薫「その時は、特にどうとでも思わなかったけど……だって何時もおかしいって思ってたし」

純一「おい」

薫「冗談よ。でも──アンタと今日、会った瞬間から気付いたわ。
  どうしたのよ? 純一、なにかおかしくない?」

純一「な、なんだよ……変な顔してるって言いたいのか…?」

薫「ちがう。そうじゃない……何処か怯えてるって言うか、必死みたいな」

純一「…………」

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:30:43.00 ID:okz7iWoAO
 

84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:30:47.15 ID:If8wb+Z80
薫「……言いたくない、って顔をしてるわね。生意気にも」

純一「……たぶん、言ったら……薫は…」

薫「──アンタを変人に思うって?そう思ってんの?あたしを?」

純一「……うん」

薫「馬鹿ね。純一、それはもう手遅れよ」

純一「え……?」

薫「あたしはとっくに純一を……変人だと思ってるわ」

純一「おい、薫……」

薫「でも、そんなアンタをあたしは好きだった」

純一「か、薫……」

薫「安心しなさい──この、あたしが相談に乗ってやるっていってやってんのよ?
  これのどこが不安要素があるっていうの!大船に乗ったつもりで……」

薫「──この、健気小町に相談してみなさいっての!」

純一「……薫は、本当に男らしいな。惚れちまいそうだ」

薫「え? あ、ああうん……そうね!この胸板厚い胸に抱かれて相談したいかしら?」

純一「え? じゃあさっそく……」

薫「ばっ、じょ、冗談に決まってるでしょ!」がん

純一「いたっ!?」

85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:32:20.08 ID:okz7iWoAO
 

86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:32:24.69 ID:If8wb+Z80

数十分後

薫「───記憶が、ない……?」

純一「うん……そう、そうなんだよ」

薫「…………」

純一「僕が記憶しているのは……去年まで。だから今年の初めを含めて、
   去年の終わりごろの記憶が一切ないんだよ…」

薫「……待って、ちょっと待って純一。ということはなに?
  アンタは十二月中旬に寝て、そっからの起きたら今日──って言いたいわけ?」

純一「そ、そういうことになる、な……うん」

薫「…………」

純一「──馬鹿げた話だと思うだろ。でも、本当なんだ……」

薫「…………………………」

純一「周りを見ても、僕がおかしくてさ……でも、証明するもがなにもないんだ…」

薫「……………………………………………………」

純一「だから、周りから心配されるばっかりで……あ、でも公園でさ──ん?薫?」

薫「……………………………………………………………………」

純一「……おーい?薫ー?どうしたんだー?」

薫「───アンタが言うその記憶が無くなったはじめって、詳しく言うとどのあたり?」

純一「へ? い、いや……なんだか僕も記憶があいまいでよくわからないんだけど…」

純一「……えーっと……たぶん、薫と直接的な分かりやすいものを言えば……」

薫「うん、教えて」

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:33:43.22 ID:okz7iWoAO
 

88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:33:47.80 ID:If8wb+Z80
純一「……田中さん問題があった時、かな?」

薫「恵子? ああ、あのキス野郎の時か……」

純一「キス野郎って……まぁ、確かにそうだけどさ」

薫「だいたいその辺なのね? 間違いは無いのね?」

純一「あ、ああ……そうだけど。なに、薫……もしかして何かわかったのかっ!?」

薫「え?なにも?」

純一「………そうだと思ったよ、うん」

薫「とりあえず──これは言っておくべきね。
  純一、アンタが言うことは……とりあえず信用するわ」

純一「とりあえずって……まぁ、いいけどさ」

薫「そうね──今、純一がいる状況はわかったわ。いや、本当は分かってないけど。
  ……それでも、わかった…」

純一「お、おう……それは、僕としても嬉しいよ」

薫「──で、純一はなにをしたいの?」

純一「え? それは──」

薫「アンタは、その無くなった記憶を取り戻したいの? それともなくなった原因を知りたいの?」

薫「……こうなってくると、ちょっと色々面倒ね。だから、アンタはなにをしたいの?」

純一「ぼ、僕は……その……」

薫「…………」

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:34:48.81 ID:okz7iWoAO
 

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:34:53.75 ID:If8wb+Z80
純一「──…………」

薫「……はぁ。わかったわよ、まだ決めかねてるみたいね……確かにアンタは色々と戸惑ってる。
  記憶が無いなんて、あたしだって怖いもの。アンタの気持ちも分かる」

純一「か、薫……!!」

薫「はいはい、泣きそうにならない……よし、じゃあ純一。明日、行くわよ!」

純一「へ?」

薫「へ? じゃないわよ──だから、行くのよって」

薫「明日は学校──輝日東高校に、あたしも一緒に登校するわ」

純一「お、おま……なにいってんだ薫!?」

薫「なによ、一応まだ在籍登録してあるんだから。いけるでしょ?」

純一「そ、そんな簡単に……というか外国は!? 飛行機とかは!?」

薫「ドタキャンする」

純一「マジか……」

薫「マジのマジよ。これ、あたしが嘘言ってるように思える純一?」

純一「……残念ながら…」

薫「よっしゃー! ではいくよ純一ぃ! 明日は何をするか特に決めてないけどッ」

純一「だ、大丈夫かな……本当に…」

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:36:05.25 ID:okz7iWoAO
 

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:36:09.79 ID:If8wb+Z80
翌日
登校路

純一「………寝れなかった。一睡も」

薫「──本当に、くまびっしりね。純一」

純一「色々と悩んでたら……ふわぁ…もう、朝になってたんだよ…」

純一(……本当は、寝てしまったら…また時間が飛んでそうで怖いだけ、なんだけどな…)

薫「──……純一」

純一「……ん?なんだよ、薫…」

薫「あのね……今日の純一は、昨日のアンタって事はあたしが知ってる」

純一「………薫、お前…」

薫「だから、とりあえず──安心しなさい。だから、心配しないで」

純一「……。わかった、すっげー頼りになるよ」

薫「……あったり前でしょっ」ばしん!

純一「あたっ!?……いてて……というか薫、お前こそ大丈夫なのかよ」

薫「え? なにが?」

純一「なにがって……いや、僕も大変だけど。お前だって今日は色々と…」

薫「あ~いいのいいの。もうカタつけてきたから」

純一「え? どういう意味だよ……?」

薫「んーっとね……あたしを引き抜きたかったあっちの人たちをちょっと脅して、
  もう少し待たないと、もう行ってあげないわよーって言ったら」

純一「……いったら?」

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:36:55.54 ID:okz7iWoAO
 

94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:37:00.14 ID:If8wb+Z80
薫「おっけーおっけーだって。いやーあっちの人当たりの良さは、ホント素晴らしわ」

純一「そうなのか…そういうもんでいいのか…」

薫「まぁ、深くは考えないって事で。んじゃ、行きますか」

純一「わ、わかったよ……」

教室

梅原「……よう、大将」

純一「……よう、梅原」

梅原「今日は、その……大丈夫か?」

純一「ああ、大丈夫だよ……心配掛けてすまん」

梅原「なーに、いいってことよ。なんてったって……俺らは親友だろ?」

純一「ああ、そうだな。確かにそうだ!」

梅原「だろー! んだからそんなに気を落とすなっ───て……」

薫「はろー」

梅原「た、棚町ィ!? へッ!? なんでここにいんだ!?」

薫「えーと……その、ドタキャン?」

梅原「……い、いや…確かにそうだと思うけどよ…すげーな棚町…
   俺は一発でお前の言葉を信用しちまったぜ……」

薫「説明の手間が省けて助かるわ梅原君、あ、それと恵子ぉー!」

95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:37:51.81 ID:okz7iWoAO
 

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:37:56.49 ID:If8wb+Z80
田中「ごくごく……ぶほぉー!? けほっ…けほ……か、薫っ!? なんでいるの!?」

薫「えっとそれがね───」

梅原「お、おいたいしょー!? こ、これはどういうことなんだ!?」

純一「い、いや…なんというか、僕のせいでもあるんだけど…アイツのせいでもあって…」

梅原「な、なんだそりゃ…? と、とりあえずあれは本物の棚町なんだな!?」

純一「うん、ほんものだよ」

梅原「そう、か……なんか色々と複雑なことがあったみてぇーだが……大将、頑張れよ」

純一「うん、頑張るさ。梅原」

梅原「……。とにかく、なにかあったら俺にも言ってくれよな?」

純一「ああ、いつでも頼りにしてる」

梅原「おうよっ」


「…………」


純一「っ……?」

純一「……!」くるっ

梅原「んお? どうした大将──?」

純一(──今、ものすごく視線を感じたような気がする…。
   確かに今は、薫がいるからクラス中が注目してるけど…)

純一「…………」

梅原「……おい、大丈夫か?よく見るとお前さん、眼のくまやばいじゃねぇか…」

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:39:10.60 ID:okz7iWoAO
 

98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:39:24.26 ID:If8wb+Z80
純一「……ううん、大丈夫だよ梅原。ちょっと寝不足なだけだ」

梅原「……そうか?大将が大丈夫っていうんな