棚倉町教委が棚倉中分教室として整備を進めていた「学びの多様化学校(不登校特例校)」の開室式が8日、同町の高野小で行われた。設置は福島県内初で、関係者は子どもに合わせた教育環境の充実に期待している。
学びの多様化学校は、不登校の児童生徒に配慮し、柔軟な教育課程を編成できるのが特徴。文部科学省によると、4月現在で全国に58校が設置されている。町教委は、新型コロナウイルス禍以降、不登校数が増加したことを受けて設置を決定。本年度で閉校する高野小の空き教室を活用し、中学1~3年の6人が登校する。
分教室では、「地域」「将来」「貢献」をキーワードとした体験学習を展開する独自教科「マイキャリア」や、各教科の学び直しや先取りができる「マイタイム」など、生徒に合わせた学習を提供。年度途中からの入室や元の学級に戻ることもできる。
開室式では、荒川文雄町教育長が「学びたいことを自分らしく学んでほしい」と生徒たちを激励。分教室を担当する古市守教諭(59)は「新しい取り組みで手探りでのスタートではあるが、生徒たちの目標がかなえられるようにしていきたい」と話し、保護者の40代男性は「こういった体制をつくってもらえたことに感謝する」と期待を寄せた。