核燃料デブリ2回目の試験的取り出し 15日にも着手 東電
東京電力は、福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの2回目の試験的な取り出しに、15日着手すると発表しました。
福島第一原発の1号機から3号機では、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリがおよそ880トンあると推定されその取り出しは「廃炉の最大の難関」とされています。
去年11月には2号機で初めてとなる試験的な取り出しが行われ、採取されたおよそ0.7グラムのデブリの分析が茨城県と兵庫県にある研究施設で行われています。
東京電力は本格的な取り出し工法の検討に向けてさらにデブリのデータが必要だとしていて、15日、2回目の試験的な取り出しに着手すると発表しました。
今回も、格納容器の中に細いパイプ状の装置を入れて底にあるデブリをつかむ方法で、採取できる量は数グラム程度の予定ですが、採取するポイントを前回より最大で2メートルほど奥にずらすことで、性質や状態が異なるデブリを回収したい考えです。
東京電力は、順調に作業が進めば、来週以降にもデブリを格納容器の外に取り出せるとしています。
【ロボットアーム使用 今年度中を目指す】
核燃料デブリの試験的な取り出しは、当初、大型のロボットアームを使用する計画でした。
ロボットアームは長さおよそ22メートル重さおよそ4.6トンで、2017年からイギリスで開発が進められ、3年前から楢葉町の施設で操作訓練や調整作業が行われてきました。
しかし、改良や設計の見直しなどで1回目の取り出しで使用できず、さらに去年秋にはケーブルの断線も見つかり、15日以降の2回目の取り出し作業でも使用が見送られました。
ロボットアームは核燃料デブリの取り出しのほか、格納容器の内部調査ができる機能も備えていて、東京電力は、点検や調整を行いながら今年度中の使用を目指すとしています。