい響き!

 

「冒険者という職業について詳しく教えて頂けますか?」

 

「へ?そんな事も知らないのかい!?えーと、冒険者っていうのはね、基本神の眷属の事を指すんだ。

それで、ダンジョンに潜ってモンスターを倒して、そのモンスターが落とす魔石で生計を立ててるんだ。」

 

……モンスターが落とす魔石?ここでは魔石と呼ばれる物を落とすのか。ほえー

 

ん?今、さりげなく神とかいう単語が聞こえてきた様な……。

 

 

「すみません、その神っていうのはその、概念的な存在ですか?」

 

「ん?よく分からないけど、ボクも神だよ……?」

 

……いやいやそんなまさか。神がジャンクフード売ってるなんて世も末じゃないですかー。

 

「その、神っていうのは何か特殊な力とかあるんですか?権能とか。」

 

「キミは本当に何も知らないようだね。いいかい?昔、暇を持て余した神々はこの下界に降りて来たんだ。自らの司る権能、その他諸々神の力(アルカナム)を封じて。」

 

早速知らない単語が混じってたわね。アルカナム……話の流れ的には神の力的な?

 

「けれど!神は例外的に一つだけ、下界で行使する事を許された力がある。」

 

「ふむふむ……その力というのは?」

 

この様な、この地では常識ともいえる事を聞かれる事は当たり前だがそう無いようで、ロリ巨乳……紐神様だ。紐神様は得意気に色々と教えてくれる。

 

「それが神の恩恵(ファルナ)さ。文字通り神の血(イコル)。これを下界の子供達に刻む事によって、冒険者達は戦う力を得ているんだ。」

 

なるほど……文字通りの意味で神の眷属という事なのか。

 

「では紐神様、その……冒険者の力の指標みたいなのは無いんですか?」

 

「うん、良くぞ聞いてくれた!その……ってこらぁー!誰が紐神様じゃい!ボクはヘスティアだよ!」

 

ヘスティア……聞いた事ないな。

 

「ではヘスティア様、その力の指標の様なもの?はあるんですね?」

 

「さらっと流したね……まあいいや。一応レベルってモノがあってだね?今、この都市で一番強い冒険者のレベルが7だ。」

 

私は言葉を失った。

 

2/9 



メニュー

お気に入り

しおり

▲ページ最上部へ
Xで読了報告
この作品に感想を書く
この作品を評価する