【怪文書】暇空茜はなぜ刑事で起訴されたのか?
今更なネタについて話します。
民事裁判で負けると刑事で起訴される?
そういうことじゃないです。
民事裁判で不法行為責任が発生しないのは、刑事責任の不存在の十分条件になる場合が多いですが、民事で不法行為が成立したから直ちに刑事でも有罪取れるかというと、そうじゃないです。
判断基準が違いますからね。
名誉毀損の違法性阻却事由、評価方法は異なりますが、民事と刑事で証明すべきことが異なるわけではありません。以下の3つです。原告(あるいは検察)側はどれか一つを崩せば良くて、被告側は3つ全てを主張(+必要に応じて立証)します。
公共性
公益目的性
真実性もしくは真実相当性
公共性や公益目的性については、存在証明を被告側に求められるケースの多い民事と比べて、基本的に全ての立証責任を負う刑事は、検察側が不存在を証明するハードルが高いです。被告人が犯行動機を語っている証拠が出てきたり、それ以外の方法でうっかり自白したり、以外では立証無理ゲーなことが割と多かったりするようです。
擬制自白みたいな制度は刑事にはありません
民事は、擬制自白などの制度があるじゃないですか。
先の民事訴訟の第1審で「暇空の行為に公益目的性がないことを立証したいから尋問する」みたいなやつですね。尋問決定したのに欠席して、動画配信で馬鹿笑いしてたからこいつの欠席には正当理由がないみたいなこと言われて云々。
前も言ったと思うんですが、こういう立証趣旨の尋問、本当は民事でも良くない(民訴法196条)し、刑事捜査でもそれを証拠収集手段とすることはできません。
民事で擬制自白とか証拠の不提出とかで「公益目的性がない」って立証されたからって、刑事でも有罪とはならないでしょう。刑事では黙秘権が厳格に運用されています。疑わしきは罰せず(被告人の利益のために)ですからね。
とりあえず、欠席した尋問が起訴の決め手になったなんてことはないと思います。
じゃあ、決め手はなんでしょう?
真実性・真実相当性が決め手か
消去法で、検察において真実性・真実相当性がないことを立証できる算段がついたことになると思います。
民事の控訴審で違法性阻却事由を立証できるかが争点だった
民事で「公益目的性がない」って事実認定されても刑事でそのまま使えるわけじゃないですが、「真実性・相当性がない」は非常にまずいやつです。民事の一審ではどちらも原告側の主張が認められたようです。
でも、検察は民事の第一審判決の時点では、おそらくこう思ったでしょう。
「まだ出してない反対証拠があるかもしれない」と。
検察は民事の控訴審結審で起訴の方針を固めた(たぶん)
ぶっちゃけこれだと思うんですよね。
まあ、民事でも刑事でも名誉毀損に対する違法性阻却事由の立証に使う証拠って共通だと思うんですが、民事で高裁まで争ってて、最高裁ではもう証拠出すチャンスないですから、理屈上は、民事の不法行為責任に対する防御方法は、控訴審の結審までに出し尽くした、そう考えるのが自然です。
換言するならば、暇空茜は、民事の控訴審という舞台に自ら躍り出ることで「まだ証拠あるかもよ?」というハッタリの効かない丸腰状態になったと言えるのです。
その上で、結審までに暇空側が出した証拠の中に、真実相当性を立証する決定的な証拠が出てこなかったとすれば、「刑事事件でも有罪が楽に取れるじゃん」って。そう思うでしょ検察も。当たり前じゃん?
どうすれば起訴されなかったか?
「出したい証拠はあるけど諦める」って控訴を断念してたら起訴を回避できた可能性はあると思います。ハッタリでもまだ証拠は出し切ってない感を出した方が、検察も有罪取れるかどうかの判断は慎重になるでしょうからね。
有罪率99.9%を下げたくないですし、逆に「100パーいける」と検察に確信を抱かせたらもう起訴まっしぐらってことです。
こんくるーじょん
で、なんでしょう?教訓?
不起訴が確定するまでは油断しちゃだめよってことですかね?
コメント