ダンジョンに元人類最後のマスターがいるのは間違っているだろうか


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作:アクバタ
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その男は”英雄”である
episode1~英雄らしからぬ者との対話~


皆さま、新年明けましておめでとうございます。そしてお気に入り登録14件、感想2通ありがとうございます。初心者故まだまだ未熟な私ではありますがあたたかい目で見守っていただけれれば幸いです。それでは本編どうぞ。


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「マス、ター…?」

 

迷宮都市オラリオに向けて旅をしていた僕ことベル・クラネルが尻もちをつきながら最初に出た言葉がそれだった。

外見は特に変わったところはない。黒髪で青い瞳をやどし、上には白のシャツ、下には黒のズボンを着ている普通の青年に僕は見えた。

 

「うん、俺が召喚に応じた。ということは近くにマスターがいるはずだからすぐ近くにいた君に声をかけたんだけど…違うのかな?」

 

僕には彼が何を言っているのか理解が追い付かない。召喚?サーヴァント?セイヴァー?聞きなれない言葉だし僕自身に覚えはない。

 

「すみません、その前にサーヴァントやマスターって何のことですか??僕には心当たりがないんですが…。」

 

そう聞くと目の前にいた彼はキョトンとした顔をした後、考え込んだのちに頭をかきながら「参ったな。君、聖杯戦争ってのもご存じない感じ??」と聞いたのでそれに戸惑いながらうなずくと

 

「なるほど、よし分かった!とりあえずマスターだのサーヴァントだのの話はいったん抜きにしてまずは一息つかない?見たところここで野宿をするつもりみたいだし、ちょうどいいと思うんだけど…どうかな?」

 

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彼の提案に同意し、その場に立ったのちに僕はふとあることを思い出した。

 

「…あの、夕食どうします?よければ作りますけど…」

 

「ん?あぁそっか。そういえばご飯考えてなかったや…お言葉に甘えてもいいかな?」

 

「あ、はい!大丈夫です!」

 

そういった後僕は荷物の中から手軽に作れる食料をいつもより多めに出して調理をし、彼にふるまったら美味しいと微笑んだのでなんだか照れくさかった。

 

その後に寝床の準備をした後たき火を2人で暖まりながら話をしようと誘われたので応じることにした。僕も彼と話したかったので丁度良かった。

 

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「じゃあ、改めて自己紹介するね。俺の名前は藤丸立香!気軽にリッカとかリツカって呼んでくれ。」

 

彼は朗らかに笑いながら自己紹介をした。

 

「僕は、ベル・クラネルと言います。14才で今は1人でとある場所に向かうために旅をしています。」

 

そういうと彼は驚いたような顔をして

 

「え、14才で1人旅!?すごいなぁ。」

 

「そんなことはないですよ。そういえばリツカ?さんでしたっけ。なんで光ったと思ったらいきなりあなたがいたんですか?」

 

僕は彼のことが知りたい。少なくとも今はそう思っていた。

 

「理由はね、俺にも分からない。こんなケースは初めてだし、君にも令呪がない。だから君がマスターなのかは俺には判断がつけられない。でも、なにかしらの縁があって、君の近くに呼ばれたのは確かだと俺は思うな。」

 

摩訶不思議なことは多々あるけど僕にはこの人がどうしても悪い人だとは思えなかった。

 

「…ところで、ずっと気になってたんですがマスターとかサーヴァントってどういう意味なんですか?分からないことだらけで…」

 

「あぁ、そうだったね。説明もしてないのにいきなりでごめんね。まずサーヴァントっていうのはーーー」

 

その後僕はとてつもない衝撃を受けた。サーヴァントというのは時代に関係なく"英雄"になったものが死後座に召し上げられて、召喚されたりする存在だということ。それって幽霊なんじゃと思ったが似たようなものだよとリツカは言っていた。マスターや令呪、セイヴァーというエクストラクラスについての説明(リツカはなんでこのクラスに当てはめられたか分からないらしいけど…)もされたり、聖杯戦争についても軽く触れられたけど僕は"英雄"と呼ばれた存在に出会えてとても興奮していた。

 

「ええと、つまりリツカは"英雄"と呼ばれた存在なの??」

 

僕は少し目を輝かせながらリツカに聞いた。

 

「うん、どうやらそうらしい。でも、俺としては普通の一般人として話しかけてくれれば助かるよ。そのほうがいいし。」

 

「え、なんで??"英雄"って呼ばれたことがあるんだからそれを隠そうとしなくてもいいんじゃ…」

 

僕は不思議に思った。"英雄"というのは人々を助け、感謝されるべき存在だと思ったからだ。--だがリツカはそれよりも"普通の人"でありたいと言った。どういうことなんだろう?

リツカは少し苦笑しながら僕に

 

「--俺が、"英雄"と呼ばれるには相応しくないと思ってるからだよ。」

 

その表情は先ほどとは少し違ってぎこちなさを感じさせた。まるで何か葛藤しているような…そんな気がした。その時なぜか僕はとっさに

 

「…あの、一体生前に何があったんです??」

 

リツカは何やら考え込んだ。恐らく迷っているのかもしれない。

そして、返ってきた返答はーー

 

「ごめん、それに関しては今は()()言えない。」

 

柔らかな拒否だった。

 

「…分かりました、こっちこそすみません。いきなりこんなこと聞いて。」

 

なんでいきなり聞いたのかは分からない。でも、あの表情はーー

 

「いいよ。ベルにとって俺という存在については分からないことだらけだと思うから疑問に思うのはしょうがないさ。」

 

どこか悲しさを感じさせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この小説では主にベル・クラネル視点と藤丸立香視点、たまに第三者視点での話が入ります。分かりにくい、こうしたほうがいいという指摘も遠慮なく書き込んでください。
今作の主人公の今現在の服装は「魔術礼装・カルデア」をイメージしていただければ幸いです。

次回
「episode2~旅の終着地、迷宮都市オラリオへの到着~」
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