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<Side:立香>
「さっきも言ったけど俺以外のマスター…『Aチーム』と『Bチーム』の皆は爆発によりほぼ死にかけていた。…俺の後輩ーーマシュも含めてね。」
マシュ・キリエライト
俺がカルデアの廊下で寝そべっていた時に出会い、そこから数多の旅路を共にした…俺の
「俺の後輩、マシュも当初は『Aチーム』の一員でね、爆発に巻き込まれていたんだ。俺は追い出されていたから無事だった。その爆発音を聞いてDr.ロマンと共に急いで向かったんだ。」
「「……」」
2人とも真剣に聞いてくれている。一人…いや一神は不安を主に、もう一人は不安もあるが興奮の気持ちを抱いて聞いているのが分かる。ここまで相手の気持ちをわかるようになったのもあれらの旅路があったからなのだろうか。そう考えても答えられるものはここにはいない。自問自答してもきりがないため続きを話すことに専念する。
「Dr.ロマンと共に行ったそこはひどい有様でした。壁や床は崩れ
「…彼女はその後どうなったんだい?息絶えてしまったのかい?」
悲しげな表情で神ーーヘスティア様は俺に質問を投げた。
「…いや、彼女は死ぬことはありませんでした。ある英霊によってその生命をつなぎとめることができたんです。その英霊は自身の名を伝えることなく能力と宝具を置いて消滅してしまいましたが・・・」
「よかった。君の知り合いが失われるなんてのは僕は嫌だったからね。その娘の生命をつないでくれた英霊君に感謝したいくらいだよ。」
「…僕もリツカを失うなんてのは嫌です。リツカは僕と一緒にこの都市、オラリオに来てくれた。例え出会いが少ないとしても僕にとっては大切な仲間なんです。それにリツカの悲しむところは見たくないしね。」
「二人とも…」
僕は幸せ者だ。こんなにも俺の事を想ってくれる人たちがいる。生前にもそういう人達は沢山いた。でも辛い…なぜなら別れというものは突然来るものだからだ。でも…だヘスティア様は俺達に死なないでくれと言った。だから俺はそんな二人にこそこの話をしたいと思ったんだ…例え、
「話を続けるね。
オルガマリー・アニムスフィア
カルデアの二代目所長。「グランド・オーダー」を成し遂げるために48人ものマスター候補生をカルデアに集め、人類史の存続をかけた使命を胸に抱き行動しようとしていた女性。
「ここから帰るには聖杯を回収する必要があると言われ、聖杯を探しているとサーヴァント達に襲われたんだ。俺はその時見た。サーヴァント同士の戦いを。幾らサーヴァントであるとはいえなったばかりのマシュ。歴戦の英雄たちには歯が立たなかった。…あるサーヴァントに会うまでは。」
「「あるサーヴァント?」」
二人が不思議そうにする中で俺は話を続けた。
「クーフーリン。クラスは『
俺はこの時どんな顔をしていたのだろう、自分でも分からなくなっていた。
…多分悲しげな表情をしていたのかもしれない。それだけ俺には衝撃的な出来事だったからだ。
「…どうしたんだい?後は帰るだけ。何かあったのかい?」
ヘスティア様がまた不安気な表情をしていた。当然だろう。自分の
「…この時現れたのはあの爆発事故を引き起こした張本人ーーレフ・ライノールでした。彼は元々オルガマリー所長やDr.ロマンと親しい間柄にありました。だからオルガマリー所長は即座に彼に近づいてしまいました。当然、彼がカルデアのスタッフ諸共亡き者にするつもりだったなんてのは知らずに。そう、彼女は爆発事故に巻き込まれ、肉体は既に亡くなっており、精神のみが私たちと共に行動していたのです。その後、彼女はレフによって精神も消滅させられてしまいました。その後、俺とマシュはカルデアに帰還して今回の旅は一先ず終わりとなります。」
「…そうだったのか、ごめんよ。辛いことを話させてしまって。それとさっきは無意識に君を傷つけてしまった。本当に申し訳ない。」
そう言ってヘスティア様は頭を下げた。
「大丈夫です、こんなに俺の事を心配してくれるなんて本当に神様は優しいですね。」
「えへへ、そう言ってくれるなんて嬉しいね。」
「ベル。」
「何?」
「別れというのは突然来るものだ。俺たちは毎日毎日を感謝して生きる必要があると思う。それがここにいる者として唯一できることだから。俺もベルもこれからいろんな出来事に遭遇すると思う。だからこそ、
「…!うん、僕もかなえたい夢がある。それを叶える為にも僕はどんなときも諦めない。リツカも辛いときは僕を頼ってね。」
「僕も忘れちゃだめだぞっ。」
「二人とも…ありがとう。ここにきてから感謝することがいっぱいだな。」
俺は嬉しそうにそう言った。
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<Side:ベル>
「それから、君はどうしたんだ?」
神様はそうリツカに問いかける。
「俺はその後七つ…いやの特異点…聖杯を巡る旅に出ました。それらの戦いを経て俺は人類史を取り戻すことができたんです。さらに四つの特異点を攻略して俺の旅はここで終わりとなります。」
「…なるほどね。」
「リツカはすごいね、実際に見たわけじゃないけどその言葉からリツカの戦いの壮絶さが分かるよ。」
「ああ。俺と共に戦ってくれた大切な仲間たちと共に成し遂げたことだ。俺はこれを誇りに思ってる。」
僕もなれるのだろうか、ーー笑顔をもたらせる英雄に。
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<Side:立香>
俺は会話を終え、各々別の場所で一休みしていると神様から声をかけられた。
「…さっきの話で一つ気になることがあったんだ。聞いてもいいかい。」
「…」
「君はさっき、『俺の旅はここで終わりとなります。』と言ったけどあれは半分本当で半分嘘だね。まるで…
「神様が俺の嘘に気付くのは分かっていました。ベルは…英雄に憧れてここオラリオに来たんです。あの後起こったことに関しては…俺が話したくないんです。」
話せるはずがないだろうーーそこから先は俺が許されないことをしたのだから。
「…分かった。そういうのなら僕は何も言わない。君が話すことができるようになる機会が来るまで僕も精一杯力になるよ。」
「ありがとうございます。神様。」
「それでこの後はどうするんだい?《ステイタス》を付与したのはいいけどまだファミリアの申請と冒険者登録がまだだから…ギルドに顔を出すのがいいと僕は思うんだ…あ、でもどうしよう。リツカ君のスキルなんてギルドからしたら驚きの連続になる。ヘファイストスにどうしたらいいか聞いてみようかな、君も一緒に来るかい?」
「分かりました、後程ベルに声をかけて『ヘファイストス・ファミリア』に行った後ギルドに行ってみようと思います。」
そう言って一休みしたのちの予定を決め、俺達は別れたのだった。