NHKクルド特集、産経記事を無断使用「ヘイト拡散」と描く 批判的Xのアカウントも公開

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NHK・ETV特集「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」が放送した「産経ニュース」の画像
NHK・ETV特集「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」が放送した「産経ニュース」の画像

今月5日に放送されたNHKのETV特集「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」が偏向報道の批判などを受けて再放送が延期された問題で、「産経ニュース」のニュース画像が番組内で無断で使われていたことがわかった。番組では、産経記事があたかもヘイト投稿を助長したかのような描写をしていた。

番組は「クルド人」という言葉を含むSNS投稿を時系列で解析し、投稿が増えた時期の中心的な投稿内容の真偽を検証したとするもの。いずれもクルド人問題を「フェイク」「ヘイト」と一面的に捉えた描き方だった。

過去2年間で投稿数が最多だったのは昨年2月で、クルド人問題をめぐるデモの際にクルド人団体幹部が発言した内容に対してだったと紹介した。

さらに、2番目に投稿数が多かった時期として昨年11月を挙げ、ナレーションが「この月、さまざまな出来事が重なり、SNSは再び大きな盛り上がりを見せていた」と説明。産経ニュースが同月24日に報じた「川口クルド人『出稼ぎ』と断定」との記事のSNS画像を、出典を明示することなく放送していた。

その際、「新聞社がクルド人に関する記事を集中連載。そこから多く拡散されていく」とのナレーションが流れ、あたかも産経の記事が真偽不明でヘイト投稿を助長したかのような印象を受ける編集がされていた。

「産経新聞」のロゴマークもそのまま放送していたが、記事についての取材は産経新聞社に一切なかった。

番組では、一般投稿者のXを紹介する際、アカウント名やアイコンにぼかしをかけていたが、「@マーク」から始まるユーザー名はそのまま放送。中には、クルド人問題に批判的な投稿をしただけの個人アカウントも、ユーザー名にぼかしをかけずに公開していた。

(これまでの経緯)NHKクルド特集 「偏向」批判など受け異例の修正へ

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