53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:06:11.66 ID:okz7iWoAO
 

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:06:16.72 ID:If8wb+Z80
純一「…………っ」


純一「……読んでみよう」かさっ

『橘 純一様
必要なことはまだ残っています。
なんでも諦めてはだめです。
無知に囚われてはだめです。
頑なな勇気をもってください。
貴方は失ってはいません。
             金の仮面より』

純一「………」

純一「なんだこれ……と、とにかく僕を勇気づけたいってことはわかったけど…」

純一「──でもまてよ、これって僕の境遇をわかっているってことじゃないか……!?」

純一「まるで……僕がここにくることが分かってたのかのように、手紙が置いてあって……」

純一「それに、この内容だ……」

純一「…………」

純一「……とりあえず、今日は帰ろう……美也も心配しているはずだ…」

自宅

純一「ただいま……」

美也「あ、にぃに。おそかったねー」

純一「あ、うん……ご飯もう食べたのか?」

美也「ううん、今日はにぃにと一緒に食べようって思って待ってたんだよ~」

純一「…………」

美也「ま。それだけ待った分……みゃーはにぃにからおかずをもらう予定だけどね~にししっ!」

純一「……美也…」すたすた…

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:08:02.76 ID:okz7iWoAO
 

56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:08:07.35 ID:If8wb+Z80
美也「んー? どうしたのにぃ──ってきゃっ」

純一「…………」ぎゅ…

美也「……にぃに? ちょっと、いたいよ…」

純一「──ごめん、美也……僕、僕……どこにも行かないからな……っ」

美也「………にぃに? 泣いてるの?」

純一「…………」ぎゅう

美也「……ふぅ、ほーらにぃに…泣かないの。よしよし~」

部屋

純一「…………」

純一「──晩飯も食べた、風呂も入った、美也とゲームして遊んだ。
   よし、これは僕が知ってるいつもの日常だ」

純一「確かに学校での事はみんな不思議なことだった。
   みんながみんな、知っていることを知っていて」

純一「僕だけが知っていることを──知らない」

純一「それが如何に変だっていうことは……もう、理解した」

純一「それに囚われて……僕は色々と間違った所に行きつこうとしたかもしれない」

純一「…………」

純一「でも、それはもう大丈夫だ」ばん!

純一「──この手紙、そう、この手紙だけが僕の違和感の証明だ……」

純一「これだけが、僕の命綱。僕が正気だっていう理由だ」

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:09:21.65 ID:okz7iWoAO
 

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:09:26.96 ID:If8wb+Z80
純一「もう少し、ちゃんと読んでみよう

純一「必要なことなことが残っている……どういうことなんだろう?」

純一「これは僕にとって必要なことなんだろうか……それとも、他の人?」

純一「……出来れば僕のことであってほしいな。今は必要なことだらけだ」

純一「なんでもあきらめてはダメ……うん、これは本当にそう思う。
   でも、僕は……これから何に対して頑張ればいいのかわからない…」

純一「無知に囚われては駄目……これは僕が知らないことを知るべきってこと?」

純一「……とりあえず、色々と頑張ってみるか」

純一「頑なな勇気……なんだろう、頑張ることに対してエールをくれたのかな……」

純一「……そして最後、僕は何も失っていない──」

純一「……そうかな。僕はもう、全部を失った気がするけど……」

純一「…………」

純一「……駄目だッ!こうクヨクヨしてちゃまた美也に慰められてしまうっ!」

こんこん!

「にぃに! ちょっとうるさいよー!」

純一「あ、ごめん美也……もう少し、声小さくするよ……!」

「そうしてー」ぱたぱた…

純一「……ふぅ、そしたら。まずは分かりやすい所から行こう」

純一「──この手紙が、僕の違和感を打開するヒントとなる……と僕は思っている」

純一「だから、この手紙に書かれていることを読みとって……」

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:10:35.60 ID:okz7iWoAO
 

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:10:45.20 ID:If8wb+Z80
純一「僕は、見つけるんだ」

純一「どうしてこうなったのかを、そして、僕がなぜ記憶が無いのかを」

純一「──金の仮面、ありがとう。どこだれだかわからないけど、僕は君を信じてみるよ…!!」

「にぃに!」どんどん

純一「ご、ごめんっ!」

数十分後

純一「……うーん、別に僕は日記を付けることはなかったしなぁ…これといって、
   忘れていた期間のことなんか分かるものが無いよ…」

純一「…………」

純一「……とりあえず、テレビでも見るか…」ぱちん

『今日は人気絶好調のアイドル──桜井リホちゃんにゲストできていただきましたァー!』ワァー!キャー!

純一「!?」

『はぁ~い! みなさんこんばんわぁ~。今日も元気にいきたいとおもいまぁす☆』

純一「り、梨穂子……!?」

純一「こ、これってあの人気アイドルしかでれないゴールデンタイムの番組じゃないか……っ!」

純一「そ、そんなに人気があったのか……凄いな、梨穂子……なんかぶりっこぶってるけど…」

『それでそれで、リホちゃんはKBT108から突発的に人気を博し、既にソロでの活動を始めているということですが!』

『えへへ~……そうなんですよぉ。一人でも、みんなが応援してくれたら本当にうれしいで~す☆』

ウワァーキャーヒューヒューリホチャーンハカワイイナァー

『うふふ~。みんなありがとぉ~!大好きだよ~!』

ウワァアアアアアアアアアアア!!!!──ピッ

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:12:18.82 ID:okz7iWoAO
 

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:12:23.00 ID:If8wb+Z80
純一「な、なんかすごかったな……」

純一「……冷静になってみると、ちゃんと梨穂子も頑張ってあそこにいるんだよな…」

純一「……僕も梨穂子に見習って頑張らないと」ちら

純一「……ん? あれは──」ばっ

純一「………これは、油絵?」

純一「なんでこんなたいそれたものがここに───」

『──橘君は薫から別れのプレゼントって絵をもらってるはずだし……』

純一「ああ、そうか……これが、薫の絵なのか…すっごく上手いな」

純一「……まるで、有名な画家が描いたようだ」

純一「……でも、僕はこれを知らないんだ」

純一「──僕は、僕はどんな気持ちでこれをうけとったんだろう……
   悲しかったのかな。嬉しかったのかな……」

純一「……全然、覚えてないや……」

純一「…………」

純一「───…覚えてない、それでいいのだろうか」

純一「それだけで、僕は単純に薫と別れることができるのか……?」

純一「…………」

純一「僕は……僕は、決してそんな奴じゃないはずだ」

純一「忘れている期間の僕の気持は……決してないがしろにしてはいけないはずだ。
   そう、それは──」

純一「──僕が忘れてはいけない、必用なこと」

64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:13:43.91 ID:If8wb+Z80
純一「っ……!」だだだだ!

純一「………っ!」ぴっぴっぴ……

とゅるるる……

純一「出てくれ……まだ、外国なんて行ってないだろ……!」

純一「お前なら、最後の最後で……いっちょかましてくれるはずだ!」

純一「だから──お前はまだ、どこにもいってないだろう薫……ッ!!」

かちゃ

純一「薫!?薫か!? 薫なのか──ってか、薫のおばさん……?」

純一「え、あ、はい……夜分遅くにすみません……ええ、いや!違います!
   薫になにかあったワケじゃなくてでですね!!───……」


ファミレス前

純一「……うん、どうにかここにこれたよ…。
   薫のおばさんには迷惑をかけてしまった……」

純一「……ここにきてるのか、薫。
   まだバイトって訳じゃなさそうだけど」

純一「もうちょっと、ここで待ってみるか……」

数分後

「では、いままでありがとうございましたぁ~」がちゃん

純一 すぴー すぴー

「はぁー……やっぱり別れのあいさつっては疲れるわぁ~ってうおっ!?」

純一 すぴ~ むにゃ…

66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:15:43.56 ID:If8wb+Z80

薫「あ、あんた……ここでなにやってんのよっ?」

純一 ぐか~……

薫「って……寝てんの?まじで?」

数分後

純一「──う、う~ん……むにゃ……さむッ!?え、なんで僕、外にいんの!?」

薫「それはコッチのセリフよ──ばか純一」

純一「え、あ、薫……?」

薫「はぁーい。薫さんですよー……ほら、コーヒー。あったかいわよ」ひょい

純一「お、おう……ありがとな」

薫「結構よー……お代はきっちり後でいただきますからっ」とす

純一「それはまた、きっちりしてることで……」かしゅ

薫「ふふ、それはもう健気小町として有名ですから~」

純一「……程遠い名称だぞ、これとは」

薫「そう? いいじゃない、べつにどうだって」

純一「お前は相変らずだな……」

薫「なによー。あんただって、今日の今日まで会いに来なかったくせにー」

純一「そ、そうなのか……?」

薫「そうなのかって……そりゃまぁ、確かにお別れパーティやったけどさ。
  それでもファミレスとか、色々と会いに来ないって友達としてダメだと思わないの?」

純一「そう、だよな……確かにそうだ」

67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州) 2011/11/23(水) 17:16:44.00 ID:okz7iWoAO
 

68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/23(水) 17:16:48.76 ID:If8wb+Z80
薫「ったくー。そんな風に思