1970年の大阪万博入場券を未使用のまま保管 家庭の事情で行けず 福井県の男性
福井県越前市のそば店経営、佐々木哲男さん(75)は1970年の大阪万博の入場券を未使用のまま保管している。当時、家庭の事情で訪れることはできなかったが、13日に大阪・関西万博が開幕し、改めてチケットを見つめ「当時のいろんな思い出がよみがえってくる」と感慨深げだ。 そば店「山むろ」の3代目店主、佐々木さんは大阪万博の時は20歳。東京のそば店で修業を積んでいるところだった。同年中に修業を終え福井に戻る予定だったため、母政子さん(2014年死去)が「帰ってきたら一緒に行こう」と、入場券を2枚用意してくれていたという。 ただ、政子さんが出前中に交通事故に遭って入院。哲男さんが一時的に帰福して数カ月、店を手伝ったり、修業期間が延びたりしたこともあり、足を運ぶことはかなわなかった。 チケットには「日本万国博覧会 人類の進歩と調和」といった文言や万博のロゴがデザインされている。入場料は800円。チケット入れに収めていたため、折れ目もなく良好な状態だ。 今回の万博に合わせて哲男さんが自宅を探し、たんすの中で見つけた。「このチケットを見ると一時的に帰ってきたことや修業していたことを思い出す。これからも大事に持っておきたい」と懐かしんでいる。