Mednafen・おススメ画面設定例
本来、Mednafenは複数の機種が再現できるマルチエミュレータですが、
ここでは「PCエンジン」に絞って取り上げていますので、ご了承下さい。
まず、設定例の前に「リフレッシュレート」について。
CRTモニタの場合、Mednafen実行前にあらかじめモニタのリフレッシュレートを「60Hz」にしておくと良いでしょう。
この状態で垂直同期をとると、画面表示（特にスクロール）が非常に滑らかになるので、おススメです。
リフレッシュレートの変更方法等、詳細についてはこちらのページの「CRTモニタでの設定」にあります。
液晶モニタのリフレッシュレートは常時60Hzで問題ないので、
一度60Hzに設定したら、以降は変更の必要はありません。
それでは、以下におススメの設定例をランチャーソフトの設定ウィンドウの形で紹介します。
どちらも、設定ウィンドウの対象機種欄の「PCE」を選択するのと、
項目入力後に「SAVE CFG」をクリックするのを、お忘れなく。
※この設定例による表示の確認は以下の環境下で行っております。
ビデオカードの違いなどにより、必ずしも表題どおりの画面表示にはならない場合もありますので、
あくまでも「参考程度」ということでご了承下さい。
(1)「SONY E220」（1600×1200まで映せるCRTモニタ）＋「GeForce FX 5200 (128MB)」
(2)「 I・O DATA LCD-A171KB」（SXGA（1280×1024）の液晶モニタ）＋「RADEON 7200 (64MB)」
Index
[1]ドットクッキリ表示優先
フルスクリーン、ウィンドウ、両モードとも横方向拡大率を「3.209」、縦方向拡大率を「3」にします
（「3.209」は直接入力する）。
フルスクリーンモードの解像度は「1024x768」とし、グラフィックオプションの
「バイリニア補間」のチェックをはずし、「垂直同期を取る」のチェックは残します。
画像フィルタは「none」となっていることを確認。
この設定は、CRTモニタ、XGA（1024×768）液晶モニタならフルスクリーンモード、
XGAより広い液晶モニタにはウィンドウモードがおススメです。
ただ、SXGA（1280×1024）液晶モニタなら、解像度の違いによるぼやけもほとんど感じないため、
この設定のままフルスクリーンモードにしても良いかと思います。
フルスクリーンへは、起動後に[ ALT ]＋[ ENTER ]キーで切り替えられますが、
ランチャーの起動画面の「フルスクリーン表示」にチェックを入れておくと、
最初からフルスクリーンで起動することができます。
この設定は、「ドットのクッキリ表示」と「ドットの歪みを極力なくすこと」を優先した結果、
若干「横長」の画面となっております。
その理由など詳細につきましては、別項にて解説いたします。
[2]Mednafen作者おススメ
フルスクリーンモードの解像度は「使用するモニタの最高解像度」とします
（ここでは、例として「1280x1024」としていますが、この解像度はプルダウンメニューにないので、
直接入力しています）。
そして、「引き伸ばし表示」にチェック。
ウィンドウモードの横・縦方向拡大率はともに「3倍」以上が良いでしょう。
グラフィックオプションの「バイリニア補間」と「垂直同期を取る」は両方ともチェック。
画像フィルタは「nn2x」と直接入力します。
この設定は、バイナリーファイルに同梱されているドキュメントファイルにておススメとされているもので、
できるだけ大きく画面を引き伸ばし、生じた「ぼやけ」を画像フィルタで軽減させています。
「引き伸ばし」をしているので、[1]の設定よりは当然画面の縦横比率は自然な感じになりますが、
軽減させているとは言え、どうしても「ぼやけ」が残ってしまいます。
■MednafenでのPCエンジンのクッキリ表示にこだわる
PCエンジンには、主に2つの画面モードがあります。
横のドット数が256ドットのモードと336ドットのモードです
（もう一つ、512ドットのモードもあるのですが、採用しているソフトが
極端に少ないため、ここでは割愛いたします）。
実際には、256ドットモードを採用しているソフトが圧倒的に多く、
336ドットモードを採用しているのはごく一部、といった感じです。
具体的なソフト名を挙げると「R-TYPE Ｉ 」や「Mr.HELIの大冒険」が、336ドットモードを採用しています。
また、「ネクタリス」では、タイトルやスタート画面が256ドットモード、
ゲーム中のマップ画面が336ドットモード、と、1本のゲーム中で2つのモードを採用しています。
実機で家庭用TVに映す場合は、どちらのモードでもTV画面いっぱいに引き伸ばされて映るので、
横のドット数の違いは「細かさの違い」ぐらいにしかならないのですが、
エミュレータ上では、ドット数の違いは当然画面表示に影響が生じます。
Mednafenでは、256ドットと336ドット、どちらの画面モードであっても、
必ず指定された拡大率の画面いっぱいにドットを引き伸ばします。
そのため、バイリニア補間が初期設定では有効になっています
（あと初期設定で有効になっているのはPC-FXのみで、他全ての機種は無効になっています）。
バイリニア補間を有効にすることにより、表示ドットを均すことはできますが、
どうしても「ぼやけ」が生じてしまいます。
とりあえず、バイリニア補間をはずすだけでクッキリとした表示にはなるのですが、
今度は「ドットの歪み」が生じます。
例えば、横が320ドットの表示画面に256ドットモードのゲーム画面を表示する場合、
320÷256＝1.25 となり、実際には1.25ドットという表示は有り得ないので、
1ドット分の表示が場所によって1ドットになったり2ドットになったりと、
非常にガタガタした表示となってしまいます。
バイリニア補間なしでドットの歪みをなくすには、256ドットモードと336ドットモード、
それぞれの横のドット数の「整数倍」になるように拡大率を指定する必要があります。
ただし、Mednafenの横方向の拡大率は320ドットが「1倍」となるので、
それを基にして数値を指定しなければなりません。
256ドットモードの整数倍指定拡大率
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256÷320＝0.8 なので、0.8n倍を指定することにより整数倍となります。
336ドットモードの整数倍指定拡大率
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指定拡大率が細かい数字になっていますが、Mednafenでは、
仕様上336ドットモードは342ドットの画面として処理しているため、
「342ドット」のn倍になるように指定することにより、整数倍となります。
なお、縦方向のドット数は共通なので、拡大率は常に「整数」でOKです。
以上のことを踏まえて、歪みのないクッキリとした表示にする方法を考えてみます。
(1)ゲームごとに指定を変える
256ドットモードか336ドットモード、そのゲームで採用している画面モードごとに、
その都度指定を変えていきます。
常に歪みのないクッキリとした画面にできる方法ですが、やはり「面倒」であることと、
「ネクタリス」のように1本のゲームで両方の画面モードがあると
どちらかの歪みは回避できない点が、ネックとなります。
(2)高倍率の256ドットモードを優先させる
256ドットモードを使用しているソフトが大多数なので、そちらの倍率に
固定してしまうというのも、一つの手です。
その際は、処理落ちしない程度にできるだけ高い倍率を指定するのが良いでしょう。
例えば、1280ドット（4倍）を指定した場合、256ドットモードで歪みが出ないのはもちろん、
336ドットモードでも 1280÷342≒3.74 で、ドット幅が「3」ないし「4」ドットとなるので、
低い倍率の画面と比べるとドットの歪みもそれほど目立たなくなります。
(3)両モードに近い数値を指定する
上の2つの表を見比べると、256ドットモード・4倍の「1024」と
336ドットモード・3倍の「1026」が非常に近い数値です。
そこで、1026ドット（3.209倍）を指定すると、もちろん336ドットモードでは歪みが出ず、
256ドットモードでは、256ドット中、ドット幅が「5」になるのはわずか2ドット分のみで、
あとの254ドット分は全てドット幅が「4」と、ほとんど歪みを感じさせない表示となります。
そのため、[1]ドットクッキリ表示優先のおススメ設定例として、取り上げました。
（画面左にフレームが表示されていない場合、上の「TOP」をクリックして下さい）
