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日本アマ覇者、早稲田大学4年生の中野麟太朗がオーストラリアのプロツアー出場資格を見事獲得! #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

2023年の日本アマ・チャンピオン、早稲田大学4年生の中野麟太朗(21)が、チャレンジャー・PGAツアー・オブ・オーストラレイジアのQスクール(予選会)に挑み、アマチュアにして来季の出場資格を獲得した。

チャレンジャー・PGAツアー・オブ・オーストラレイジアは、ニュージーランドを含めたオーストラリアのプロツアーで、世界6大ツアーの1つだ。シーズンが8月に始まって3月に終わるという変則的なスケジュールのため、翌シーズンの出場資格を競い合うQスクール(予選会)は、前シーズン終了直後の4月に行われる。

今年は4月9日から11日の3日間に第1ステージ、翌週の14日から19日の4日間に最終ステージが行われた。

第1ステージから挑んだ中野は、初日から首位で好発進し、3日間を通算7アンダー、2位タイで楽々突破。最終ステージでは4日間を通算4アンダーで回り、見事、16位でフィニッシュ。上位26位タイまでに授けられる2025/26年シーズンの出場資格を手に入れた。

最後列、向かって右から3番目が中野麟太朗
最後列、向かって右から3番目が中野麟太朗

一昨年も昨年もニュージーランドとオーストラリアで自主合宿を行った中野は、今年も2月から単独で自主合宿を行なった。

「オーストラリアのQスクールに挑戦しようと決めたのは昨年の秋でした。今年の個人合宿では、このQスクールを最終目標に据えて練習に打ち込んできました」

中野は現在、早稲田大学のゴルフ部主将を務める多忙な身だが、「大学ゴルフ連盟の規約では、4年生には国内外のプロテストやQT(予選会)に参加することが認められています。オーストラリアのQスクールは、日本ツアーやアジアツアーのQTに挑む前の腕試しとして、ちょうどよいタイミングだと思いました」。

とはいえ、最終ステージの出だしは想像以上に苦戦した。

「第1ステージは思い通りのプレーができましたが、最終ステージは初日も2日目もパッティングが思うように入らず、スコアが伸ばせませんでした。上位26人を意識したことが緊張につながったんだと思います。腕試しのつもりでしたが、絶対にツアーカードがほしいという思いが日に日に強まっていきました。リラックスして普段通りの自分のゴルフをすれば、絶対に負けないと自分に言い聞かせて臨んだ3日目は、強風の中、納得のいくプレーができました」

昨今、日本人選手の海外進出は男女とも盛んになりつつある。日本の女子選手は米LPGAあるいは下部ツアーのエプソンツアーから挑むルートが主流だが、日本の男子選手は、間口が極端に狭いPGAツアーにダイレクトに挑むのではなく、PGAツアーにつながるパスウエイ(道)を経由するパターンが、わずかながらも増えつつある。

チャレンジャー・PGAツアー・オブ・オーストラレイジアはDPワールドツアーと提携しているため、中野には「オーストラリア→DPワールドツアー→PGAツアー」という道を進むチャンスが開けてくると考えられる。

だが、中野は、まずオーストラレイジアの出場資格を獲得した上で、今後は他のツアーの出場資格獲得にも挑戦し、アマチュアのビッグ大会にも挑み、さまざまなチャンスや可能性をフル活用した上でプロ宣言したいと考えている様子だ。

「今は、ほっとしているという同時に、次のステージへの挑戦が楽しみです。ここからが本当のスタートだと思っています。今後は日本ツアーのQTまではアマチュアとして活動していくつもりです」

それまでは、オーストラリアにもアマチュアとして赴き、日本ツアーやPGAツアー、DPワールドツアーなどの試合も、スポンサー推薦などが得られれば、アマチュアとして出場する予定だという。

今後の成長と活躍は無限大である。プロ転向のタイミングも当分は様子を見ながらということになりそうだが、今、はっきりしていることは「大学は必ず卒業すること」。

これは、中野選手とご両親との約束だそうだ。

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ありがとうございます。
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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