Switch 2版『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は新規で揃えると1万円越え

Guillaume Payen/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Guillaume Payen/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

Nintendo Switch 2はヒットする可能性が高いとはいえ、最近のゲーム関連ニュースの中でも最悪の部類に入る発表が続いている。

まず、本体の価格が450ドル(日本におけるメーカー希望小売価格は税込4万9980円)と大方の予想を上回る金額だった。また、『マリオカート ワールド』の80ドル(日本におけるパッケージ版の価格は税込9980円)という価格は、他のどのゲームよりも高い金額だ。そして、Switch 2を買う余裕がなければ、従来のSwitchを使えばいいという米国任天堂社長のダグ・バウザーの言葉には驚いた。

さて、上記と同じくらいファンを困惑させ、イライラさせられる例がもうひとつある。これは、古いゲーム(今回の場合は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』)の価格設定に関係している。

オリジナルの『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は60ドル(日本では税込6980円)で、追加コンテンツは20ドル(税込2547円)だ。後方互換性により、同タイトルはSwitch 2でもプレイできる。

ただし、パフォーマンスとグラフィックが向上したSwitch 2の「強化版」もある。従来のSwitchで同作を持っている場合、10ドル(税込1000円)を支払えば「アップグレード」できる。つまり、すべてを合計すると90ドルを支払うことになる。

オリジナルを持っていない場合、Switch 2版の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は70ドル(税込8678円)だ。しかし、これには8年前に配信された追加コンテンツは含まれておらず、追加コンテンツを遊ぶためには同じく20ドルを支払わなければならない。その場合の合計も90ドルだ。

任天堂のファンはこれに対して「欲深い」と口にしている。たしかに、この合計金額は追加コンテンツを別途購入した従来のプレイヤーが支払ったものと同じような金額ではある。しかし、今は2025年であり、2017年にWii Uでも発売されたゲームの「最終版」を販売する際、妥当な価格で購入できる「完全」なバージョンを用意しないことについて、ファンが憤慨するのも理解できる。これだけ古いゲームの強化版を遊ぶだけのために90ドルを支払うなど馬鹿げている。

任天堂が価格論争に巻き込まれるのはよくあることだ。しかし、同時期に2つの論争が巻き起こったこと、特に『マリオカート ワールド』の80ドルという価格に対して「それだけの価値があると思う」という説明以外に何もないことについては、正直冷めてしまう。従来のSwitchは300ドル(税込3万2978円)という価格で、クオリティの高いゲームを遊ぶうえで最も低いエントリーポイントの1つだった。しかし、Switch 2がこれほど高価格になったことで、任天堂はやや反消費者的になりつつあるとファンが考え、同社に対して色々と大目に見ることも少なくなるかもしれない。同社のこの傾向はファンにとっては残念なものだが、これがすぐに覆ることはなさそうだ。

SEE
ALSO

エンタメ・スポーツ

Switch 2用ソフト「高すぎる」 米国で続く反発、関税も追い打ちに?

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事

私は新しい時代を信じている。そこには新たな秩序が必要です
ブルネロ・クチネリ氏が語る“ジェントル ラグジュアリー”誕生秘話

記事上部の写真は、モンテーニュやデカルトにも影響を与えたローマ時代の哲学者、セネカの胸像の傍らで読書にふけるブルネロ・クチネリ氏。彼はインターネットやスマートフォンはもちろん、テレビや新聞にもあまり時間を割かず、偉大な賢者や哲学者の著作から、深い知識や見識、発想源を得ているのである。

ブルネロ・クチネリ氏が語る“ジェントル ラグジュアリー”誕生秘話

モンテーニュやデカルトにも影響を与えたローマ時代の哲学者、セネカの胸像の傍らで読書にふけるブルネロ・クチネリ氏。彼はインターネットやスマートフォンはもちろん、テレビや新聞すらほとんど見ず、偉大な賢者や哲学者の著作から、深い知識や見識、発想源を得ているのである。

創業当初からブルネロ クチネリには、明確なコンセプト=思想が存在した。そしてその思想は、現在もすべての服の隅々にまで息づいている。そんな独創的かつ普遍的なブルネロ・クチネリ氏の思想は、まさに同氏の“哲学”そのものであることは、私たちに語りかける言葉からも明らかなのである。

「世界中の人々の魂は今、闇に覆われているように感じます。その主な要因と思うのが、ここ30年ほどで普及したインターネットとソーシャルメディアの影響です。それらにより、人々の生き方が決定的に変わってしまった。人々が他人の言葉に耳を傾けることが、少なくなってしまったのです。例えば仕事場で何人かが同じテーブルを囲んでいても、声を掛け合うことは少なく、何か問題があっても相談せず、みなスマートフォンで解決しようとします。そして労働を終え、帰宅した父親が“今日は何かあったかい?”と息子に話しかけると、“ちょっと待って。今友達とチャットしているから”と返されてしまうのです」

インターネットやソーシャルメディアが人々に与える影響は、以前からブルネロ・クチネリ氏が指摘してきた問題である。それらは過度に依存することによって負の影響をもたらす。人と人との直接的な触れ合いが減り、コミュニケーションも希薄になってしまうのだ。その結果人々の心に鬱積した闇が、世界各地の軋轢に少なからず影響を及ぼしていることは、想像に難くない。では、そういった問題はどう解決すればいいのだろうか。

「今は人が人に対して、ちゃんと接せられていないように感じます。つまり、他者への“Amore(アモーレ=愛情)”を失ってしまっていると思うのです。故に、まず必要なのは、対面での血の通ったコミュニケーションを取り戻すこと。元来、人間は対話を好むものであり、人と意見を交換したいと思っているものです。それを再び行うのは、実に簡単です。スマートフォンを机に置くだけでいい。投資もまったく不要です。その恩恵と効果は非常に高いはず。仕事場のテーブルを囲う人々の会話が弾み、良い状態になれば、おのずと創造性も高まります。やがて組織全体が良い状態となり、クリエイティブな会社となるのです」

世の大勢を的確に捉える、こうしたブルネロ・クチネリ氏の思想は、いにしえの偉人たちが著した膨大な哲学書や思想書を愛読することによって熟成したもの。その人間性溢れる思想は、服だけではなく、拠点のソロメオ村に築いた市民劇場や図書館、公園など、公共性の高い施設にも反映されているのだ。だからこそブルネロ クチネリの服は、トレンドとは対極的な普遍性を宿しているのである。トレンドばかりが話題となる現代のファッションにおいてブルネロ クチネリが注目されるのは、そんな確固たる思想を備えているからに違いない。

「ファッションを含め、近年はあらゆるものの価格が上昇していることが世界的に問題視されています。2年前は一泊1200ユーロだったホテルが、今は3500ユーロです。そんな価格自体も問題ですが、さらに私が懸念するのは、高騰した分が従業員や生産者にまできちんと分配されているのかということです。もしそうでないのならば、もっと社会的に目を向けて是正していくべきではないでしょうか」

富める者はより富み、窮する者はより窮していく。そんな格差社会を助長する社会構造は、近年の世界的インフレでいっそう浮き彫りになった。それは人々を分断しかねない、解決すべき喫緊の課題である。そんな社会を変えるには、“調和と均衡”が不可欠であると、ブルネロ・クチネリ氏は説くのだ。

「私は仕事を介し、常に人々とつながっていたいと思っています。人々とのつながりは精神的な持続可能性を生み、魂を良い状態に保ってくれるのです。そして個人の良き魂は家族へと自然に波及し、やがては良き国家の礎ともなる。そんな個人と家族、国家が三位一体となり、ハーモニーを奏でることが真の豊かさを生むのです。

また18世紀の哲学者イマヌエル・カントはこんな言葉を残しています。“贅沢で美しいものは、倫理的に正しい善きもののシンボルである”と。つまり、ラグジュアリーとは本来、正しく美しいものであるべきであり、不当な利益、不均衡な分配があってはならないのです」

ラグジュアリーとは正しき倫理の下、人類が培った英知と美的感性を集約した結晶。富の偏在と格差社会が進行した現在、そんなラグジュアリーの存在意義はゆがんでしまった。それを正すべき時が今訪れていると、ブルネロ・クチネリ氏は預言者のように示唆するのだ。

「近年ラグジュアリー市場は非常に成長しました。ですが、最近はその高価格が本当に健全なバランスが考慮された上でのものなのか、人々は訝しく思っています。今はあらゆる面においてそのような意識が向けられており、バランスの取れた新しい秩序を見いだす絶好の機会。私は服を通し、そんな新時代の秩序を表現したいのです」

ブルネロ クチネリ ジャパン
03-5276-8300
www.brunellocucinelli.com

賞金総額100億円超、eスポーツの世界大会「Esports World Cup」が掲げる使命

Getty Images

Getty Images

eスポーツの世界における賞金は、長い間賛否両論のトピックだった。『Dota 2』の世界選手権であるThe Internationalで用意される数百万ドルの賞金は毎度話題となったが、賞金プールの大部分を手にするトップチーム以外の多くのチームにとって、この賞金プールの高さこそが同ゲームの大会シーンの持続可能性を低めてしまったことはほぼ間違いない。しかし、その一方で、世界最大級のゲームに参加するプレイヤーがわずか数千ドルの賞金で競い合うようになると、トップに到達するまでの長年の努力が尊重されていないように感じられることもある。

多くのeスポーツトーナメントのオーガナイザーにとって、常に正しい判断をすることは難しい。2カ月の間に20以上の異なるトーナメントと、それらすべてを包括するチャンピオンシップが開催されるような状況では、それはなおさらだ。そこで登場するのが、今年開催2年目を迎えるEsports World Cup(EWC)だ。彼らは、eスポーツのエコシステムを持続的に成長させながら、トップチームがトーナメントへの出場権を獲得するために全力を尽くすだけの報酬を提供することを使命としている。

「昨年は6000万ドル(約85億9100万円)という前代未聞の大金を投じましたが、同時に成長する余地も残しておきたかったのです」とEsports World Cup FoundationのCEOであるラルフ・ライヒェルトは語る。「そのため、今年は(賞金プール)を6000万ドルから7000万ドル(約100億2300万円)へと引き上げました」

「というのも、エコシステムをお金で溢れさせないようにしながらも、付加価値を与え、成長と将来を見据えた明確なストーリーを生み出すことができると感じているからです。私たちはDotaで、個別のゲームの賞金プールがとてつもなく高額になるとエコシステムが崩壊してしまうことを目の当たりにしました」

次ページ > EWCを支える「クラブチャンピオンシップ」の存在

翻訳=江津拓哉

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

| あなたにおすすめの記事

人気記事

Switch 2用ソフト「高すぎる」 米国で続く反発、関税も追い打ちに?

agustin.photo / Shutterstock.com

agustin.photo / Shutterstock.com

任天堂に関する論争はもちろん過去にも起きてきたが、同社が「ゲーム機戦争」や「文化戦争」の類に巻き込まれることはここ数年なかった。任天堂はよほどのことがない限り、ファンの怒りを呼ぶことはない。今回のような事態が最後にいつ起きたのか、思い出せないほどだ。

任天堂は4日、トランプ政権が各国に課した関税や、市場の先行きが不透明であることを理由に米国でのSwitch 2の予約開始を延期すると発表したが、同社はそれ以前にも、2日のSwitch 2発表会直後から価格設定に関する「危機」に見舞われていた。

ただし、主な焦点となっているのは、本体価格ではない。確かに、米国での価格450ドル(為替レートに基づく換算で約6万5500円)という本体価格はPlayStation 5よりも50ドル、初代Switchよりも150ドル、そして多くの人が予想していた価格である400ドルよりも50ドル高い。Switchがあれほど売れた理由の一つは、本体が比較的安価だったことにある。だがSwitch 2の価格は、競合を上回ってはいないものの、ほぼ同じ価格帯に並んだ。

批判を集めているのは、Switch 2で最大の人気作となる可能性が高い『マリオカート ワールド』の価格が80ドル(約1万1600円)と、業界標準の70ドル(約1万円)よりも10ドル高く設定されたことだ。この70ドルという基準は、つい数年前の現世代ゲーム機発売時に確立されたばかりだった。『マリオカート ワールド』は、米国以外ではデジタル版が80ユーロ(約1万2900円)、パッケージ版が90ユーロ(約1万4500円)と、業界標準から20ドル相当の値上げになった地域もある。米国ではパッケージ版もここまで高くはならないようではあるが、新たな関税が発表された今となっては、今後どうなるかはわからない。

価格をめぐる懸念は、各所から出ている。SNSで一般ユーザーからの不満が噴出していることはもちろん、著名な業界関係者でさえもが、この価格設定はかなり購買意欲をそぐものだと指摘している。さらに、任天堂が実施したライブ配信「Nintendo Treehouse」では、「値下げしろ」という視聴者からのメッセージがチャット欄にノンストップで投稿された。

次ページ > 任天堂は特定のソフトの価格を他より高く設定するという実験をしているように思える

翻訳・編集=遠藤宗生

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事