【CP•閲覧注意】脹相「つ……く、も……?」

  • 1二次元好きの匿名さん25/04/15 18:49:13

    「やあ」

     思わず零れ落ちたような男の掠れ声と場違いに気安いバーテンダーの呼びかけが、空港の片隅に設られたバーカウンターに響いたのはほぼ同時だった。二人分の声に、カウンターチェアに腰を落ち着けていた女性が顔を上げてゆっくり首を巡らせる。彼女の長い金色の髪は綺麗にまとめられ、耳の横に垂らされた髪と耳飾りだけが僅かに揺れた。

     もう来ちゃったのか、お兄ちゃん。

     名前を呼ばれた彼女──九十九由基は、少し眉尻を下げて笑い、目を眇める。やや薄暗めに調光された暖色系のダウンライトの元で、筋肉質だがすっと締まった肩と腕、晒されたうなじとそこから続く背中が、ぼんやり白く浮かび上がっていた。

  • 2二次元好きの匿名さん25/04/15 18:50:52

    死後の世界か

  • 3二次元好きの匿名さん25/04/15 18:56:58

    「ようこそ、バーボンハウスへ」

     カウンターの内側に立つ天元が、手を差し伸べて椅子を勧める。背中や胸元を見せるドレス姿の九十九とは対照的に、一番上のボタンまで留めて蝶ネクタイを隙なく締め、黒のベストを着込んでいる。
     薨星宮で見たときのままの服装だった。

     おずおずと、脹相は歩を進める。謝らなければとは言ったがこんなにすぐ再会できるとも思っていなかった。生きろと言ってくれた彼女に、今更どんな顔で会えと言うのか。口を閉ざしてしまったままの彼の前に、天元はコルクのコースターを置き、その上にガラスのタンブラーを乗せた。グラスの縁には塩とカットライムが添えられている。しゅわしゅわと泡の弾ける音がした。

  • 4二次元好きの匿名さん25/04/15 19:02:42

    店名が不穏…

  • 5二次元好きの匿名さん25/04/15 19:03:52

    「このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい」

     パロマという名の、テキーラベースのカクテル。タンブラーは以前脹相が傾けていた逆三角形のカクテルグラスよりも大きく、氷が涼やかな音をたてて崩れると触発されたように気泡が次々に立ち上っていった。たっぷりと供された飲み物を、脹相はまじまじと見つめる。

     飲みなよ。炭酸が飛んでしまうよ。

     カウンターまで来て立ち止まってしまった男に、九十九が声をかけた。冷やされたグラスの表面には汗が浮き始めている。彼は観念したようにチェアを引き、腰を下ろした。体重がかかっても座面が回転しても、革張りのカウンターチェアは軋み一つ鳴らさなかった。

  • 6二次元好きの匿名さん25/04/15 19:09:04

    バーボン羂索の霊圧が…消えた!!?

  • 7二次元好きの匿名さん25/04/15 19:10:22

    九十九さんの姿がバーボン?

  • 8二次元好きの匿名さん25/04/15 19:20:42

    CPが付いてるなら…ちょつくを期待していいんだな…?

  • 9二次元好きの匿名さん25/04/15 19:22:34

    すみませんバーテン天元は親指なのか気怠い美女なのかどっちなんです?

  • 10二次元好きの匿名さん25/04/15 19:26:24

     糊のきいたスラックスは履き慣れた袴に比べると窮屈だった。棚にはずらりと酒瓶が並んでいる。ぴかぴかに磨かれたシェイカーも、重ねられた白い皿も、壁に飾られている大小様々な四角が並んだ絵さえも、薨星宮の一空間で見たそれに酷似していた。
     バーの光景を興味深そうに眺めている脹相に、薨星宮のあの空間を作り出していた天元が、ああ、と頷いて口もとを緩めた。

    「うん、『また』なんだ」

     くだんの落ち着いた酒場が余程気に入っていたのか、それともただの気まぐれなのか、脹相にはいまひとつ掴みかねた。しかし思い返してみれば炬燵の部屋にはお茶と蜜柑が用意されていた。ならば、ただ単純に客人を饗することを趣味にしているだけなのかもしれない。彼はそう考えて、冷えたタンブラーに手を添えた。途端に喉の渇きを強く感じた。
     く、とグラスを傾ける。グレープフルーツの爽やかな苦味とトニックウォーターの香りが鼻を抜けると同時、炭酸の刺激が喉で炸裂する。灰さえ遺さず焼失した彼の身体を、『鳩』の名を冠する酒が潤していく。

     九十九は頬杖をついたまま、黙ってそれをじっと見ていた。張り出した喉仏が規則的なリズムで大きく上下している。
     パロマ。
     そのカクテル言葉は、『考えの正しさを主張できる心優しい人』。

  • 11二次元好きの匿名さん25/04/15 19:30:47

    お兄ちゃんのスラックスがスリム系?だったり喉仏がグビグビしてたりエッチですねぇ…

  • 12二次元好きの匿名さん25/04/15 19:51:22

     天元の言ったとおり、杯を乾したあとの脹相はいくらか落ち着いたようだった。氷すら惜しむように、空になったタンブラーをコースターの上に戻す。
     カクテルはあっという間になくなった。雫で濡れた指先を擦り合わせて、脹相は口を開くタイミングをはかっていた。
     九十九は辛抱強くくちびるを閉じ続けた。

    「済まない」

     やがて、脹相がぽつんと呟く。九十九は目を瞬かせた。謝られる理由などないと思っていた。むしろ、彼が望まなかった生存の道の方へ突き飛ばしたのは彼女の方だった。

     どうして?
     ……生きろと言ってくれただろう。
     呪いみたいに受け取って欲しかった訳じゃないよ。

     かろん。
     氷が溶けてグラスを鳴らす。崩れた勢いでくるりと回る。天元の手が伸びて、それをさらっていく。

  • 13二次元好きの匿名さん25/04/15 19:51:55

    サムネで縫い目見えてた…

  • 14二次元好きの匿名さん25/04/15 20:00:48

     俺は人らしく生きることができただろうか。
     私の評価なんて何の価値もないよ。
     ……呪いとして生きても人として生きても、結局俺は悠仁を独りにしてしまった。

     脹相の視線が下へと落ちる。タンブラーは下げられて、コルクのコースターに丸く水の跡があるだけだ。
     脹相の胸の裡には答えのない問いが渦巻いていた。何か残せていれば、それでも悠仁が寂しく思うことなどなかったのだろうか。タラレバの話など何の意味もない。そうは理解していても、塵芥の一つも遺さずいなくなったことに変わりはなかった。十分だと言ってはくれたが、『だからっていなくなるこたねぇだろ』と口角を下げて今にも泣き出しそうな顔をする末弟の姿が焼きついて離れなかった。
     それでも全部呑み込んで、ただありがとうだけをお互い別れの言葉に選んだのだ。

     それを責めるような子なの、君の弟は。
     いいや、悠仁は……一番しんどい時隣にいてくれたから、それで十分だと。
     許されているじゃないか。

    「仏の顔もって言うしね」

     九十九は冗談めかした慰めを口にしたが、脹相は無言で首を振って否定した。二度あることは三度あるとも言うけれど、最後の三度目は決して訪れない。

  • 15二次元好きの匿名さん25/04/15 20:31:40

    「謝って許してもらおうとも思っていない」

     頑なな態度を崩さない男に、九十九は小さく溜息をついた。

     彼に対する心残りと私への罪悪感を取り違えちゃ駄目だよ、お兄ちゃん。
     ……心残り?
     そう。……なあ、脹相。君は、後悔しているのか?
     何を。
     死んだことを。
     ……それは……。

     脹相は言葉を途切れさせた。答えに窮している様子の彼を待つように、隣に座る九十九は手の中のカクテルグラスをゆっくり傾けた。舌を湿らせてから、再び問いを投げかける。

     言い方を変えようか。虎杖くんを守って死んだことに、後悔は?
     何一つない。
     はっきり言い切るね。
     もしまた同じ場面に出くわしたとしても、俺は同じことをする。
     じゃあ君は、兄としての生き様に後悔なんかしていないってことだ。

     カウンターテーブルの上を彷徨っていた脹相の視線が、彼女の頬を捉える。それから鼻梁、眉間、両方の瞳。金属の棒を交差させた耳飾り。頬の横で揺れる金色の髪。
     二人の目線が交わる。

  • 16二次元好きの匿名さん25/04/15 20:42:18

     私は、呪いとして生きようとした君を道連れにして死んだ。人として生きろと、君を酷な方に追いやった。
     そんな言い方をしないでくれ。俺は……。
     いいや、命の使いどころはここしかないと君は言い、私はそれを否定した。一番辛いときに君を独りにしたのは、私も天元も同じだ。

     脹相は口を噤む。自分のくちびるから出た感情がそのままそっくり跳ね返ってくる。酒瓶が並ぶバックバーの間にかけられた大きな四角の鏡が、天元の横顔と九十九の端正な顔を映し出していた。脹相自身の表情は、まるで窺えなかった。
     兄者最近謝ってばかりじゃないか? らしくねえぜ。
     記憶の中で血塗が笑い、脹相は瞬きをする。瞑目すればまぶたの裏にいつだって弟たちがいる。

     そうだな。

     ありがとう、九十九。

  • 17二次元好きの匿名さん25/04/15 20:48:47

    これはバーボンハウスネタに見せかけたシリアスつくちょ?
    セリフまで取り入れてて凝ってるな

  • 18二次元好きの匿名さん25/04/15 20:57:04

     今度は言い淀まなかった。痞えることなく感謝を述べた脹相に、九十九は目を細めた。
     なんの信念もなく人を殺したと泣いていた男が、強い信念のもとに人を生かした。生きろとは言ったが、後悔なく終わりを迎えられたのなら、ほかに望むべくもなかった。
     彼は兄弟のために殉じた。
     彼が満足ならそれでよかった。

     だが。

     呪胎九相図。

     それまで黙っていた天元が口を開く。虹彩のない四つの目はどこに焦点を定めているのか読めず、九十九も脹相も感情の読めないのっぺりとした顔らしきところを見つめるほかなかった。

  • 19二次元好きの匿名さん25/04/15 20:58:59

    親指バージョンだった

  • 20二次元好きの匿名さん25/04/15 20:59:29

    これはもしやキューピッド天元かあ?

  • 21二次元好きの匿名さん25/04/15 21:07:15

    逆バーボンとは恐れ入る

  • 22二次元好きの匿名さん25/04/15 21:20:26

     考えてみれば羂索の肉体を渡る術式と天元のそれはよく似ているな、と九十九はふと思う。
     同化を経れば同一の存在となると天元は言っていたが、魂が完全に混ざり合うことはないというのが彼女の持論だった。呪物と非術師のように極端に呪力差がある例などではどちらか一方がもう片方の魂を感じないこともあり得る。だが九十九は特級術師だ。羂索と夏油のように魂のない状態の死体を乗っ取るのならまだしも、完全に魂が食い潰されるなどという事態は想定しにくい。
     であるなら、星漿体の素質とは何なのだろう。
     呪力の寡多でないことは明白だった。天元との近似というのなら血縁か、はたまた親類の転生体か。しかし星漿体は周期的に生まれる存在のはずだ。連綿と続く血族の中に、例えば六眼のような術式とは異なる一種の体質のようなものなのだろうか?
     ならば何故、『機能』に人格を、感情を持たせるのだ。
     天元に星漿体だった者たちの『声』は届かない。天元と六眼、その二つと因果で結ばれた星漿体は、はじめから天元のために生まれ、天元のために人生を終えることが定められた存在だ。個の属性に制限はなく、性別も年齢も容姿も血筋も選定条件には含まれない。天元曰く、星漿体が赤子のうちに殺されたときですら、同化当日に代替の星漿体が出現したらしい。
     それが許されるなら、知らせなければ済む話だ。普通の人間だって突然命を絶たれることもある。赤子のうちに同化してしまえば辛いだの苦しいだの感じることもないだろう。何故、わざわざ奪うような真似をする。身を捧げることへの煩悶を経由させるのだ。
     それとも、自らの意志で差し出してほしいのか?

  • 23二次元好きの匿名さん25/04/15 21:21:02

    天元様頼む!ここでつくちょを!

  • 24二次元好きの匿名さん25/04/15 21:28:29

     ロックグラスを拭く手を止めて、天元は二人に向き直る。脹相の前に置かれたコルクのコースターに残る陰のような染みも、徐々に乾いて薄くなっている。

     バックバーには様々な色や形の酒瓶が並んでいる。脹相にはそのラベルの大半が読めないものだった。異国の言語、崩した文字。意匠を凝らした瓶たちにはいずれもアルコールが詰められている。先程彼が飲み干したカクテルに使われていた酒も、今九十九の前に置かれたカクテルグラスに含まれるそれも、あれらのどれかから注がれたものなのだろう。だが、どれかは脹相にはわからない。
     はっきりしていることは一つだけ。
     あのたくさんの瓶の、どれにも胎児は入っていない。

  • 25二次元好きの匿名さん25/04/15 21:31:57

    特に宣言なさそうだからつくちょでもちょつくでもどっちでもOKなスレって事でいいのかな

  • 26二次元好きの匿名さん25/04/15 21:33:53

     君が最も大切にしているものを、私たちは知っている。羂索を討とうとしたのですら、君にとっては弟達の救済のためだっただろう。
     君は兄として生き、兄として死んだ。私たちと過ごした時間など、君の生涯の中でほんの僅かなものだ。

    「でも、この場所を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない『ときめき』みたいなものを感じてくれたと思う」

     天元の言葉に、脹相は目を瞬かせる。
     ときめき。
     鼓動の高鳴り。
     最早死んだ身の上、心臓がまた動くことはないのに。
     カウンターの上に置いた、焼き切れたはずの手をぎゅっと握る。

     ここには君の弟達はいない。兄としての君ではなく、呪胎九相図としてでもなく、脹相、君個人でいられる場だ。
     個としての自我を失った私から、ひとつ言っておくよ。
     君の本当の感情は何だい?


    (カプはお好きな方で受け取ってください)

  • 27二次元好きの匿名さん25/04/15 21:35:19

    ワクワク…

  • 28二次元好きの匿名さん25/04/15 21:35:28

    うお!有り難い
    ちょつくを楽しむぜ〜

  • 29二次元好きの匿名さん25/04/15 21:40:36

    本当にキューピッドしてて草

  • 30二次元好きの匿名さん25/04/15 21:41:46

    なるほど
    お兄ちゃんはここではもうお兄ちゃんではないんだね

  • 31二次元好きの匿名さん25/04/15 21:41:49

     脹相は天元の手元にある、指紋一つない透明な空のグラスに目を落とした。さっきまで天元が磨いていたものだ。
     本当の?
     ありがとうと言った気持ちに嘘偽りなどなかった。悠仁に対しても、九十九に対してもだ。あのとき天元が脹相を逃し九十九が生きろと背中を押していなければ、彼は虎杖悠仁を守れなかった。
     くもりのないガラスに脹相の顔が映っている。

     そう。
     予め言っておくが、君の考えや思想を否定するつもりはないよ。
     ただね、本心というものは、普通は外的要因や、それに応えようとする自分自身に、埋められ歪められ隠されてしまうからね。

    「殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい」

  • 32二次元好きの匿名さん25/04/15 21:45:21

     九十九は前を見据えたまま考える。
     何故リスクを冒してまで同化を拒否したんだ?
     九十九はその問いの意味を知っている。天内理子の後釜となる星漿体の何ものかの結末を望むことだと、理解している。
     天元は知らないのだ。
     星漿体にとってそれが、死という終わりであるのか、無限の生のはじまりであるのかすら。
     天元のもたらす平穏を繋ぐために生み出されたはずの星漿体と、ただ一人の好奇心を満たすためだけに存在を与えられた呪胎九相図。本来ならばそこに縁もゆかりも存在しない。ただ出会っただけの関係、緩やかな繋がり。
     役割、立場、権能、責務、しがらみ。
     彼の口に蓋をする何ものか。
     ここには何もない。

     脹相は目を閉じて思い返す。
     百五十年。瓶の中で、お互いを呼び合って寒さと孤独を耐え忍んでいた。重要なのは歳月の寡多ではないことは理解しているつもりだ。だが弟たちがいたから救われた。
     四から九番目までの弟たちは既に亡骸だった。暗く狭い瓶の中で、互いの存在だけが唯一無二のよすがだった。
     壊相は血塗のために、血塗は俺のために、俺は壊相のために生きる。
     俺達は三人で一つだ。

    「そう思って、この誓いを立てたんだ」

  • 33二次元好きの匿名さん25/04/15 21:45:34

    えそけちにしろ虎杖にしろ兄としてではなくお兄ちゃん個人として弟達に出会ってたらどうなってたかなってたまに考える

  • 34二次元好きの匿名さん25/04/15 21:45:35

    お兄ちゃんであることを最優先してときめき等の個人の感情を抑圧してたってことかぁ

  • 35二次元好きの匿名さん25/04/15 21:47:07

    お兄ちゃんって壊相と血塗の前でも普通に泣いてたしそこまで無理はしてなさそう

  • 36二次元好きの匿名さん25/04/15 21:49:55

    両親がいない中で長男として弟たちを養育してきて
    無事成人した弟達に兄さんは兄さんの道を歩いて!って言われる的な

  • 37二次元好きの匿名さん25/04/15 21:51:12

    お兄ちゃんは弟達の前では泣かないって思われてたけど29巻の描き下ろしで覆ったんだよな

  • 38二次元好きの匿名さん25/04/15 21:54:02

     脹相はまぶたを持ち上げ、握りしめた拳をゆっくりとほどいた。どこにも繋がらなかった閉じた世界。よく磨かれた銀色のシェイカーが光を鈍く弾いている。あの中に酒とジュースや他の酒などを入れ、混ぜ合わせることでカクテルができあがる。人と呪いの間の子。天元と星漿体。受肉体。
     九十九が纏う、落ち着いた色合いのベルベットのドレスが、滑らかに光を波立たせる。

     生きろ。
     九十九に謝らなければと思ったのは、その言葉に報いたかったからなのか。
     弟はいずれ兄を超えるものだが、それが今日という日だなんて、思ってもいなかったからなのか。
     いいんだ。
     いいんだ、後悔なんて何一つ。

     ……もっと悠仁と、弟達と一緒にいたかった。
     もっと色んな所に行って、色んな物を見て……もっと。
     生きたかった。

  • 39二次元好きの匿名さん25/04/15 21:56:09

    あれ?『ときめき』は…?
    まぁ天元も全てを分かってる訳じゃないか

  • 40二次元好きの匿名さん25/04/15 21:56:36

     血を溢すようにこころを吐き出した脹相の身体が、のろのろと前へ傾ぐ。丸まっていく背中を、前を向いたままの九十九の手が優しく撫でた。彼の肩が、喉が、歯を食いしばり強張る頬が、彼自身を抱く腕が震えているのを、彼女は見ないふりをした。炭化し様相もわからなくなり、灰燼に帰したその顎を、雫が伝って滑り落ちる。
     増えなかった『声』。
     天内理子に勝る素質を持たなかった九十九は選ばれず、天内の死亡によって天元は人であり続けることをやめた。
     密やかな声の一つもない。殺した嗚咽も聞こえない。空港の一角ではあるが閉じられた扉が喧騒を切り離している。隔絶された静かな部屋には、互いを呼び合う声も、同化した成れの果てのそれも、何一つ届かない。

     やがて、空のグラスを一つ取り、天元は言った。

    「じゃあ、注文を聞こうか」

  • 41二次元好きの匿名さん25/04/15 22:11:42

    〜〜〜〜〜

    羂索「あのさあっ、独りよがりなんだよねぇもう少しドスケベちょつくちょを期待してきたスレ民のことも意識してスレ立てして下さいお疲れさまd」

    五ノレノ「ハロウィンに渋谷行ったんです。渋谷。そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで呪霊殺れないんです。で、よく見たらなんか箱型の呪具落ちてて、獄門疆開門、とか言われるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。お前らな、獄門疆に封印如きでこの五条悟に勝った気になるんじゃねーよ、ボケが。傑の肉体だよ、傑。なんか縫い目見えてるし。「忘れたのかい? 悲しいね」か。おめでてーな。よーし一分間稼いじゃうぞーとか言ってるの。もう見てらんない。お前らな、0.2秒やるからチョロチョロすんなと。夏油傑ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。高専で向かい合った僕といつ喧嘩が始まってもおかしくない、刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。烏合どもは、すっこんでろ。

  • 42二次元好きの匿名さん25/04/15 22:12:05

    で、やっと出られたかと思ったら、隣の宿儺が、こっちの小僧になってしまったが、殺す、とか言ってるんです。そこでまたぶち切れですよ。あのな、NTR(乗っ取り)なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。得意げな顔して何が、こっちの小僧、だ。お前は本当に恵がいいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、悠仁から逃げただけちゃうんかと。傑の親友の俺から言わせてもらえば、決戦の日かつ傑の命日はやっぱり、12月24日、これだね。百鬼夜行のぴったり一年後。これが最適解。俺たちの世代も三人しか残ってない。そん代わり中途半端になってる奴もいる。これ。で、今度こそ肉体を弔う。俺最強。しかしこの日を指定すると俺が負けたとき傑と命日がオソロになるという危険も伴う、諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。まあお前らド素人は、生存if教師ifでも読んでなさいってこった」

  • 43二次元好きの匿名さん25/04/15 22:14:22

    以下好きなちょつくちょを語るスレです
    ありがとうございました

  • 44二次元好きの匿名さん25/04/15 22:15:03

    ( ゚д゚)ポカーン

  • 45二次元好きの匿名さん25/04/15 22:16:30

    バーボンが終わって吉野家コピペが…
    夏油傑はもっと殺伐としているべきという意見は分かる羂ちゃんの夏油はやっぱちょっとちげえんだ

  • 46二次元好きの匿名さん25/04/15 22:19:30

    文章を読んで思ったんだけどもしかして黒神ロングスレ(オブラート)のスレ主さん?

  • 47二次元好きの匿名さん25/04/15 22:24:19

    なんかこうノスタルジーを感じる

  • 48二次元好きの匿名さん25/04/15 22:29:59

    日頃はお兄ちゃんとして振る舞ってるけど九十九さんの前では弟っぽくなってる気がしてる

  • 49二次元好きの匿名さん25/04/15 22:33:50

    スレ主はちょつくちょはカプというより好意強めのブロマンス的な関係だと思ってますがそれはそれとして少女漫画的なやつもドスケベも好きです


    >>46

    何でわかるんだよ(画像略)

  • 50二次元好きの匿名さん25/04/15 22:39:21

    >>49

    あにまん廃人だから日本語の雰囲気とか解釈の雰囲気とか魂の雰囲気とかでわかってしまう

    (その節は最高のSS群をありがとうございました悠脹めちゃくちゃ良かったです)

  • 51二次元好きの匿名さん25/04/15 22:58:24

    黒神ロングスレとは一体…?

  • 52二次元好きの匿名さん25/04/15 23:10:45

    うーんぶっちゃけ内輪ノリみたいなの分からんわ
    過去スレを紹介するなりさ、キチンとした説明プリーズ

  • 53二次元好きの匿名さん25/04/15 23:13:43

    ちょつくでもOKと言いながら悠脹とか出してるくるのはどうなんだろね

スレッドは4/16 09:13頃に落ちます

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