「賃貸オフィスの探し方は?」
「事務所物件を探してから契約までの手順は?」
オフィス賃貸はたくさんあり、探し方が分からないという方もいますが、コツさえ押さえれば簡単に欲しいオフィスは見つかります。
賃貸オフィスを探す際は、条件を整理してあらかじめ計画を立てることが大切です。
当記事では、賃貸オフィスの探し方や契約までの流れ、物件探しの際に見るべきポイントについて解説します。
オフィスの開設を検討している方や、移転を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
賃貸オフィスの探し方

賃貸オフィスは、以下の4つの手順に沿って探すことが大切です。
- 社員1人あたりに必要な面積を割り出す
- 通勤に適した場所を選ぶ
- 予算の計画を立てる
- オーナーの対応や信頼性を確認する
賃貸オフィスの物件探しの際は、まず社員1人あたりに必要な面積を把握します。
目的が曖昧なまま進めると、時間や予算がかかる恐れがあります。
コンセプトや方向性など再確認した上で、物件探しに取り掛かりましょう。
社員1人あたりに必要な面積を割り出す
賃貸オフィスを選ぶ際には、社員1人あたりに必要なスペースを正確に計算することが大切です。
事務所衛生基準規則では、室内の気積(空間の体積)が社員1人あたり10立方メートル以上必要と定められています。
第二条 事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)の気積を、設備の占める容積及び
床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としな
ければならない。
この際、天井が4メートルを超える場合は、その超過分の空間は含めません。
例えば、天井高が3メートルの場合、1人あたりの床面積は約3.3㎡が最低基準となります。
これに加えて、デスクや設備の配置、会議室や共有スペースなどの用途を考慮して、必要な全体面積を算出しましょう。
通勤に適した場所を選ぶ
賃貸オフィスを選ぶ際、通勤の利便性を考え、主要な駅や公共交通機関へのアクセスが良い場所を選びましょう。
これにより、社員の通勤ストレスを軽減し、採用時の魅力向上にもつながります。
また、取引先へのアクセスが容易なエリアを選ぶことで、営業や商談の効率が向上します。
さらに、周囲の環境も重要です。
近隣に飲食店やコンビニがあれば社員の利便性が向上し、銀行や郵便局などの施設が近いと日常業務がスムーズに進みます。
予算の計画を立てる
賃貸オフィスを探す際には、事前に明確な予算計画を立てることが重要です。
具体的には、以下の項目を把握して計画を立てる必要があります。
- 賃料
- 敷金礼金
- 仲介手数料
- 共益費
- 光熱費
- インターネット費用
- 内装工事や家具費用
賃料だけでなく、敷金・礼金、仲介手数料、共益費などの初期費用を含めた総コストを把握しましょう。
また、毎月のランニングコストとして、光熱費やインターネット費用、清掃費用なども考慮する必要があります。
さらに、移転に伴う内装工事や家具購入費も予算に含めるべきです。
オフィスの立地や広さによってコストが大きく異なるため、自社の業務内容や社員数に見合ったオフィスを選ぶことがポイントです。
オーナーの対応や信頼性を確認する
賃貸オフィスを選ぶ際には、物件の条件だけでなくオーナーの対応や信頼性も確認することが大切です。
オーナーや管理会社の対応次第で、契約後のトラブル対応や設備メンテナンスの質が大きく変わるからです。
契約前にオーナーが過去にどのような管理を行ってきたか、修繕やクレーム対応の実績を確認することをおすすめします。
また、内覧時に建物のメンテナンス状況や清掃の行き届き具合をチェックすることで、オーナーの管理意識を判断する手がかりになります。
信頼できるオーナーや管理会社であれば、契約後も安心してオフィスを利用できるため、長期的な視点で物件選びを進めることが可能です。
オフィス物件選びから契約までの流れ

オフィス物件を選んでから契約するまでの流れは、以下の通りです。
- 地元の不動産屋でオフィスを探す
- 実際の現地を確かめる
- 入居申込みを行う
まず、予算や立地、広さなどの条件を明確にし、不動産サイトや仲介業者を利用して物件をリストアップします。
その後、内覧を通じて実際の設備や環境を確認し、候補を絞り込みましょう。
物件が決まったら、賃料や契約条件の交渉を行い、オーナーと合意に至れば契約へ進みます。
それぞれの流れについて、詳しく解説します。
地元の不動産屋でオフィスを探す
オフィス物件選びでは、地元の不動産屋を活用するのが効果的です。
地元の不動産屋はエリアに精通しており、インターネットには掲載されていない非公開物件の紹介を受けられる場合があります。
また、地域特有の情報やトレンド、周辺環境について詳しく教えてもらえるため、自社に合った物件を効率的に見つけることができます。
さらに、不動産屋の担当者とのコミュニケーションを通じて、条件に合わせた物件の提案や契約に関するアドバイスを得られる点もメリットです。
契約後のフォロー体制についても確認しておくと良いでしょう。
実際の現地を確かめる
賃貸オフィスの候補が決まったら、必ず現地を訪れて確認することが重要です。
インターネットや資料だけでは分からない点を確認することで、契約後のトラブルを防ぐことができます。
具体的には、以下のポイントをチェックしましょう。
- オフィスの広さ
- レイアウト
- 採光
- 空調設備の状態
- 周辺の騒音レベル
また、建物の共用部分の清掃状況やエレベーターの有無など、社員や来客の利便性に関わるポイントも重要です。
実際に現地を確かめることで、オフィスとしての適性を見極めることができます。
入居申込みを行う
気に入ったオフィス物件が見つかったら、次のステップは入居申込みです。
入居申込みでは、物件を確保するための意志表示を行います。
この際、会社の基本情報や代表者情報、事業内容、利用目的などを求められることが一般的です。
また、審査の一環として、会社の財務状況や実績を確認される場合もあります。
申込みと同時に手付金の支払いが求められる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
提出後は、オーナーや管理会社による審査が行われ、審査通過後に契約手続きへと進みます。
スムーズな申込みを行うために、必要書類を事前に揃え、迅速に対応することがポイントです。
オフィス物件の種類

オフィス物件には、一般的な賃貸オフィス以外にもさまざまな種類があります。
- 賃貸オフィス
- シェアオフィス
- レンタルオフィス
- セットアップオフィス
- バーチャルオフィス
それぞれに異なる特徴があるため、自社のニーズに合ったオフィスがないか確認してみましょう。
賃貸オフィス
賃貸オフィスは、オフィス物件の中でも最も一般的な選択肢です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 広さや立地など多様な選択肢がある 内装や設備を自由にカスタマイズできる | 敷金や礼金などの初期費用がかかる場合が多い 契約期間に縛りがあるため短期間利用には不向き |
月々の賃料を支払うことで一定期間利用でき、自由に内装を変更したり、オフィスをカスタマイズできる点が特徴です。
広さや設備、立地など、多種多様な物件が揃っているため、自社の規模や業務内容に合わせた物件を選びやすいのもメリットです。
また、専有スペースを持つため、セキュリティやプライバシーの確保がしやすい点も魅力です。
一方で、初期費用として敷金や礼金、仲介手数料がかかる場合が多く、契約期間の縛りがあるため、短期間の利用には向かないことがあります。
シェアオフィス
シェアオフィスは、複数の企業や個人が共有スペースを利用する形態のオフィスです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 初期費用を抑えられる 短期間や柔軟な契約が可能 | セキュリティやプライバシーの確保が難しい場合がある 専有スペースが少なく拡張性が低い |
初期費用が抑えられ、月々のコストも比較的低いことが特徴です。
また、家具やインターネット環境などが整備されている場合が多く、契約後すぐに利用を開始できる点もメリットです。
一方で、共有スペースが多いため、セキュリティやプライバシーの確保が難しい場合があります。
また、専有スペースが少なく、長期的なオフィス運営には向かない場合もあります。
シェアオフィスは、コストを抑えつつ、柔軟にオフィスを利用したいスタートアップや個人事業主におすすめです。
レンタルオフィス
レンタルオフィスは、家具や設備があらかじめ整った専有スペースを利用できるオフィス形態です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家具や設備が整っており準備の手間が省ける 受付などの付帯サービスが充実している | 社員数増加に対応しにくい 内装や設備のカスタマイズが難しい |
短期間の契約や柔軟な利用が可能で、スタートアップやプロジェクトベースの活動に適しています。
さらに、受付サービスや会議室の利用など、付帯サービスが充実している場合が多く、効率的に業務を進められる環境が整っています。
一方で、専有スペースの広さが限られることが多く、長期的に社員数が増える場合には対応が難しいこともあります。
また、賃料は共有スペースやサービス料込みで割高になることがあるため、コストとのバランスをよく検討する必要があるでしょう。
セットアップオフィス
セットアップオフィスは、内装や家具、基本的な設備があらかじめ整った状態で提供されるオフィスです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 内装工事の手間や初期費用を抑えられる 専有スペースを確保できセキュリティ面で安心 | 通常の賃貸オフィスに比べて賃料が高くなる 契約内容により自由度が制限されることがある |
レンタルオフィスと似ていますが、より広い専有スペースを持ち、自社専用のオフィスとして利用できる点が特徴です。
初期費用を抑えながら、内装工事の手間を省けるため、スピーディーに業務を開始することができます。
一方で、賃料に内装費や設備費が含まれていることが多く、通常の賃貸オフィスに比べてコストが高くなることがあります。
セットアップオフィスは、短期間で事業を立ち上げたい企業や、引越しの負担を減らしたい企業に適した選択肢です。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは、物理的なオフィススペースを持たず、住所や電話番号の提供、郵便物の受け取りなどをサービスとして利用するオフィス形態です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 初期費用やランニングコストが低い 物理的スペースを持たないため柔軟な働き方が可能 | 来客対応が難しい 拡張性が低い |
実際の作業は自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで行い、主に企業の所在地として利用されます。
初期費用やランニングコストが非常に低く抑えられる点が最大のメリットで、特にスタートアップや個人事業主に人気があります。
ただし、物理的なオフィススペースがないため、来客対応や会議室利用には別途コストがかかる場合があります。
また、会社の規模が拡大した際には、専有オフィスへの移行が必要になることもあります。
賃貸オフィスを探す際に見るべきポイント3つ

賃貸オフィスを探す際に見るべきポイントは、以下の3つです。
- リフレッシュスペースがあるか
- 共有スペースは清潔か
- 不動産業者は親身に対応してくれるかどうか
上記のポイントを抑えておくことで、より理想的なオフィスを探しやすくなります。
それぞれのポイントについて詳しく解説しますので、是非参考にしてみてください。
リフレッシュスペースがあるか
リフレッシュスペースの有無は、オフィスでの働きやすさを左右する要因の1つです。
社員が適度に休憩を取れる環境は、仕事の効率やモチベーションを高める効果があります。
具体的には、休憩室やカフェスペース、リラックスできるソファや椅子が設置されているスペースがあるかどうかです。
さらに、広々とした共用スペースや自然光が差し込む環境は、ストレスの軽減にもつながります。
特に長時間デスクワークを行う業種では、オンとオフを切り替える場があることは生産性向上の鍵です。
また、来客時に利用できるようなラウンジスペースがある場合は、企業イメージの向上にもつながります。
リフレッシュスペースが充実しているオフィスは、社員満足度の向上に直結するため、ぜひチェックしましょう。
共有スペースは清潔か
賃貸オフィスを選ぶ際には、共有スペースの清潔さを確認することも大切なポイントです。
共有スペースには、エントランス、廊下、エレベーター、トイレ、キッチンなどが含まれます。
これらのスペースが常に清潔で整備されているオフィスは、社員が快適に働ける環境を提供するだけでなく、来客時にも良い印象を与えることができます。
特にトイレやキッチンの清掃状況は、建物全体の管理体制を判断するうえで重要です。
内覧時には、これらのスペースが定期的にメンテナンスされているかを確認しましょう。
不動産業者は親身に対応してくれるかどうか
賃貸オフィスを探す際、不動産業者の対応力は物件選びの満足度に大きく影響します。
親身に対応してくれる業者であれば、自社の希望条件や業務内容を丁寧にヒアリングし、それに合った物件を提案してくれます。
また、物件に関する詳細な情報提供や内覧時のポイント説明、契約内容の不明点に対する明確な回答など、安心感を持って進められるサポートが期待できます。
さらに、契約後のフォローやトラブル発生時の迅速な対応力も重要です。
一方で、提案が少なかったり、質問に対して曖昧な回答をする業者は注意が必要です。
不動産業者とのコミュニケーションを通じて、理想的なオフィスを選ぶようにしましょう。
理想のオフィス物件を見つけるコツ

理想のオフィス物件を見つけるためには、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。
特に、以下の3点を意識することが大切です。
- 間取りは導線を意識する
- 起業後の会社を想定する
- 複数の不動産会社で比較検討する
それぞれのコツについて、以下で詳しく見ていきましょう。
間取りは導線を意識する
理想のオフィス物件を見つけるには、動線を意識した間取りかどうかを確認することが大切です。
例えば、エントランスから執務スペース、会議室、休憩スペースへのアクセスがスムーズであれば、社員の移動ストレスが軽減され、生産性の向上につながります。
また、来客時には受付から会議室までの導線が分かりやすいと、企業の印象を良くすることができます。
さらに、コピー機やプリンターなどの共用設備が使いやすい場所に配置できるか、スペースを無駄なく使えるかどうかも確認しましょう。
起業後の会社を想定する
理想的なオフィス物件を見つけるには、現在の会社規模だけでなく、将来的な成長を見越して選ぶことが重要です。
特に、起業直後の段階では、社員数の増加や事業拡大を想定した柔軟なスペースがある物件が理想的です。
例えば、デスクや設備を追加しても窮屈にならない広さや、部屋を増設できる間取りがあると、移転の手間を省くことができます。
また、業務内容の変化や新たな事業を展開する際に対応できる設備が整っているかもポイントです。
さらに、契約期間や更新条件が柔軟な物件であれば、予期せぬ変化にも対応しやすくなります。
起業後の成長や変化を見据えたオフィス選びをすることで、長期的に快適で効率的な環境を確保することができます。
複数の不動産会社で比較検討する
理想のオフィス物件を見つけるためには、複数の不動産会社に相談し、提案された物件を比較検討することが大切です。
一社だけに頼ると、選択肢が限られてしまう可能性がありますが、複数の不動産会社に相談することで、非公開物件や異なる視点からの提案を受けることができます。
また、不動産会社ごとに得意とするエリアや物件の種類が異なるため、自社のニーズに合った物件を見つけやすくなります。
物件の条件だけでなく、賃料や契約内容についても各社で比較し、納得のいく選択をすることが理想的なオフィス選びへの近道です。
まとめ
当記事では、賃貸オフィスの探し方や契約までの流れ、理想的なオフィスを見つけるためのコツについて解説しました。
理想の賃貸オフィスを見つけるためには、明確な条件設定と慎重な比較検討が欠かせません。
オフィスは社員の働きやすさや企業のイメージにも影響を与える重要な要素です。
今回の記事で紹介したポイントを参考に、効率的で快適なオフィス環境を整え、自社の成長を支える最適な拠点を見つけてください。

