第7回【戦場の風】ゲームブックリプレイ
※ここから先はゲームブック【戦場の風】のネタバレを含んでいます。ご注意ください。
ぜろです。
ゲームブック「戦場の風」のプレイを続けています。
戦場に取り残され、なおも戦おうというコーデリア王女を無事に離脱させるため、王命を受けて旅立った主人公。
ウォードレイクとの遭遇。牛飼いジェイコブとの出会いと別れ、聖騎士の配下だった兵士アンドロの同行。
そしてついに聖堂で、コーデリア王女に会うことができました。
しかし、王女は戦いをやめるつもりはありません。主人公リオンは、いかにして彼女に撤退の判断をしてもらえば良いのでしょうか。
……前回と、主人公の名前を変えただけでまったく同じあらすじなのでした。
【リオン 技術点10 体力点11/20 運点9】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料0
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
・黒いコイン
●アタック05-2 リオンと司祭
俺は、コーデリア王女の密偵から、王女の所在を聞き出した。聖堂にいる、と。
聖堂の司祭に合言葉を伝え、王女のもとへ案内してもらおう。
「ひとつだけ、いいですか」
コーデリア王女が潜伏する地下への階段を下りようとした俺に、司祭が質問を投げかけてきた。
「この戦い、大勢は決したように思えます。それなのに、あなたがたはずいぶん勝敗にこだわっているように思えます。あなたはなぜここへ来たのですか?」
・最悪の負け方を避けるため
・いつか勝つため
ここだ。
前回俺は、「いつか勝つため」を選択した。
しかし、選ぶ前からしっくりこなかったのだ。
なぜならそれは、司祭の言う「勝敗にこだわる」の回答になっていないと思われたため。
俺こそが勝ちにこだわっているようにしか見えない。
それになにより、俺は本当に「いつか勝つ」ことに主眼を置いているのか。
そうではない。最悪の負け方を回避するための方が、俺の任務として正しいのではないか。
これは、4人目の挑戦者ウォーレンと、王女とのやり取りを見ていて、ますます感じるようになった。
王女が捕虜になるという最悪の展開。最悪の負け方を避けるために、俺はここにいるのだ。
そう。最悪の負け方を回避するために。
「そうですか」
司祭は、俺の言葉をかみしめるように目を閉じた。
「私たちは立場上、戦の手助けをすることはできません。ですが彼女は……コーデリアは、私の教え子でもあります。彼女は勝ちたいと思うあまり、道を踏み外そうとしています」
展開が……変わった!
コーデリアの神学の師。それがこの司祭であった。
「本当に打ち勝つべき相手は目の前の敵ではありません。あなたはそれをすでにわかっておられるようだ」
うんうん。わかっているとも。
4人目のウォーレンが、思いっきりわからされたからね。
本当に打ち勝つべき相手は、敵ではなかった。能力値など、何の役にも立たなかった。
「私は、セロと申します」
司祭は、名乗った。
そうね。コーデリア王女の神学の師が無名のままってのもね。
そして、この名乗りを受けたことで、また展開が変化する要素が生じた。
セロの名を告げるべきと思ったところで、パラグラフジャンプができるようになったのだ。
これは王女の説得に生かせるに違いない。
セロの名前とアンドロの言葉。
王女の説得に使える材料が増えていく。
有効に活用したいものだ。
●アタック05-3 リオンと金牛の丘
ついにコーデリア王女に会うことができた。
地下の一室に、王女はかくまわれるように、いた。
傷つきつつも、気概は十分な兵士たちが、王女を守っている。
俺は王の使いであることを伝え、王の言葉「援軍はない。撤退せよ」を伝えた。
「陛下は、この戦の場にいないからわからないのです。たとえ援軍がなくても、私たちは……誇りのため、正義のため、命ある限り戦わなければなりません。ドラッツェンの横暴に屈してはならないのです!」
コーデリア王女は一歩も退かない。
王女の辞書には退却の文字はない。俺が書き込まなければならない。
兵士たちも、コーデリア王女の言葉に感化され、えいえいおーモードに入ってしまった。
・黙って成り行きを見守る
・口を挟み、彼らを止める
もう、黙ってらんない。
おくち、挟ませていただきます。
「なぜ止めるのですか? 戦うべきではない理由があるとでも?」
それがあるんだよ。それを今から説明してやる。
・ドラッツェン軍の狙いは、この土地だ
・ドラッツェン軍の狙いは、コーデリア王女だ
さて、この選択肢だが。
俺は前回、「コーデリア王女が狙いだ」とぶちあげた。
話を聞いた王女はショックを受けてブルっていた。
しかしそれでも、自分の考えは曲げなかったのだ。
だから次は、ちょっと目先を変えてみる。
・ドラッツェン軍の狙いは、この土地だ
「そんなことは、わかっています。だから我々はこの地の民を守るために……」
いーや。わかってないね。
もっと言えば、ドラッツェン軍の狙いは土地というよりも、牛だ。
この金牛の丘。牧草地の牛が必要なのだ。
コーデリア王女がきょとんとしている。
よし。目先を変えさせることに成功したぞ。
だが、この話を納得のいくように着地させなければならない。
牛は、ドラッツェンが誇る軍用ウォードレイクの、餌となる。
だから土地を獲得しても、彼らは民を従わせこそすれ、危害を加えたりはしない。
民たちにとっては、上が変わるだけだ。
「つまりドラッツェンは、軍事的な利用価値として、この土地と牛を欲している、と」
王女が聡明な人で助かった。
そういうこと。それが、ドラッツェンがこの「金牛の丘」に侵攻した理由だ。
そしてそこに指揮官として王女が来たことで、ドラッツェンにしてみたら、一石二鳥の状況になった。
なにしろ、王女の身柄を確保さえすれば、ロング・ナリクに対していくらでも優勢な立場で交渉ができるのだからな。
王女の表情が、みるみる深刻なものへと変化していくのがわかった。
これでようやく、王女と兵士のいけいけドンドンモードを、多少は落ち着かせることができたぞ。
●アタック05-4 リオンの残念な結末
「……ですが、それでも、私はここで、戦わなければならない理由があります」
王女は、熟慮のすえに、それでも戦うと発言した。
「私が退くわけにはいかない理由が、あなたにはわかりますか?」
きた。ついにここまできた。
ここの選択を、この運命を変えるために、俺はリオンとしてプレイしてきたのだ。
示された選択肢は、以下である。
・ロング・ナリクの民を守るため
・王族としての誇りが撤退を許さないから
・現実を見ず、理想に殉じたがっているから
このうち、「王族としての誇りが撤退を許さない」を選んだら、王女がその発言に同調し、戦意を鼓舞する方に変わってしまった。
「民を守るため」はすでに前提が崩れている。ドラッツェンの目的はこの地を軍事利用することにある。占領ではなく、統治の意思もあると見て良い。
だから俺は現実を突きつける。
前回は悩んだ末に選ばなかったことを言い放ってやろう。
勝ち目のない戦いに挑むのは、誇りでもなんでもない。
すべての戦いで、撤退は絶対に許されないのか。
そんなわけがないだろう。
戦いに勝てないならば、一兵でも多く帰還させる。
それだって指揮官のすべきことだ。
自分の理想に殉じることを兵士たちに強いるのは、集団自決と何が違うというのか。
もう、言いたい放題だ。
そして、これだけのことを言い放てば、いきり立つのは王女ではなく、周囲の兵士たちだ。
「不敬だぞ! たかが伝令が、殿下になんということを!!」
ほらやっぱりこうなった。
こうなる可能性を考えたから、4人目のウォーレンは、言い方を少しソフトに、別角度からにしたつもりだったんだよ。
通じなかったけど。
王女の護衛たちが、俺と王女の間に割って入った。
そしてそのまま俺は両腕をつかまれ、室外へと引きずられていく。
「……待ってください」
制止をかけたのは、コーデリア王女だった。
「その方の言葉には、聞くべきことが、あるのかもしれません。私が理想ばかりを見ていて、本当に選ぶべき道をたがえていたとしたら……」
王女は、護衛の制止を止め、俺のそばに寄ってきた。
「顔をよく見せてください。あなたが本当に国のために言っているのか、私を侮辱しただけなのか、目を見ればわかります」
コーデリア王女には、その人物の本質を見抜く力があるのか。
ここで、俺のこれまでの旅路の足跡と経験を、数値化する。
その数値でもって、俺がコーデリア王女の信頼を勝ち得たかどうか、判定するのだ。
道中で、手に入れた可能性のあるアイテムと、それに対応した数字がある。
その数字の合計が、一定の点数に達していたか否かで、王女の評価が決まる。
俺はここで、超シンプルな、あることに気づいた。
「牛飼いの笛」は、マイナス評価のアイテム。
これを持っているために、規定の点数に届かない。
「牛飼いの笛」は、今後に役立つ必須アイテムに思われる。
しかし、あそこで寄り道するのはあまり意味のない行動だったのはたしかだ。
ドラッツェン兵の襲撃も、俺たち不審者が牛飼いの家に入るのを偶然目撃されたから。
ファミリーだけなら別に問題はなかったはずなのだ。
「ごめんなさい」
コーデリア王女は言った。
「あなたは、優しすぎる。自分のすべきことよりも、他者の気持ちを優先しているようでは、強い兵士とは言えません」
そしてコーデリア王女は、俺に背を向けた。
「このような時でなく、友人としてあなたには出会いたかった」
コーデリア王女は、俺抜きで、今後の行動を決めると宣言した。
俺は、外へと追いやられた。
王女には、俺の言葉がいくばくかは届いていたと信じたい。
だが、事態は俺の手を離れてしまった。
王女がどのような結論を出すにせよ、俺が王女を連れて戦場を離脱するというルートは、ない。
俺は任務に失敗したのだ。
【リオン 技術点10 体力点11/20 運点9】
【持ち物】
・剣
・荷物袋
・食料0
・馬
・ガーネット
・牛飼いの笛
・黒いコイン
■登場人物
ウォーレン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。聖騎士と同名。4人目の挑戦者。
リオン ロング・ナリク軍の一員で若き騎兵。5人目の挑戦者。
ロング・ナリク王 おうさま。コーデリア王女の父。
コーデリア ロング・ナリクの王女。15歳で初陣。戦場の指揮を執る。
ジャルベッタ ドラッツェン軍の指揮官。冷酷無比との噂。
聖騎士ウォーレン ロング・ナリクの当代一の聖騎士。ロング・ナリク軍の副官。戦地で命を落とす。
ジェイコブ 金牛の丘の牛飼い
アンドロ 聖騎士ウォーレンに従っていた兵士。ウォードレイクに遭遇し生き延びる。王女に伝えたいことがある。
セロ 聖堂の司祭。コーデリア王女の神学の先生でもある。
■作品情報
作品名:戦場の風
著者:丹野佑
編集:エディットなかの
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
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