今度は異世界転生じゃなくて異世界転移かよ ※リメイク版


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作:にゃすぱ@梨
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第4話


「よし、ステイタスも刻めたしとりあえずギルドに行って冒険者登録してくるよ」

 

「ちょっと待った!」

 

ヘスティアから元気のいい待ったが掛かった。

 

「どうしたんだ?」

 

「今日はもう夜遅いから明日にしよう。それに今後の事について少し話し合わないかい?」

 

ヘスティアの言うことは最もだった。

というか少しテンションが上がって何も考えてなかった俺が悪いのか。

そして俺たちは申し訳程度に置かれた椅子に座った。

 

「今後の方針についてだけど、とりあえずはリムルくんは冒険者登録をしてくるんだけど、レベルは1としておくんだ」

 

「レベル?なにそれ」

 

俺の言葉にヘスティアは固まった。

そして俺はヘスティア言われて横線になってたけどレベルって欄があった気がしたのを思い出す。

 

「えっと…リムルくんとりあえず君にはこの世界のことについて教えるとしようか」

 

ヘスティアはそう言うとこの世界についての講義が始まった。

とても長かった。

どうして神が地上にいるのかとか冒険者とはとか、別のファミリアはどうのとかあとはランクがどうのこうのっていうのもあった。

俺にレベル1というようにと言ったのは基本的にステイタスを刻んだばかりは皆レベル1だからだそうだ。

レベル差があるだけで天と地の差が出来るという。

たった1レベルなのに。

でも、本来はステイタスの部分が戦うことで経験値を獲得し伸ばして行くんだとか。

表記もIからSまであるとの事。

なんかゲームみたいだな?

でも、ステイタスを見て自分の実力が知れるのはいい気はする。

 

「なるほどね〜」

 

「なるほどね〜って、本当にわかったのかい?」

 

「もちろんだとも」

 

色々な情報を聞けて、この世界の神の血も解析できて、これ以上ないくらい上手くいってる気がする。

今もヘスティアから聞いた情報をもとにシエルさんが色々何かやってるし。

 

「よし、とりあえずボクはもう寝るよ」

 

「神様でも寝ないと行けないんだな?」

 

「当たり前さ、ボクら神と言っても地上に降りたじてんでただの人間と変わらないんだ。」

 

そう言いながらせっせと寝る準備をしている。

 

「そう言うリムルくんは寝なくて平気なのかい?」

 

「俺はどっちでも。一応寝れるけど寝なくても平気だね」

 

ヘスティアは羨ましいと一言言ってそのままブランケットに身をくるんだ。

 

さて、俺は今からの時間どうするか…

正直この街の地理を全く知らないから探索するのもありなんだよね

 

《ヘスティアの血を解析した結果この街の情報も得ています。》

 

そんな記憶の部分も知れるのかよ!

まぁ実際に見て回った方がいいし楽しいよね

という訳で俺はオラリオの探索へと出かけた。

シエルから共有された情報を元に隅から隅まで行こうと思ったが、時間的にやっているお店は少なく、そもそもお金を持ってないので行けない。

ただ1つ、何故か1箇所だけぼやけているというか意図的に隠しているような箇所があるのが気になる。

 

ヘスティアが知らない場所か?

 

《主様には関係無いところです。》

 

そう一蹴されてしまった。

ふむ、解せぬ。

 

ーーーーーーーーーー

 

俺は探索から戻りヘスティアの部屋にてスライム姿で今後の事を少し考えていた。

いつまでもこの狭い部屋でって訳にもいかないよな

今は俺とヘスティアの2人だけだからいいとして団員を増やすならもっと広い所に引っ越す必要があるし。

何がともあれまずは金集めだな。

さっさと冒険者登録をして換金して貰わないと。

 

「うぅん…」

 

モゾモゾと布にくるまった何がが動く。

 

「ヘスティア?起きたのか?」

 

俺の声に反応して再び動く。

ただ返事は無い。

日が出てから結構時間たってる気がするけど、今何時なんだろう?

めちゃくちゃ寝るねこの人は。

 

「おーい、そろそろ冒険者登録しに行こうかなって思うんだけど」

 

「…ぼうけんしゃとーろく?」

 

寝ぼけたような間延びした声が聞こえる。

 

「そうそう。冒険者登録してお金稼いでこないと」

 

「う…ん…?…はっ!」

 

ヘスティアはバッと体を起こし当たりを見渡す。

 

「そうだった!ボクもやることがあるんだったって、スライム!?なんでここにぃ!?」

 

ヘスティアは俺を見るやいなやすごい勢いで退く。

 

「いやいや、寝ぼけるなよ?俺だよ、リムル。」

 

そう言ってスライム姿から人の姿になった。

ぼーっと俺を見つめる顔はまだ眠たげで理解が追いついてない感じがする。

 

「あれ…?あ、そっか…ごめんごめん」

 

眠そうな目を擦りながら自己解決していた。

 

「あはは、少し混乱してたよ。ごめんね?」

 

「全然問題ないよ。ヘスティアの動きは見ていて面白かったから」

 

ニヒッと笑うとヘスティアは少し恥ずかしそうに顔を逸らした。

 

「ヘスティアも起きた事だし、俺は冒険者登録しに行ってくるよ」

 

「わかった、ボクも用事があるから少ししたら出かけるよ。くれぐれもバレないようにしてくれよ?レベルは1だからね?」

 

「分かってるって。それじゃ行ってくる」

 

俺は再び外に出た。

やはり夜とは全然違う。

人通りは多いし、お店も開き始めてる。

活気があるのはいい。

見ていてこっちも楽しくなる。

さて、今日は冒険者登録をしてちゃっちゃと魔石を集めてお金にして豊穣の女主人に行って仮面を返してもらわなきゃ。

 

人混みの中をしばらく進むとたくさんの冒険者が出入りしている場所を見つける。

 

「ここがギルドか、立派だな」

 

ふむ、やはり沢山見られる。

人混みを歩いていた時も思ったけどそんな目立つ外見してるかな?

さっさと登録を済ませてしまおう。

そして俺はギルド職員の居るカウンターへと向かった。

 

「あの〜、冒険者登録ってここで大丈夫ですか?」

 

「はい、ではこちらの用紙に必要事項の記入をお願いします。」

 

渡された用紙には名前 性別 種族 レベル 所属ファミリアなどの項目があった。

 

ふむ、困った。

性別と種族って…無性に竜魔粘性星神体(アルティメットスライム)って書いていいわけないよなぁ…そもそもそんな種族無いだろうし。

まぁ無難に男とヒューマンでいいかな。

書き終わった用紙を受付のお姉さんに渡す。

 

「はい、ありがとうございます。」

 

受付のお姉さんは記入に間違いがないかどうかを確認しているみたい。

そして、小声で「うそっ、男!?」って声が聞こえたけど聞かなかったことにしてあげた。

 

「こちらのヘスティアファミリアは新しく発足したファミリアでよろしいですか?」

 

「あ、はいそうですね。眷属は俺しかいません。」

 

「かしこまりました」

 

そう言うと受付のお姉さんはまた何かやり始めた。

こういうのって時間かかるよね。

 

「それでは初心者講習を受けて頂きますので、こちらへご案内いたします」

 

「あ、はい」

 

はい?初心者講習?なにそれ?

受付のお姉さんがすごくいい笑顔で言うものだから思わず了承したけど登録したらすぐ行けるんじゃないの!?

めんどくさいなぁと思いつつお姉さんの後に続いた。

 

「ではこちらへお願いします」

 

案内されたのは個室だった。

 

「今後、リムルくんの担当アドバイザーになりますエイナ・チュールです。よろしくね?」

 

なんか、急にフランクだ。

 

「えっと、はい。お願いします。あの、初心者講習って長いんですか?別になくてもいいかなぁって」

 

俺がそんなことをいうとエイナさんの眼鏡がキラッと妖しく光った気がした。

 

「本来なら同じファミリアの人が教えてくれるんだけど、新規発足ファミリアに関してはギルドが担当する事になってるの。ただえさえ危ない仕事なんだから少しでも手助けをって事だよ」

 

ふむ。

言っていることは理解出来るけど既に60階層から生還した俺には不要な気がしてならない。

 

「今からやっていくけど、終わったあとにテストをするからそれに合格するまでダンジョンには行けませんからね?」

 

「ま、マジ?」

 

「大マジよ」

 

本当に面倒くさすぎるんだけど…

絶対エイナさんの隣にある分厚い本が教本だよね

うーむ、どうしたものか…

 

《私が完璧にコピーしますのでその本をください。》

 

ナイスシエルさん!

そうだった俺には頼れる相棒がいるのだった。

 

「えーっと、エイナさん?」

 

「なーに?何を言われても講習の時間は短くしないからね?」

 

「いやいや、そうじゃなくてテストに合格すればいいんだよね?」

 

「それはそうだけど…」

 

「ならその本貸してくれないかな?」

 

俺の突飛な提案に疑惑の目を向けてくるがそんなの知ったことでは無い。

今すぐにでもダンジョンに行きたいのだ。

エイナさんは怪しみながら俺に本を手渡してくれた。

そして俺はシエルと入れ替わり俺と入れ替わったシエルはものすごい勢いで本をめくる。

 

「ちょ、ちょっとリムルくん!?何してるの!?」

 

エイナさんも(シエル)の行動に驚きまくっている。

俺だって目の前でそんな事されたらびっくりする。

 

《主様、問題なく解析が終わりました。いつでもテストを受けても問題ありません》

 

ものの数分でこれだ。

さすがすぎる。

 

「あー、エイナさん?全部覚えたから問題ないぞ?」

 

エイナさんはまだ理解が追いついてないのか口を少し開けてぽけーっと俺の方…というより本を見ている。

 

「えっ?そんな!いまパラパラ本をめくってただけじゃない!」

 

「いや、そうなんだけど全部中身は理解したから大丈夫だよ」

 

エイナさんはそんなはずは無いと少しムキになり、俺にテスト問題を出てきた。

だが、シエルのおかげで何も問題なく全て回答して見せた。

 

「う、うそ…全問正解なんて……」

 

今度こそ放心してしまった。

 

「初心者講習とやらはこれで終わりでいいんだよな?」

 

から返事しか帰ってこないので俺はそっと部屋を出てダンジョンへ向かった。

 

ーーーーーーーーーー

 

「あれ?エイナ?初心者講習やってたんじゃないの?」

 

ピンク色の髪の女の子が話しかけてくる。

同僚のミィシャだ。

 

「うんそうなんだけどね…もう終わったの…」

 

「え?何が?」

 

「だから、初心者講習もう終わったの…」

 

1呼吸置いてミィシャはえぇっ!?っと大きな声を上げた。

 

「ちょ、声大きいってば!」

 

「ご、ごめんね。でも、初心者講習って馬鹿なヤツは2時間以上かかるのになん分で終わったの?」

 

「10分かかってないくらい…かな?なんかババって本のページを読み始めたと思ったら覚えたって言って、テストしてみたら全問正解だったの…」

 

「うっそ、そんなことあるんだね…」

 

「それに彼女じゃなかったの。彼だったの。」

 

「えっ、あの外見で男!?」

 

「ね、なんか色々やばいよね」

 

「ま、まぁ楽ができたと思えばいいんじゃない?」

 

「そうだよね。そう考えることにする」

 

日夜色んな人が来るギルド。

こいつら正気か?と疑いたくなるような人も来る。

色々な対応をしているが、慣れてくれば楽な仕事が初心者講習である。

新人にとっては初心者講習はとても大変だが、ベテランからすれば同じことの繰り返しで内容も頭に入っている。

聞かない人も居るけどまぁ合格出来ずに終わるだけ。

それがまさか自分は何もやらずに初心者講習を終わるなんて初めて…というか前代未聞でびっくりしすぎた。

まぁでも、彼は聞き分けは良さそうな感じではあったからそこは良かった点かな?

色々やらかさないで欲しいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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