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官僚からのレクをただただ受け入れる石破総理
実際、高額医療制度の見直しについても、一旦見送りが決まっていたものの、厚生労働省が巻き返して議論が再燃した経緯があります。これは典型的な官僚主導の政策決定プロセスです。本来であれば、政治主導で「この問題はこう決める」と明確に方針を示すべきところ、官僚の意向に流される形になったのです。 特に医療政策など専門性の高い分野については、石破さんが「興味ないはずなのに突っ込んだこと言ってる」と思われる場面もあります。が、それはみんな官僚による石破総理へのレクなんですよね。官僚からのレクチャー(説明)に基づいて発言しているということです。これは政治家として致命的な弱点だと私は考えています。 ちなみに、私が小泉政権で経済財政担当大臣を務めていた頃と比較すると、状況は大きく異なります。小泉首相は「官僚の抵抗勢力」と戦うという明確なビジョンを持っていました。「抵抗勢力」という言葉自体、官僚機構に対する挑戦状でした。しかし石破政権にはそのような明確な姿勢が見られません。
石破政権、政策決定プロセスに大きな問題
小泉政権時代、私たちは「官から民へ」というスローガンを掲げ、郵政民営化をはじめとする構造改革を進めました。その際、官僚からの反発は相当なものでしたが、政治主導で改革を推し進めることができました。しかし、石破政権ではそのような政治主導の姿勢が見られません。 石破政権の政策決定プロセスには大きな問題があります。例えば、経済対策を打ち出す際も、財務省や経済産業省の意向が強く反映されているように見えます。 石破さんは記者会見などで「専門家の意見を聞きながら」という表現をよく使いますが、その「専門家」とは多くの場合、各省庁の官僚を指しています。本来であれば、多様な立場の専門家から意見を聴取し、政治的判断を下すべきところ、官僚の意見をそのまま採用しているケースが多いのです。 これは日本の政策決定における構造的な問題でもあります。政治家が専門知識を持たず、官僚に依存する体質が長年続いてきました。石破政権もその例外ではなく、むしろその傾向が強まっているように見えます。 私が経済財政担当大臣だった頃は、経済財政諮問会議を通じて、官邸主導の政策決定を行いました。諮問会議では民間議員の意見も重視され、官僚の意向だけで政策が決まることはありませんでした。しかし、石破政権では諮問会議の機能が形骸化しているように見えます。
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