◆自家製ラーメン二郎、キャラメルマキアートで楽しく節約

ーー食費が3万~4万円だったとのエピソードが衝撃的でした。食費を抑えつつ、お子さんたちに喜んでもらう工夫は何かされていましたか?

はなえさん:量より雰囲気で楽しませる感じで、盛り付けを華やかにしたり、お店で売られている流行りのものを再現するメニューを作っていました。ラーメン二郎風の年越しそばを作ったり、スターバックスで働いた経験を活かして自家製キャラメルマキアートをおやつに出したり。

お誕生日ケーキも買えなかったので、安いスポンジとクリームを買って自作しましたね。料理は好きでしたが、お菓子作りは苦手だったので、ホットケーキミックスを使ったレシピは失敗が少なく安心でした。

結婚していたときの節約は楽しくなかったけど、離婚後の節約は自由で楽しかったです。特に、イベントごとは大切にしていましたね。

ーー二郎にキャラメルマキアート…何でも作ってみようというチャレンジ精神がすごいです!お金がないときに実践した、印象に残っている過ごし方はありますか?

はなえさん:コロナのときはお弁当を作って、庭にテントを出して食べました。ベランダで小さいバーベキューコンロを使って、ミニBBQをすることもありましたね。

施設にいた時期は夫に見つからないよう3~4か月外に出られなくて、スマホも持てず、テレビも施設に1台だけという娯楽が極限に限られた状況でした。でも、子どもってすごくて、あるものだけで次々と遊びを考えられるんですよね。チラシを丸めておもちゃを作ったり、将棋やオセロを自作したり。

施設でほかの家庭の子どもたちと、洗剤でシャボン玉を作って一緒に遊ぶこともありました。お風呂も一家庭15分というきっちりしたルールの中、浴槽にぎちぎちに入って、どうしたらきれいに収まるかテトリスみたいなこともしました(笑)

◆「経済的に余裕ができた」と感じた瞬間

ーー経済的に楽になったと実感したのはどんなときでしたか?

はなえさん:3つ入りのプリンを2セット、戸惑いなく買えたときですね。

子どもにプリンを食べたいと言われても「そのお金があったら野菜が買えるよな」なんて考えてしまって。「今日はごめんね」と言って帰った記憶がずっと残っています。

いつからか、みんなが1個ずつ食べられるくらい買えるようになりました。明日どうなるか分からない日々を過ごしてきましたが、これまで一人でどうにかしてきた自信から不安が小さくなりました。

◆自分のキャラクターに合わせて工夫することが大切

ーーはなえさんは現在、YouTuberとしても活躍されていますし、ものすごくパワーのある女性だと感じました。今、苦しい状況に置かれている人にアドバイスをお願いします。

はなえさん:今は自宅にいながらの副業情報も掴みやすい時代になって「あの人ができているから自分もなんとかなるかも!」と思える機会が増えていると思います。とはいえ、誰でもほかの人と同じようにできるわけではないと思うんです。もともと私の状況は特殊で、工夫をせざるを得なかったことが大きいですし。

私はたまたま、もじゃもじゃになってる毛糸を解くように、解決方法を見つけるのが得意でした。

人にはそれぞれ、稼ぐこと、増やすこと、もらうこと、やりくりなど、得意なことを持っています。節約にもいろんな方法があるので、自分のキャラクターに合わせて主人公になったつもりで取り組むといいと思います!

ーーどこまでもポジティブで、クリエイティブなはなえさんには頭が上がりません。お金や健康など人々が持つ大変な状況はさまざまですが、笑うしかないと割り切ってやれることをやっていくのが大切かもしれませんね。

<取材・文/松浦聡美>

【松浦聡美】
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。X:@bleu_perfume