沖縄県知事が総務相に審査申し立て 県議会の予算修正で
沖縄県の玉城デニー知事は14日、地方自治法に基づき、2025年度予算に関する県議会の議決を取り消すよう総務相に審査を申し立てたと発表した。公債の増発により基金の取り崩しを減らす野党の修正案が3月に可決されたことから、県側は借金の拡大につながると反発している。前例がなく、実際に取り消しとなるかは見通せない。
修正案は既に発行した公債の償還資金を調達するための「借換債」を58億円分増やす内容。県の原案では財政調整基金から取り崩して調達する予定だった。これにより、25年度の借換債発行額は173億円から231億円に増加。同基金を取り崩す必要がなくなったため、71億円を想定していた残高は129億円となった。
沖縄県は一般財源に対する公債費の比率を指す「実質公債費比率」が2023年度に7.4%と、都道府県平均(10.1%)を下回る。野党は償還を急がずに他の事業の財源に充てられる基金を維持すべきだと主張して、修正案を提出した。県議会の構成が少数与党であることから修正案が可決成立した。
玉城氏は14日、記者団に対し「具体的な事業の必要性について議論がないまま借換債を増額している」と強調した。県の試算では今回の増額で26年度から10年間の利子負担がおよそ5億円増えるという。
今後は総務省側の判断が焦点となる。申し立てを受けた総務相は今後、「自治紛争処理委員」として有識者3人を任命し、議決が適正か審査する。
沖縄県の25年度予算を巡っては、3月にも米ワシントン事務所の運営費が問題視され暫定予算化の可能性が出るなど、混乱が続いている。