子ども4人とピクニックを満喫

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家計のやりくりは、どの時代においても大きな課題です。近年はコメをはじめとする食料品の価格高騰が顕著となっています。経済格差が広がり、極限状態に陥っている貧困層も少なくありません。
特に、子育て中の家庭では、限られた収入の中でいかに子どもを幸せにできるかを日々考える人も多いでしょう。

今回取材したシングルマザーのはなえさんもその一人で、なんと月17万円という限られた収入の中で4人の子どもを育て上げました。当時の状況や、実践していた節約術についてお話を伺いました。

◆月17万円で子供4人を育てたライフハック

ーーはなえさんのご家庭で一番家計が苦しかったときの、月々の収入と支出の状況を教えてください。

はなえさん:月々17万~18万円ほどの収入で、4人の子どもを養いました。収入の内訳としては、マクドナルドのパート代が多くて12万円、児童扶養手当が約5.5万円、児童手当が約2.5万円でプラス約8万円という感じです。

ただ、児童扶養手当は4ヶ月に一回の支給なので、やりくりが大変でしたね。支出は生活費だけでなく、元夫が残した借金を返している時期もありました。

ーー4人のお子さんを17万円で育て上げたとは…私が一人暮らししていたときでもそのくらいかかったので、相当やりくりを上手にされたのではないでしょうか?

はなえさん:ギリギリの綱渡りのような状況だったので、私なりのライフハックをたくさん考えました。

たとえば、電気や携帯電話の支払いは2か月は持つから最大限遅らせる、食材は後でまとめて請求される生協で購入する、現金がない時は携帯電話の後払い機能で商品を購入し、それらを売って現金化する、など。クレジットカードは持っていませんでしたが、携帯のプリペイドをスマホと一緒払いにすると6万円まで使えました。

子どもの算数セットやお裁縫セットのような学用品も、学校で買うと結構高いです。周りと多少違っても問題なさそうなものは、自分で見つけて買い揃えたりしました。

娘の通学代も、まとまったお金がなく定期券が買えないので、スマホのウォレットを活用して毎日切符を手渡ししたり。幸い、市の政策のおかげで医療費がほぼかからなかったのはよかったですね。食費は子どもたちがそこまでたくさん食べる子たちではなかったため、3万~4万円に収まっていました。

生活保護を受け取らなかったワケ

ーーここまで苦しいと、生活保護のような公的支援を積極的に利用してもいいと思いますが…

はなえさん:DV夫から逃げてしばらくは、シェルターや母子支援施設に住んだため家賃はかからず、自治会費のみ負担しました。生活保護でもらえたのが月に22万円ほどで、これは家族の年齢や人数によって金額が変わります。

そこで、働きながら少しずつお金を貯められました。ただ、車に乗ることができず不便だったのと、生活保護を受けるといろんなところに頭を下げなければならないのが苦痛で。

福祉の担当者さんがとてもいい方で「もらえるうちに、もらえるものを受け取っていいんですよ」と背中を押していただいたのですが、生活保護は早々に断ち切りました。

◆周囲の人や地域の取り組みに救われた

ーー国民の権利とはいえ、生活保護の受給は心苦しさを伴うのですね。周りの人との助け合いや工夫で、印象に残っているエピソードはありますか?

はなえさん:職場の人が私の状況を察してくれて、いらなくなった服や野菜をくれることはありました。子どもたちのランドセルも、上の二人の分は元夫と住んでいた家から持って逃げましたが、3番目の子は地域が、4番目は施設が提供してくれました。

ファミリーサポートという、ベビーシッターボランティアのマッチングサービスも助かりました。同じ学区のママさんにお金を払って子どもを見てもらったり、日用雑貨を譲ってもらうこともありましたね。