Jリーグの繁栄を持続するために 課題は競技場以外にも… 廣岡信也・ANA総合研究所主席研究員【時事時評】
2025年04月17日10時00分
米メジャーリーグ(MLB)の開幕戦が日本で行われた。シカゴ・カブス対ロサンゼルス・ドジャースという、日本人選手が複数所属する球団同士の対決だったこともあって、日本中が大いに盛り上がった。日本プロ野球(NPB)も負けてはいない。開幕戦はどのカードも早くから売り切れるなど、コロナ後のNPB人気は特定の球団に偏ることなく広がりを見せている。
NPBとBリーグに挟まれて
一方、サッカーもこの間、2026年ワールドカップ北中米大会のアジア予選も行われ、日本代表が開催国を除き最速で出場権を獲得して、久しぶりにサッカーの話題がマスコミを賑わせた。しかし、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に関してはちょっと寂しい。代表選手の多くが海外のクラブに所属しているため、代表の活躍がJリーグの話題に繋がらないことも要因だろう。今日の日本代表の強化には、紛れもなくJリーグが貢献してきたが、多くの選手が海外クラブに所属している現在、Jリーグの存在感は薄れてしまっている。それどころか、神奈川県平塚市や秋田県などで新たな競技場の建設を巡るチームと地元自治体との齟齬(そご)が報じられ、調整に時間を要している。
1993年に始まったJリーグは、日本のプロスポーツ界に革命を起こした。共存共栄や地域密着、スポーツ全般の環境整備といったJリーグの理念は、親会社の“宣伝機関”とされたNPBとは一線を画し、先進的なプロモーション戦略も相まって、大きなムーブメントを巻き起こした。しかし、オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの合併をきっかけにした「2004年プロ野球再編問題」を経たNPBは、地域密着の推進やファンサービスの強化などを推し進め、本来のポテンシャルが発揮され、試合数が多いにも関わらず各球場は連日大盛況となっている。














