第七話
あれからもしばらく修行を続けた。最早マーマンはリーダー含めても苦戦する事なく勝てるようにもなり、結果あの足場を利用しての水上戦闘もこなせるようになってアクアサーペントとも苦戦はするが倒せんようになった。
それから人間相手も何度か戦った。…というかあいつらしつこすぎる。ただのカーバンクルの色違いだと思ってるのか戦士のみのパーティーの奴らが俺を発見してからは、尚のこと酷くなった。
幸いな事にその時は逃げられたが、その後は粘着されてまともに休めなかった。
しかもあいつらの仲間らしき奴らも俺に粘着してくるからなおのこと腹立たしい。
…だから俺も流石に我慢の限界だった。人を殺す事に何の躊躇いも無いが復讐とか言われて、狙う奴が現れるのもめんどくさいと思っていたがあまりにしつこすぎる。
これから復讐という俺が原因の理由ならまだ我慢できた。だが俺はただ金の為に命を狙う輩は本当に嫌いだ。
その為に俺は…奴らを全滅させる事にした。だが下手に全滅させると俺に懸賞金がついてしまうかもしれない。
だから徐々に削って、焦ったせいで事故を起こして全滅したかのように見せる。
その為に俺は、追いかけてきたやつをモンスターの群れにぶつけたり、同階層に来たアンフィスバエナをぶつけてから邪魔をして殺したりと事故に見せかけた。
そうしたらアイツらも仲間をやられた恐怖と、焦りで意地になっていた。
何せ奴らはカーバンクルを戦闘のできない気弱なモンスターだと思っている。だから囲んで戦えば容易に勝てると思ってる。
だからこそ…。
「ようやく追い詰めたぞ‼︎」
「散々手こずらせやがって」
「ここでアイツらの仇を打ってやる‼︎」
「覚悟しろよ白毛玉が‼︎」
わざと見つかって、あの小物冒険者が追いかけれる程度に逃げて他の奴らの仲間にも見つかってを繰り返せば、周りに仲間がいるという安心感とここで逃げれば孤立するという強迫観念からスタミナ切れを除けば追いかけなければならないだろう。
しかし、それがこいつらの命取りになる 。
「へへっ、もう逃げられねーぞ」
「逃げ場のない壁際に逃げちゃうなんて、残念だったな。」
「安心しろよ。その額の秘晶は俺たちが友好的に使わせてもらうからな〜」
「それにしても本当に真っ白で可愛いわね。モンスターじゃないならペットにしたかったわね」
うん、にしても小物くさいな。数は多いけど強さはそこまでで、レベル2と3の混合。一番強いのは奥の方でニヤけながらこっちを見ている細身の男だ。
持っているのは、剣だから近接主体っぽいが魔法剣士の可能性もあるから警戒しておこう。
さて、初めて直接手を下すが…どんな感慨を抱くのかな?
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俺たちは、そこらの中堅ファミリアだ。ゼウスファミリアやヘラファミリアは言うに及ばずオシリスファミリアやセベクファミリアなんかにもはるかに劣る。
それでも俺たちならカーバンクル程度なら余裕で倒せるはずだ。たとえ変異種だとしてもレベル五を超えることもないはずだった。
まぁ、主神が歓楽街で金を貢ぎすぎて借金したのも理由だったのだが。
そう容易に勝てるはずだったのだ。
なのに…。
「ぐわーー‼︎」
「なっ何なんだよこいつはー‼︎」
グシャッ
「助けー」
ザシュ
「何なんだよ…」
そう勝てて当然のはずだ。数も武力も圧倒的で頭もいる。
なら、勝てるはずなんだ。なのに……。
俺の前には惨劇が巻き起こっていた。あのカーバンクルを壁に追い込んで包囲して攻撃を仕掛けたら、アイツは魔力壁を張った。
これは予想通りだった。予想外だったのは…そのまま奴が突進してきたんだ。そのせいで何人かが吹っ飛ばされて床に叩きつけられたり、他の奴らともみくちゃにされたり、酷い奴だと水晶に串刺しにされた。
あまりの出来事に俺たちは動揺した。何せカーバンクルは攻撃をほとんどしない。したとしても引っ掻く程度の反撃しかしないからレベル2とか3ならまず痛くない。
なのにアイツは結界を張って突進なんて攻撃で反撃してきた。
そこからは酷い物だった。雑兵の俺たちがいくら攻撃してもドーム型の魔力壁で防御されてぶっ飛ばされる。幹部達が攻撃したら板状の魔力壁。いや、あれは結界とも言える能力で防御される。
しかも素早い動きで攻撃は回避しつつ、爪や牙で俺たちの急所を確実に殺す。それにこいつ確実に知能がある。
だってアイツが優先的に狙うのは動きの速い奴と魔法とかの遠距離攻撃手段のある奴らだ。
そうして俺たちは徐々に人数を減らされ、回復しようとすればポーションを割られて回復もできずに確実に殺された。
頭を除いて。