“17歳の中学生”が入学式に… 名古屋で56年ぶりの「夜間中学」開校 夜間中学に外国人集まるワケとは
「名古屋市立なごやか中学校の入学式を行います」
7日、名古屋市中村区にある「なごやか中学校」で行われた普通とは“ちょっと違う”入学式。生徒たちは、制服ではなく思い思いの格好。しかも式典が始まったのは、夕方の6時です。
実はここ56年ぶりに名古屋に開校した公立の夜間中学。戦後の時代に、一度は役目を終えたものが、いままた、新しく開校したワケは…。
名古屋市立なごやか中学校 佐村明生 校長:
「年齢や国籍、これまでの学びの状況はさまざまですが、学びたいという気持ちは共通しています」
夜間中学を必要とする新たな層がいるためです。
ネパール国籍のタパ・アミルトくん(17)。彼の入学までを追うと、その事情が見えてきました。
取材班が初めてアミルトくんに会ったのは去年8月の夜間中学の入学説明会。
Q:「どれくらい前に来日した」
アミルトくん:「3 months ago(3か月前)」
日本語はなかなか難しい様子。
アミルトくんは先に日本に来ていた両親に呼ばれるかたちで来日。家族5人、名古屋で暮らしています。
年齢は17歳。本来なら高校2年生に相当しますが、母国では中学1年生相当の教育までしか受けていません。家から学校までの距離が遠く、入学が遅れてしまったことなどが原因だといいます。
Q:「説明会に来ようと思った理由は」
アミルトくんと通訳:「(今の学力では)直接高校に入るのは難しいから」
日本で働くために、まずは高校に入りたいというアミルトくん。
実は今、名古屋に住む外国人の子どものこうした需要が増えています。
名古屋市教育委員会 大杉周三 課長:
「中学を卒業して、そのあと高校にも行きたい。そこで頑張れたら大学にも行きたい。大学を出てしっかり働きたいという思いがある外国の方多いので、そういう方を応援できたらと思っています」
昨年末に名古屋市でも10万人を超えるなど増加の傾向が続く外国人。
国は2017年に施行された法律で夜間中学の設置を推進。不登校や外国籍の子どもも対象としました。
外国にルーツがある子どもが、日本で長所や強みを生かして活躍できるよう教育の機会の担保を進めようとしているのです。