この記事では、次のような疑問や悩みに答えます。
- レトロゲームのエミュレータである「RetroArch」の使い方が知りたい。
- 「RetroArch」のおすすめのコアが知りたい。
レトロゲーム(ファミコンやPlayStationなど)をプレイするためのエミュレータには様々なものがあります。
その中でも本記事では、エミュレータアプリ「RetroArch」の使い方やおすすめのコアを紹介します。
「RetroArch」は、ファミコンやPlayStationといった複数のゲーム機のゲームを動かせるエミュレータアプリ(ソフトウェア)です。
「RetroArch」があればファミコン用のエミュレータやPlayStation用のエミュレータを個々にインストール・設定する必要はなく、「RetroArch」だけでいくつものゲーム機のゲームを統一的な操作で遊べます。
本記事では、Android版をベースに紹介しますが、アプリの使い方やおすすめコアなどWindows版やLinux版、Mac版、iOS版にも共通する内容が多く、参考にして頂けます。
「RetroArch」とは
「RetroArch」とは、フリーかつオープンソースで開発されているゲームエミュレータです。
ファミコンやスーパーファミコン、ゲームボーイ、ゲームキューブ、Nintendo64、NintendoDS、PlayStation、PlayStation2、PlayStationPortable、セガサターンなど70を超えるゲーム機に対応しています。「RetroArch」という一つのアプリで統合的に扱えるため、操作感の統一や管理の一元化が可能となります。
ファミコンなどのゲーム機をコアという単位で扱っていて、例えば、ファミコンをプレイしたい場合はファミコンのコアをダウンロードし、そのコアを使ってファミコンをプレイするという形になります。
「RetroArch」には、Windows版、Linux版、Mac版、iOS版、Android版などが用意されていて、様々なOSで使用できます。
詳細は以下の公式ページでも確認できます。
Android版「RetroArch」のインストール方法
Android OSに「RetroArch」をインストールする方法を紹介します。
インストールする方法は大きく以下の2通りあります。
・Google Play Storeからインストール
・APKファイルからインストール
難しい操作は避けたいという方は、「Google Play Storeからインストール」がおすすめです。ただし、APK版でのみ選択できるコアがあるといった情報もありますので、その場合はAPKファイルからのインストールも視野に入れてもらえればと思います。
Google Play Storeからインストールする方法
こちらの方法はとても簡単です。
Android端末から以下のGoogle Play Storeにアクセスし、アプリをインストールします。
※RetroArch Plusの方が、RetroArchよりも対応するコアが多いようです
APKファイルからインストールする方法
こちらの詳細は割愛しますが、基本的には以下の手順でインストールできます。
公式サイトなどから「RetroArch」または「RetroArch Plus」のAPKファイルをダウンロードします。ダウンロードしたAPKファイルをAndroid端末で実行し、インストールを行います。
「RetroArch」の事前準備、設定
「RetroArch」で行うべき事前準備や設定を紹介します。
インストールが完了すると、「RetroArch」のアイコンがAndroid端末のホーム画面に表示されます。
「RetroArch」を選択し、起動します。
初めて起動したときには、以下のアクセス許可に関するダイアログが表示されますので、「許可」を選択します。
「RetroArch」の画面が表示されます。
これで「RetroArch」を使える状態となりました。
ここからは、インストール後に実施すべき設定を紹介します。
各種データの更新
各種データを最新の状態にするために、更新を行います。
ホーム画面(右の家形のアイコンを選択して表示される画面)の「オンラインアップデータ」を選択します。
画面下にスクロールすると表示される「コア情報ファイルを更新」〜「GLSLシェーダーを更新」までの7つを順番に選択し、更新を行います。
コアのダウンロード
コアのダウンロードを行います。
「RetroArch」では、ファミコンなどのゲーム機をコアという単位で扱っています。例えば、ファミコンをプレイしたい場合はファミコンのコアをダウンロードし、そのコアを使ってファミコンをプレイするという形になります。(遊びたいゲーム機のコアをここでダウンロードしておく必要があります。)
ホーム画面(右の家形のアイコンを選択して表示される画面)の「コアをロード」を選択します。
「コアをダウンロード」を選択します。
ダウンロード可能なコアの一覧が表示されます。
一覧の中から必要なコアを選択し、ダウンロードします。
コアのダウンロードが完了すると、右端に [#] マークが表示されます。
もちろん複数のコアをここでダウンロードできます。
おすすめのコアについては、こちらにまとめています。
BIOSファイルの配置(必要な場合あり)
コアのダウンロードを実施しましたが、ゲーム機によっては、コアだけではゲームが起動しません。
例えば、ファミコンの場合はコアをインストールするだけでゲームのプレイが可能ですが、セガサターンの場合はコアをインストールするだけではゲームをプレイできません。セガサターンの場合はコアに加えてBIOSの配置が必要になります。
コアだけでは、以下のように「コンテンツのロードに失敗しました」と表示され、ゲームが起動しません。
BIOSは決まった場所に決まったファイル名で配置することが求められます。
セガサターンであれば、「/RetroArch/system」フォルダに「saturn_bios.bin」というファイル名でBIOSファイルを配置します。(BIOSは実機からの吸い出しが必要になります。ここでは詳細は割愛します。)
BIOSファイルを配置すると、見事にゲームが起動しました。
BIOSファイルの要否やファイル名については、こちらにまとめています。
コントローラのボタン割り当て
端末に接続しているコントローラの各ボタンに対して、割り当てをします。
(最初から正しく割り当てられている場合もあります。その場合は本設定は不要です。)
設定画面(右の歯車形のアイコンを選択して表示される画面)の「入力」を選択します。
「レトロパッドの割り当て」を選択します。
「ポート1コントロール」を選択します。
「すべてのコントロールを設定」を選択します。
※これにより、コントローラの各ボタンの割り当てを一度に行えます
下の画像のように「十字キー 右」ボタンを押すように求められます。
色々なボタンを押すように連続して求められるので、画面に従ってボタンを押していきます。全てのボタンの割り当てを行うと完了します。
ボタンの割り当てを一部間違ったり、個別で割り当てたい場合は、下の画像のように特定のボタンの割り当てを個別に行うことも可能です。
これで、「RetroArch」内でコントローラのボタンが正しく動作するようになります。
メニュー表示用のボタン設定(割り当て)
ゲームをプレイ中にメニューを表示するためのボタンを設定(割り当て)します。
メニュー表示のボタンを設定することで、ゲーム中に割り当てたボタンを押してメニューを表示し、ゲームを中断したり、再開したりと様々な操作ができるようになります。
設定画面(右の歯車形のアイコンを選択して表示される画面)の「入力」を選択します。
「ホットキー」を選択します。
「メニュー切り替え(コントローラー同時押し)」を選択します。
デフォルトは「なし」になっていますが、ここでゲームプレイ中にメニューを表示するためのキーを設定できます。
個人的にはスタートボタンとセレクトボタンを同時に押した時にメニューを表示するように設定しています。
設定した内容を保存する
これまでボタンの割り当てなど設定を行ってきましたが、これらの設定を保存する必要があります。
以下の2つの保存方法がありますので、どちらかを必ず実施するようにしてください。(保存せずに強制的に「RetroArch」を終了した場合は、設定が戻ってしまいます。)
・ホーム画面(メインメニュー)の「終了」を選択して「RetroArch」を終了する
※終了時に設定を保存するとなっている場合(デフォルトはそうなっているはずです)
・ホーム画面(メインメニュー)の「設定ファイル」>「現在の設定を保存」を選択して、設定を保存する
「RetroArch」の使い方(ゲームの遊び方)
「RetroArch」で、ゲームをプレイする方法を紹介します。
事前に説明した通り、遊びたいゲーム機のコアのダウンロードや必要に応じてBIOSが配置されている必要があります。また、ゲームのロム(ROM)ファイルは各自で用意します。
※用意したロム(ROM)ファイルをAndroid端末にコピーしておきます
ホーム画面(右の家形のアイコンを選択して表示される画面)の「コンテンツをロード」を選択します。
ロム(ROM)ファイルのある場所を選択ます。
※microSDカードに保存している場合は、「/storage/CAB9-D36E」のように表示されているフォルダを選択します。ただし、「CAB9-D36E」と表示されている部分は環境によって異なります
ロム(ROM)ファイルの置いているフォルダまで移動したら、ロム(ROM)ファイルを選択します。
「RetroArch」がコアを1つに絞り込めなかった場合は、以下のようにどのコアで起動するか尋ねられます。適切なコアを選択します。(今回であれば、「MH3.iso」はPSPのロムなので、「Sony – PlayStation Portable (PPSSPP)」を選択します。)
ゲームが起動します。
他のゲーム機についても、同様の手順でゲームをプレイできます。
「RetroArch」のおすすめコア
「RetroArch」でダウンロードできるコアは多数あります。どのコアを使ったら良いのか迷うこともあると思いますので、ここではおすすめのコアを紹介します。(ゲーム機の中で需要の多そうなものに絞り込んでいます。)
また、BIOSの要否と配置する際のファイル名についてもあわせて記載しています。(基本的には「/RetroArch/system」フォルダにBIOSファイルを配置すれば良いですが、特殊なBIOSの配置が必要な場合は、表の下に注釈にて説明を記載します)
ゲーム機 | コア名称 | BIOS | ||
要否 | ファイル名 | |||
任 天 堂 | ファミコン | Nintendo – NES / Famicom (Nestopia) | 不要 | – |
ディスクシステム | Nintendo – NES / Famicom (Nestopia) | 要 | disksys.rom | |
スーパーファミコン | Nintendo – SNES / SFC (Snes9x) | 不要 | – | |
ゲームボーイ(カラー) | Nintendo – Game Boy / Color (Gambatte) | 不要 | – | |
ゲームボーイアドバンス | Nintendo – Game Boy Advance (mGBA) | 不要 | – | |
ニンテンドーDS | Nintendo – DS (DeSmuME) | 不要 | – | |
ニンテンドー3DS | Nintendo – 3DS(Citra) | 不要 | – | |
Nintendo 64 | Nintendo -Nintendo 64 (Mupen64Plus-Next GLES3) | 不要 | – | |
ゲームキューブ | Nintendo – GameCube / Wii (Dolphin) | 不要 | – | |
Wii | Nintendo – GameCube / Wii (Dolphin) | 不要 | – | |
Wii U | サポート対象外 | – | – | |
Nintendo Switch | サポート対象外 | – | – | |
S O N Y | PlayStation | Sony – PlayStation (PCSX ReARMed) | 不要 | – |
PlayStation 2 | Android版はサポート対象外 | – | – | |
PlayStation 3 | サポート対象外 | – | – | |
PlayStation 4 | サポート対象外 | – | – | |
PlayStation Portable | Sony – PlayStation Portable (PPSSPP) | 不要 | – | |
PlayStation Vita | サポート対象外 | – | – | |
S E G A | メガドライブ | Sega – MS/GG/MD/CD (Genesis Plus GX) | 不要 | – |
ゲームギア | Sega – MS/GG/SG-1000 (Gearsystem) | 不要 | – | |
メガCD | Sega – MS/GG/MD/CD (Genesis Plus GX) | 要 | bios_CD_J.bin | |
セガサターン | Sega – Saturn (YabaSanshiro) | 要 | saturn_bios.bin | |
スーパー32X | Sega – MS/GG/MD/CD/32X (PicoDrive) | 不要 | – | |
ドリームキャスト | Sega – Dreamcast / Naomi (Flycast) | 不要 | – | |
N E C | PCエンジン | NEC – PC Engine / CD (Beetle PCE FAST) | 不要 | – |
PCエンジンスーパーグラフィックス | NEC – PC Engine / SuperGrafx / CD (Beetle PCE) | 不要 | – | |
SUPER CD-ROM2 | NEC – PC Engine / CD (Beetle PCE FAST) | 要 | syscard3.pce | |
PC-FX | NEC – PC-FX (Beetle PC-FX) | 要 | pcfx.rom | |
その他 | ワンダースワン(カラー) | Bandai – WonderSwan/Color (Beetle Wonderswan) | 不要 | – |
ネオジオ | Arcade (FinalBurn Neo) | 要 | neogeo.zip | |
ネオジオCD | SNK – Neo Geo CD (NeoCD) | 要 | 表下(※1)参照 | |
ネオジオポケット(カラー) | SNK – Neo Geo Pocket / Color (beetle NeoPop) | 不要 | – | |
Xbox | サポート対象外 | – | – | |
Xbox 360 | サポート対象外 | – | – | |
P C | X68000 | Sharp – X68000 (PX68k) | 要 | 表下(※2)参照 |
MSX | Microsoft – MSX (fMSX) | 要 | 表下(※3)参照 | |
PC98 | NEC – PC-98 (Neko Project Ⅱ Kai) | 要 | 表下(※4)参照 | |
FM-TOWNS | Multi (MESS) | 要 | 下表(※5)参照 | |
(※1) 「/RetroArch/system」フォルダの下に、「neocd」フォルダを作成し、作成した「neocd」フォルダの下にBIOSファイル「neocd.bin」または「uni-bioscd.rom」を配置する (※2) 「/RetroArch/system」フォルダの下に、「keropi」フォルダを作成し、作成した「keropi」フォルダの下にBIOSファイル「iplrom.dat」と「cgrom.dat」を配置する (※3) 「/RetroArch/system」フォルダの下に、BIOSファイル「MSX.ROM」と「MSX2.ROM」、「MSX2EXT.ROM」、「MSX2P.ROM」、「MSX2PEXT.ROM」を配置する ※フロッピーディスクイメージの場合は「DISK.ROM」も配置が必要 (※4) 「/RetroArch/system」フォルダの下に、「np2kai」フォルダを作成し、作成した「np2kai」フォルダの下にBIOSファイル「font.bmp」と「FONT.ROM」、「bios.rom」、「itf.rom」、「sound.rom」を配置する (※5) かなり複雑なのでここでは説明を割愛します(以下のサイトが参考になります) https://www.reddit.com/r/RetroArch/comments/v085s0/guide_how_to_play_fm_towns_cd_games_with_mame_core/ |
その他のおすすめ設定
その他のおすすめの設定を紹介します。
ここで紹介する設定は人によって便利でない場合もありますので、取捨選択していただければと思います。
決定ボタンとキャンセルボタンを入れ替える
「RetroArch」のデフォルトでは、ABXYボタンの下ボタンが「決定」、右ボタンが「キャンセル」になっています。これを入れ替えられます。(右ボタンが「決定」、下ボタンが「キャンセル」という操作に慣れている方は入れ替えをおすすめします)
「設定」>「入力」>「メニューコントロール」 に移動します。
「決定/キャンセルボタンの入れ替え」をOFFにします。
これで決定ボタンとキャンセルボタンが入れ替わりました。
画面に表示される仮想ボタンを消す
デフォルトではゲームプレイ中の画面に仮想コントローラのボタンが表示されます。コントローラで操作する場合はこの仮想ボタンは不要な場合が多く、邪魔になります。
仮想ボタンはゲームプレイ中に非表示にもできるのですが、毎回ゲームを起動する度に非表示にするのは手間です。ここでは、常に仮想ボタンを非表示にする方法を紹介します。
「設定」>「ユーザーインターフェース」>「OSDオーバーレイ」 に移動します。
「オーバーレイを表示」をOFFにします。
これでゲーム中に表示されていた仮想ボタンが表示されなくなります。
まとめ
本記事では、エミュレータアプリ「RetroArch」の使い方やおすすめのコアを紹介しました。
最低限の事前準備や設定、ゲームの遊び方、おすすめコアなどを紹介しました。今回紹介した範囲は基本的な部分なので、まずは遊んでみるということに主眼を置いています。
「RetroArch」にはまだまだ便利な設定や使い方もありますので、慣れてきたらそれらにも挑戦してみてください。
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