水辺遍路

訪れた全国1万1,550の池やダムを独自の視点で紹介

日咩坂鐘乳穴「神の池」と、水深32mの巨大地底湖(岡山県新見)

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ご神体として崇められた地底湖

神の池は日咩坂鐘乳穴の地底湖のうち、入口近くにある。入洞口には、日咩坂鐘乳穴神社が鎮座。鍾乳洞と神の池そのものがご神体になっている。
さらに奥に1600mも進んだ終点に水深32mの巨大地底湖があることが調査で判明。
岡山県指定天然記念物。見学には入洞届けが必要
2020年現に訪れた際は事故多発により当分の間、入洞禁止になっていた。じつはここ、2008年に発生した謎多き迷宮入り事件でもある「岡山地底湖行方不明事件」の現場。入洞口の位置特定と写真を撮って撤収。
神社に駐車スペースとトイレあり。
以下、現地の案内板より。

「秘坂鐘乳穴<日咩坂鐘乳穴>(ひめさかかなちあな)」
  県下でも屈指の巨大な洞口と千六百mの長さを誇る裂か型の吸い込み穴。深さ百m近いドリーネの急坂を下りていくと、高さ十五m・幅七mの巨大な洞口がひんやりとした冷気を漂わせている。従来奥行きは七百mの神の池までとされていたが、調査の結果千六百mにも達する巨大なものであることが判明した。 最終地点は水深三十二mの地下の巨大な湖であった。 この湖の水は豊永佐伏の住民の生活の源泉である「湧きあがり」に流出している。
  鍾乳洞の歴史は古く、神の住むところとしてあがめられてきた。この鍾乳洞をご神体とした日咩坂鐘乳穴神社は、「延喜式」にも記された古い神社で、記録によると洞内から石鍾乳(いしのちち)という薬種を産出したという。
(新見市教育委員会)


 

日咩坂鐘乳穴神社

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入洞口への入口

この斜面を下るのかあ。一応、穴だけでも見たいと思い進もうとするも、ちょっと進むとヤブ漕ぎ状態だったのであきらめた。
正確な位置をマークアップできたのが、せめてもの収穫。

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周辺案内マップ

なんとなく地形のイメージは掴めるかも。

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Google マップ

入洞口入口の正確な位置へマークを移動。

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  • 市原 千尋 (id:cippillo)

    次郎さんは探検部所属でしたか。筋金入りですね。鍾乳洞の疑惑事件の真相への謎解きから、人類の進化と水辺の相関関係へと、壮大なスケールの展開を楽しく読ませてもらいました。
    全員グルで被害者は洞窟に入っていないという説・・言われてみて、ナルホド!

  • 次郎

    こんにちわ。長投稿でご迷惑かける次郎です。
    地底湖の御神体……私は自衛隊を除隊後に大学の探検部へ所属したので、こういうのは大好きです。ですが……
    あ、あの地底湖でしたか……。戦慄…。
    やはり大学探検部の事故でしたね。一説には殺人事件とも言われる。ご遺体は未だ出てきてない。かなり気味の悪い事件です。
    ただ……あくまて私見ですが、あれ事故ではなく「仲間に支援された自発的失踪」と私は考えています。
    私は医療の仕事につく前に色々とあって、借金のキリトリ(回収)をやったり、逆に「夜逃げ手伝い屋」やったりもしました。叔父が日本最大手の探偵社の役員ですから、失踪人の追跡もやってるんです。そこから想定すると……
    ①そもそも全員がグルで、被害者は洞窟に入ってない。
    ②何らかの理由で被害者(実は被害でない)は姿をくらます必要があった。
    このような想定ならば、未解決事件を捏造できます。
    世の中には、例えば……親がカルト宗教の信者で、信仰によって縁談や医療放棄などを強要されるケースがあります。脱出する為に裏社会に通じたケースワーカーの力を借りた例を知ってます。
    数はすくないものの、昭和の常識は平成の30年で綻んでおり、上記のような「稀有なレアケース」は珍しくなくなってきています。
    ただ、御神体でもある神様(それも恵みを司る水辺の神様)を利用するのは忸怩たる思いがありますがを
    しかし……管理人様は本当に水辺の流浪記録者ですね。
    幅が広いです。基本的に日本人の多くは稲作民の子孫ですから、やはり「水辺」というのは心に残るですね。
    そもそも人間に快適な空間は、水辺に近く背後に丘や山のある地形です。これは風水と一致しますが。
    狩猟の獲物の水場があり、植生が多様で食糧になる物が多い(ex蒲の根は炭水化物を含み麺に似る)、
    肉食獣に追われた時に、水に入ると臭跡が消せるし、
    深みなら狼や野犬も牙が使えない(顎口は気道でもあるから)などなど、人は「水辺」に親和的です。
    新生児を温水プールに入れると「泳げる」事が知られています。これは一説ですが、ヒト科が二足歩行へ移行したのは水辺と関係あると言います。
    海岸線に住んていた猿人が、熱波で体を冷やす為に海へ 
    入り、浮力で自由になった上半身(特に両手)を使うことを覚えたからだとか。
    管理人さんの写真(これも素晴らしい)や紀行文に、
    心惹かれるのは、そうした太古の祖先の血が誘うからかも知れません。では。