NHKの川口クルド人特集 「偏向」批判など受け異例の修正へ 再放送延期、公開質問状も 「移民」と日本人
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NHKが今月5日に放送した埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人の問題を扱ったドキュメンタリー番組の再放送が直前に延期され、配信も中止されていたことが16日わかった。同日の稲葉延雄会長の定例記者会見で、同局幹部は「偏向報道」などの批判があることを認め、「より取材を深めるため」などと理由を説明。今後修正するなどした上で再放送する異例の方針を明らかにした。 この番組は同局のEテレで毎週土曜夜に放送されている「ETV特集」のうち、今月5日に放送された「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」。公式Xは内容について「クルド人に関するSNSの投稿が、この2年で爆発的に急増。犯罪・テロの声があふれ、デモや脅迫も…。何が起きているのか?真偽は?投稿者や関係者を取材し調査報道で迫る」と紹介している。 ところが、放送後にSNS上などで「不偏不党の公共放送の名を傷つけるくらい偏った内容」「一部クルド人の治安問題の『リアル』はスルーですか」などと批判が殺到。「NHKから国民を守る党」の浜田聡参院議員が同局に対し、公開質問状を出す事態となっている。 今月9日深夜には再放送が予定されていたが、同局は数時間前に一転、延期を告知。配信サービス「NHKプラス」の見逃し配信も突然非公開とされ、「NHKオンデマンド」でもこの回だけ配信されていない。 この日の会見で、稲葉氏に代わって回答した樋口大山コンテンツ戦略局企画管理センター長は、偏向報道などの批判について「さまざま意見が出ていることは承知している。そうしたことも含め、より取材を深めるため再放送と配信を延期した」と説明。一方で「政治的な圧力」は否定した。 樋口氏は、新たな検証番組の制作については「いまのところ新しく番組を作り直すことを想定しているわけではない」とした上で、「より深く取材した内容をどのような形で放送するかも含め検討中」と話した。
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