川俣の山木屋小、きょう7年ぶり再開 地域の宝、みんなで育む

2025/04/07 07:50

始業式に向けて準備を進め、児童の登校を待つ安田校長

 山木屋に7年ぶりに小学生が戻ってくるー。東京電力福島第1原発事故による避難を経験した川俣町の山木屋小は7日、始業式を行う。2018年度に卒業生を輩出して以来の再開に向け、学校関係者や地元住民が子どもたちを迎える準備を整えた。

 山木屋地区は17年3月末に避難指示が解除された。18年4月に小中一貫教育校として山木屋小中に児童らが戻ったが、19年4月から小学生の在籍者は途絶えていた。町は廃校にはせず、19年4月に通学区特認校制度を設けて小学校を存続。学区にとらわれずに希望者がいれば通うことができる柔軟な対応を取っていた。昨年度に複数の通学希望者が出たため、町は再開する準備を加速させた。

 学校関係者や地元住民からは喜びの声が上がっている。本年度から山木屋小中に赴任した安田雄生校長(53)は「地域の中で大事な存在として残っている学校。たくましく生きる力を育てたい」と意欲を見せる。山木屋中が一時、同町の川俣中に移って授業をしていた時には教頭を務めていたが、18年に子どもたちが元に戻る姿を見届ける前に転勤していた。「校長として戻ってくることになって縁を感じる」と感慨深げに語る。

 「小学生がいなくて寂しい限りだった。子どもたちが戻ってくるのはうれしい」と話すのは、川俣地区交通安全協会山木屋方部会の渡辺信二会長(72)。「登校時に学校の前の信号機に立って見守りたい」と心待ちにしている。

 通学を決めた複数人の児童は複式学級となる。山木屋の豊かな自然を生かし、山木屋在来そばの栽培や田んぼリンクでのスケート学習などの体験を通じてきめ細かな指導を受けることができる。「地域の方の温かいまなざしの中で『チーム山木屋』で指導していきたい」と安田校長。地域ぐるみで児童を迎える。

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