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神の恩恵。これを与えられることで、冒険者としてのスタートを切ることができる。ベルにとって、子供の頃からずっと憧れていたことだ。
「セイヴァー」と呼ばれる謎の青年、藤丸立香とオラリオに憧れてきたベル・クラネルは二人がファミリア探しをしている途中に出会ったヘスティアと呼ばれる神様によって恩恵を授かろうとしていた。
「じゃあ、ベル君。始めようか、…恩恵の授与を。」
神ヘスティアに言われたとき、ベルは密かに胸を高鳴らせていた。
(僕も遂に…遂になるのか、"冒険者"に。)
おじいちゃんがかつて言っていた。男ならハーレムを目指せと。邪な感情もオラリオに来た理由に入っているのかもしれない。でも僕は、やっぱり「英雄譚」に出てきた人みたいに冒険がしたいから、ここにやってきた。あの人達みたいに冒険ができるかは分からない。でも、それでも僕は「英雄」になりたいんだ。
「はい!」
「うん!いい返事だ!じゃあ上半身を裸になってそこにあるベットにうつぶせになって横たわってくれるかな?」
「分かりました!」
(うぅ、上半身裸になるのは恥ずかしいけど、これも仕方ないか。)
ベルは純粋だが、仮にも14才だ。思春期の少年に神ヘスティアの存在は異性として意識をせざるを得ない。背に腹は代えられないと思い、思い切って服を脱いだ。
その身体を見て、神ヘスティアは
(うわぁ、ずっと思ってたけどきれいな身体だなぁ…)
感想を心の中で言っていた。少しボーっとしていたのだ。
「神様?」
「うへへ…はっ!?ごめんごめん、じゃあ始めるよ、準備はいいかいベル君?」
「はい!!」
さて、ヘスティアが神の恩恵を与えようとしている間に、終わるまで気晴らしに部屋の外に出ていた藤丸立香についても触れておこう。
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ーー突然だが、藤丸立香は「異物」に過ぎない。当然だ。本来…「正史」では現れることのなかった人物だ。立香は一人で考えていた。呼び出された理由、この世界について、そして…自身に振り当てられた
(ずっと疑問に思っていた。俺が呼び出された理由はなんだ?そしてヘスティアという名…その名には聞き覚えがある。)
君たちは覚えているだろうか、かつて藤丸立香が踏破した絶海、かつて存在していた文明であり、五つ目の
(ヘスティア…古代ギリシャ神話における神様だよね…先ほど出会ったハシャーナさんが所属しているガネーシャ・ファミリア…ガネーシャはインドの神様だ…この世界は色んな神様が存在する世界なのか…?)
神自体に藤丸立香は驚きはしない。彼には生前たくさんの神霊と出会い、そして戦った存在であるからだ。
(この世界については少し分かってきた。でも…何故だ?何故俺が呼ばれたんだ?これは聖杯戦争じゃない、だとすると…
藤丸立香は分からなかった。この世界に自分が呼ばれた理由が。そして自身に振り当てられたクラスに関しても…
(ない物ねだりをしても仕方がない、今は別のことを考えよう。俺に振り当てられたクラス…セイヴァーって何だ…?確かエルメロイII世先生が聖杯戦争について話してくれたことがあったけど…セイヴァーなんてクラスは初めてだ。エクストラクラスに該当するんだろうか?)
セイヴァー。藤丸立香にはこのクラス事態聞いたことがなかった。
(セイバーに似ているけど発音が少し違う。英語にするとSaver…救世者のことを指すんだろうか?俺には似合わないクラスだと思うけど…)
そう考えているうちにベルたちが終わったようだ…
「っと、終わったみたいだね。次は俺の番かな?」
ーーさぁ、■■の始まりだーー
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一方、ベルは恩恵が授与し終わった後に記された【ステイタス】を見ていた。
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ベル・クラネル lv.1
力 I 0
耐久 I 0
器用 I 0
敏捷 I 0
魔力 I 0
魔法:
【スキル】
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「これが、僕の【ステイタス】…!」
自身の冒険者の証である【ステイタス】を見て、僕はわくわくが止まらないでいた。
と、その時リツカが終わったと思って部屋に入ってきて
「ベル君、これで君は僕のファミリア…ヘスティア・ファミリアの眷属になったわけだ。でもこれだけは覚えておいてほしいんだ、ベル君。そしてリツカ君にも。--死なないでくれ。僕の大切な眷属なんだ、一人にしたら許さないんだからな。」
神様はベル達のことを案じていた。どこかしら危うさがあるからだろう。そしてその言葉に二人は
「大丈夫です、神様を一人ぼっちにはさせません。僕も神様を置いていきたくないですから…」
「…」
片や決意を抱き、片や沈黙を貫いた。
(俺に…生きる資格なんてあるのか…?)
ーー殺戮者。かつてこう呼ばれたことがあった。たとえ生きるためだとしても■めたことに変わりはないーー
「ーーリツカ?」
「っ、ごめん、考え事してたみたい。」
「よしっ。じゃあ次はリツカ君、行ってみよー!」
「分かりました。」
「じゃあまずは服を脱いでくれないかい?」
「…構いませんが、手袋も外さないといけませんか?」
(…そういえば、リツカが脱ぐのを見るのは初めて…いや違う。見たことはあった。だけど今まで一度もあの手袋を
ベルは思い出したかのように不思議に思った。オラリオに来るまでの間、ただの一度もそれを目撃することはなかったからである。
「うん、その方が手早く済むからね。」
「…分かりました。」
リツカは服と手袋を外そうとするがその直前に
「ヘスティア様、ベル。あまり驚かないでくれると助かるかな?」
「「?」」
そう言いながら服を脱ぎ、手袋を外した。
「なっ…。」
「リツカ君…なんなんだいその傷の多さは」
二人は見てしまった。おびただしい傷。傷。傷。それも一つや二つじゃない。体中にその跡がある。見ていて痛々しい限りだ。
中でも最も顔をしかめたくなるのは指先だ。そのほとんどが黒ずんでしまったいる。
「アハハ…ちょっと色々昔ドジってしまったんですよね。」
「中々にひどい…指先なんて真っ黒になってるじゃないか。一体何があったんだい…。」
(…やはりただものではないねこの子。最初に出会った時は本当に…
「リツカ…」
「ごめん、ベル。いつかは見せようと思ったんだけど…」
「い、いやこんなの僕だって見せるのは戸惑うから仕方ないよ。でも、僕は知りたいな。リツカのこと。そして…」
「?」
「話さなきゃいけないこともある…と思うんだ。」
「そうだね、僕も聞きたい。さっきも言ったけど僕は君たちの家族だ。たとえ何者であろうとその事実は変わらない。だから…出来たら話してほしい。一体君に何があったのかをね。」
「…ありがとう。二人とも」
「どういたしまして、じゃあその前に…恩恵の授与をしようか。」
「はい。」
そう言うとリツカは背中を向いて神様の前に横たわる。しばらくして…
「リツカ君…分かる範囲で構わないから後で色々と説明してくれると助かるよ。」
そういわれて、リツカは己自身の
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藤丸立香 lv.1
力 I 0
耐久 I 0
器用 I 0
敏捷 I 0
魔力 I 0
魔術 ■■■■
【スキル】
無辜の怪物 Ⅾ
顔以外の身体中の傷跡を残す。
カリスマ E
味方の軍勢を少し奮い立たせる。
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解析不能
授けられし英雄の武具 C++
ツーランクダウンするが英霊の宝具を武器として使うことが可能。ただし真名開放は不可。宝具のランクによって自身への負担が変わる。
神を撃ち落とした者 A+
神性を持つ者へのステータスを下げる。
魔術礼装 B
一部を除く自身が所持している礼装に着替えることができる。
■■■■■ EX
解析不能
宝具
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「…」
驚愕と謎。この二つが俺の脳内を駆け巡った。サーヴァントであるということの事実と
その後、今日はもう遅いため、説明は明日にしてくれないかという提案に二人も賛成し、寝床に就くのであった…。