トランプ氏、米大50校で「リベラル狩り」 ハーバード反発
【ニューヨーク=西邨紘子】トランプ米政権が米国の大学に対し、政府助成金の取り消しなどの措置で圧力をかけている。学内方針を「リベラル偏向」と断じる名門大が標的だ。DEI(多様性、公平性、包摂性)施策を「逆差別」とし、全米50校の見直し対象リストも公表した。名門ハーバード大は14日、DEI施策見直しなどの政権の要求を拒絶すると表明した。
ハーバード大のアラン・ガーバー学長は14日、トランプ政権が同大...
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(更新)- 深川由起子早稲田大学政治経済学術院 教授別の視点
アメリカ版文化大革命?世界の学術ハブとして機能してきた米国のトップ大学が機能しなくなると、世界の研究者交流にも甚大な影響が出ます。真っ先に欧州が手を挙げ、優秀な研究者の「頭脳流出」獲得に余念がないのに、この同盟国は何をしているのか。その場しのぎの対国民給付を考えるより、ずっとわずかな資金で優秀な人をかき集められ、若い研究者たちの共著論文の量産環境を作る絶好の機会。中長期には必ずペイします。欧州はおろか、アジアにも劣後しないようにしなければ。
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(更新) - 佐藤一郎国立情報学研究所 教授別の視点
遅れてのコメントなので、別の視点を提示しておきます。助成金削減の対象となったアイビー・リーグに含まれる大学の大半は、プロテスタント聖職者の養成学校として建学されています。さてトランプ支持層に多いとされる反知性主義ですが、その背景にはプロテスタント聖職者への反発があります。この観点からみると、この助成金削減はプロテスタント聖職者を養成してきた大学を狙い撃ちにしているともいえます。仮にそうであれば、これは現トランプ政権の特質というより、さらに根が深いといえます。 なお、米国の歴史と反知性主義の関係については、R・ホーフスタッター著『アメリカの反知性主義』で詳述されています。
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(更新) - 前野隆司武蔵野大学ウェルビーイング学部長/慶應義塾大学名誉教授分析・考察
私も大学研究者ですが、学問とは、知恵と知識を駆使して最も確からしいことを少しずつ積み上げていく活動であり、人類の叡智の集積です。これが政治的に歪められてはなりません。私も所属していたことのあるハーバードが不条理に屈しなかったことを尊敬するとともに、他の大学も常に学問の原点に立ち返り、最も確からしい選択をすることを願います。 確からしくないフェイクが溢れる現代社会だからこそ、制作コストの低いフェイクよりもはるかにコストの高い、確からしい叡智の集積がより一層必要になっており、だからこそ大学は政治的なディールからの独立を維持すべきです。
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(更新) - 菅野暁東京大学 理事(CFO)分析・考察
ハーバード大学は反ユダヤ主義への対応について、大学としての反対は明確にしていませんでしたが、先週金曜日に重ねて出された入試方針の変更やDEI政策の撤回などの政府の介入に対しては、学長名で大学自治を守るとキッパリ反対を表明しました。今回のレターは前回の60校に加えて50校が対象となっていて、前回リストになかったMITが入るなどより広範な大学が標的となっています。既にプリンストン大学の学長が、全米の大学が協調して政府の介入に反対の声をあげるべきと呼びかけており、大学間の連携の動きが広がると思います。補助金や政府からの委託研究費をストップするという脅しとの我慢比べですが、これは非常に不毛な対立です。
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(更新) - 石原純インペリアルカレッジロンドン 講師ひとこと解説
イギリスの私の大学にアメリカからの応募が殺到しています。ヨーロッパでは特別予算を組んで取り込む動きがあります。日本は年度などの問題もあるとは思うのですが来年の4月では遅いので早く帰国する日本人などを獲得すべきです。 アメリカはサイエンスに関して世界のほぼ1強として君臨してきました。世界から若いタレントを惹きつけ、彼らがスタートアップなりアメリカ人の教育をすることで富を生み出してきました。 DEIやユダヤなどサイエンスとほぼ無関係なことで科学者が憂き目にあっている状況です。
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(更新) - 福井健策骨董通り法律事務所 代表/弁護士・ニューヨーク州弁護士分析・考察
母校でもあるコロンビア大の判断と、あの内外の人々で賑わっていたキャンパスの今の姿を見て、小島先生と同じ気持ちです。 それ以上に、75%の研究者が国外移住を考えているというデータは、世界をリードして来た米国の研究開発にとって決定的な影響を与えかねませんね。 英国THEが発表した最新の世界大学ランキングでも、トップ10は米英大が独占でした。私はこうしたランキングにはやや批判的ですが、米国の大学が活力に満ちた、魅力的な「場」であったことは疑い得ません。「場」の魅力と安定感への研究者たちの不信・不安は容易には戻らない。今後、世界的な研究者獲得の競争で米国は欧州などの後塵を拝する可能性がありますね。
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(更新) - 村上芽日本総合研究所創発戦略センター チーフスペシャリストひとこと解説
3月31日、2000人近い米国の科学者らが、国に対して、学問を後退させるような行いを止めるよう、公開書簡を出しています。署名入りです。筆者は米国人の友人からそのニュースを聞きましたが、これは学者に限らず、アメリカで現政権への無力感を感じ始めていた層に対し「レジスタンス」の気持ちを思い出させるインパクトがあったようです。投資や消費行動に表すのも重要です。ただいずれにしても、研究者個人レベルでみれば、コロナではありませんが「今、この政権1年目」に自分が研究の何年目でどの立場にいるのか、それによって大きく人生が左右されることは確か。選択肢のある人が実際どのくらいいるのかと思います。
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(更新) - 小島武仁東京大学 マーケットデザインセンター所長ひとこと解説
コロンビアに1年間客員助教授として滞在して記事の写真にある門をいつも通っていました。まさかこんな物々しい検問ができるなんて、悲しさでいっぱいです。 そんな中、ハーバードが声を上げたことを嬉しく思います。ガーバー学長が今朝卒業生等に送ってきたメールでは、強い口調で政府の要求は反ユダヤ対策(締め付けの口実)とは関係ないものであり大学を思い通りに管理するのが目的であること、そしてハーバードはこれを拒絶することなどが述べてありました。この宣言を歓迎します。 とはいえ昨今の状況を見るに、彼らが戦い抜けるかはとても心配しています。ここまであからさまな独裁者ムーブには声をあげていかねばなりません。
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(更新) - 高橋徹日本経済新聞社 上級論説委員・編集委員分析・考察
これが自他共に認める「民主主義陣営の盟主」だった米国のなれの果てか、と慄然とします。民主主義下での権力者には、2つの前提条件が必要です。ひとつは「権力奪取の正統性」、もうひとつは「権力行使の正当性」です。自由で公正な選挙で選ばれたトランプ氏は前者を満たしますが、後者に関しては限りなく0点に近いでしょう。その勘違いをただすのはやはり選挙ですが、中間選挙は1年半、大統領選に至っては3年半も先です。
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2025年1月20日(現地時間)にドナルド・トランプ氏が再びアメリカ大統領に就任。政権の行方など最新ニュースや解説を掲載します。