ら、いいけどよ。あんま無理すんなよ」

純一「うん、わかってる……」

純一(誰だったんだろう……とにかく確かに視線は感じたし、
   それは……僕に向けてのような気がする…)

きーんこーんかーんこーん

純一「……とりあえず、今日は様子見だ」


「…………」

「………ッチ」


休み2

純一「……眠い。これは眠い」

純一(これほどまで、学校に居る時に……眠たいときってあっただろうか……僕は知らないよ)

純一「……」ちらっ

薫 すやすや…

純一「……なんでお前はそんなに幸せそうに寝れるんだよ。今朝の言葉はどうしたんだ……はぁ」

純一「……とりあえず、なんかジュースでも買って目を覚ますか…」

自動販売機前

がたん、ごとん!

純一「ごくっ…ごくっ……ぷはぁー!」

純一「やっぱり眠気を覚ますなら、炭酸にかぎるなぁー!」

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:40:24.01 ID:okz7iWoAO
 

100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:40:33.64 ID:If8wb+Z80
純一「……あ、ここは…確か…七咲に、タオルを借りた水道だったな…」

純一「僕が美也に落書きをされていて……それを洗い流した時、七咲が貸してくれた」

純一「──もう、そんなことはとうに忘れてるだろうな……七咲は」

じゃり…

純一「っ!……足音?」くる

純一「あ、えっとこんにちわ───」

「…………」

純一「───絢辻、さん……?」

絢辻「……………」

純一(え、なんだろ!? なんかすっごく怒ってないか!?)

絢辻「……橘君、貴方はここでなにをしているの?」

純一「えっと……その、休憩中です。はい」

絢辻「クラスのみんなは、じきに行われる……三年生の卒業式準備をしているのに?」

純一「ご、ごめん……でも、薫とか寝てたし……良いかなって思って」

絢辻「人は人。貴方は貴方、一緒にしないの」

純一「は、はい……!」

絢辻「みんなだって、冬休みを満喫したいのも山々のはず。
   そんな時間を惜しんで、みな頑張ってるの」

絢辻「そんな中で、貴方は一人……のうのうと休んでて、
   罪悪感は湧かないの?橘君?」

101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:41:26.82 ID:okz7iWoAO
 

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:41:32.53 ID:If8wb+Z80
純一「……うん、ごめんね絢辻さん。僕がどうにかしてたよ。
   ここはちゃんと頑張ってやらなきゃいけないよね」

絢辻「……っ……貴方はそうやってまた──」

純一「え? なにかいった?」

絢辻「っ……────。なんでもないわよ~とりあえず、橘君。はやく教室に戻ってね」

純一(あれ、また雰囲気がかわった……?)

絢辻「……どうしたの? どこか具合悪いの?」

純一「え、いやっ……そうじゃなくて、その……」

絢辻「? なにか、私に用事でもあるの?」

純一(これだ、僕の感じる違和感……僕が知っている絢辻さんと何ら変わらないのに)

純一(この、辺に優しくなった時の声と……表情が、ちょっと気にかかる…)

純一(絢辻さんは──みんなから大人気だ。いっつも笑顔を絶やさないし、どんな質問でも気軽に聞いてくれるし。
   先生でさえも絢辻さんを頼るぐらいに、頼りがいもあるし…頭もよくて、運動もできる)

純一(それに僕が記憶している絢辻さんは──創設祭の委員長も頑張ってた。みんなもそれを賛成するぐらいに、
   絢辻さんを信用してて……僕もずっと良い人だって思ってる)

純一(だから、絢辻さんがけっしてこれが猫をかぶっているとか。本当はもっと黒かったりとか。
   実は色々と考えて行動してたりとか、もう人を元から疑う方針で生きてるとか……そんなんじゃないって僕は思ってる」

絢辻 ぴくっ…

純一「そうなると、僕が感じる……絢辻さんの違和感って何だろう…だってこんなに良い人なのに、そうじゃないような気がするって…
   たとえ心の中で思ってたとしても、絢辻さんに失礼だよ……」

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:42:28.99 ID:okz7iWoAO
 

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:42:31.78 ID:If8wb+Z80
絢辻 ぴくっ…ぴくっ…

純一「そうだよ、確かにそうだ。だからこれは僕の責任だ…だから、今日は素直に絢辻さんに謝ってちゃんと機嫌を直してもらおう!うん!」

絢辻「……ごめんなさい、途中からほとんど丸聞こえなんだけど……橘くん……」

純一「え?」
絢辻「…………」

純一「えっと、もしかして……僕……」

絢辻「──ええ、心の声……かしらね。それが駄々漏れ、だった……みたいねぇ…?」

純一「う、うわあ!? ご、ごめん絢辻さん!! こ、これは決して本心とかじゃなくて……!」

絢辻「……本当は真っ黒で、人を常に見下して、いっつも悦に浸ってる人──だと、私のことを思ってたのかしら」

純一「い、いや……そこまで僕は思ってないけど……っ!」

絢辻「でも、それに似た感情は持っていた……そうなのね?」

純一「いやー……その……」

絢辻「…………」

純一「………なんと、いいますかええ……」

絢辻「…………」

純一「……スミマセン…」

純一(こ、これはまずい……!! 
   なんでってたって、僕ってば本人の前でそんなこと口走っちゃうかな…!!

105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:43:41.54 ID:okz7iWoAO
 

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:43:46.10 ID:If8wb+Z80
純一(それに口に出しちゃったを絢辻さんのことについてだって、さっきまで…これっぽっちも思ってなかったのに…
   急に絢辻さんの顔見たら……それを思い出したかのように、溢れだすように色々と疑心が生まれて……)

純一(……思い出したかのように? あれ、僕……これはひょっとして…これが記憶の手掛かり、なのか?)

絢辻「………?」

純一(……これは、もう少し…探るべきなのか……?)

絢辻「……なに、そんなにこっち見てるのよ。叫んで人、呼ぶわよ」

純一「……えっ!? あ、ごめんっ! あ、あのさ……絢辻さん」

絢辻「……なによ」

純一(声に色々、覇気がない……つけ込むなら、今!)

純一「──絢辻さんって、本当は猫かぶってる?」

絢辻「…………」

純一「…………」ドッドッドッド…

絢辻「…………」

純一「ゴクリ……」ドッドッドッド…

絢辻「───猫、被ってちゃ悪いの?誰かに迷惑かけた?特に橘君に」

純一「え……」

絢辻「私は私で、頑張っているつもり。だから貴方にそんな事をばれたとしても、
   なにも思わないし、脅威にも思わない」

純一「あ、絢辻さん……?」

絢辻「………。昔の私なら、そんなこと貴方に言われたら…すっごく怖かったでしょうね──」すたすた…

107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:44:46.28 ID:okz7iWoAO
 

108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:44:52.13 ID:If8wb+Z80
純一「え、あ、絢辻さん……!!何処行くの…!」

絢辻「………」ぴた…

絢辻「……何処にも行かないわ。ただ、ただ──ずっとここにいるの」すたすた…

純一「……え…」

純一「どっか、いっちゃった……多分、教室に戻ったんだと思うけど…」

純一「……………」

純一(……あれは、どういうことなんだろう…猫かぶってるって、認めたってことなのかな…)

純一「……………」

純一(──だめだ、なにか思いだそうとして…全然、思い出せれない。
   くやしいなぁ……あともうちょっとでわかりそうなのに)

純一「……それに絢辻さんのことも、もうちょっとでわかりそうだったのに…」

純一「……戻るか、教室」

教室

薫「──あはははっ!!恵子ぉー!!似合ってるわよー!!あはははは!!」

田中「…………」ぶすぅー

薫「なーにむくれちゃってんのよ~。ちょっと紙の花で着飾っただけじゃないの~」

田中「……なんか心配してた私が、ずっと馬鹿みたいでムカつくのっ」

純一「……はぁ~」

薫「──え…?まだそんなこといってんのアンタは?」

田中「そんなことってなによー! これでも私はぁー……」

109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:45:53.70 ID:okz7iWoAO
 

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:45:58.09 ID:If8wb+Z80
純一「──ちょっと田中さん、薫……借りていいかな」

田中「え? あ、橘君。べつにいいよ? こんな子、借りちゃって」

薫「こ、こんな子!? け、恵子……それはちょっとひどすぎない!?」

田中「ひどすぎない。ほら、早く行っておいでよ」

薫「もうっ──……なによ、アンタ。あたしが起きたら居ないし。心配するじゃない」

純一「じゃあ寝るなよ……まぁ、それよりもちょっと気になることがあってさ」

薫「……気になること? なに、それって──アンタの記憶について?」こそ…

純一「……そんな感じ。ここじゃなんだし、ちょっとついてきてくれ」

薫「ん、おっけー」


とある廊下

薫「さっき、絢辻さんと会話した時……?」

純一「うん、そうなんだけどさ……なんかこう、思い出しそうで。
   思い出せない感覚がふってわいて……」

薫「なにそれ。曖昧ね」

純一「ぼくだってわからないよ。……でも、なにか会話をつづけなきゃいけない気がしたんだ。
   ダメだって思っても、最後まで会話を続ければ──ちゃんと答えになるんじゃないかって」

純一「……そしたら、なんか絢辻さんに酷いこと言っちゃったんだ」

薫「ひどいこと?」

純一「………それは薫にも言えない。ごめん」

薫「はぁー? それじゃあ何もこっちもわかんないじゃないのよ」

111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:46:51.34 ID:okz7iWoAO
 

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:47