「被告がその場にいたか」の証明に?! 法廷で存在感増すスマホの健康管理アプリ
一方、弁護側が「被告が現場に行っていない」証拠として活用した例もある。
統合型リゾート施設(IR)を巡る汚職事件で有罪判決が確定した元衆院議員、秋元司受刑者(53)の公判では、弁護側が、賄賂を受けたとされる時間の前後でアプリが移動を記録していないことから秋元受刑者は受け渡し現場に「行っていない」と主張した。
ただ、東京地裁は、アプリが秋元受刑者の動静を正しく反映していない可能性があるなどとして、弁護側の主張を退けた。
検察幹部は、健康管理アプリの活用が刑事裁判で「広がっている印象がある」としつつも「アプリだけで有罪の立証はできない。防犯カメラの映像など他の証拠と照らし合わせ、矛盾がないか調べる必要がある」と話している。(橘川玲奈)